有効領域

数学の一分野である凸解析において、有効領域（ゆうこうりょういき、テンプレート:Lang-en-short）は、定義域の概念を拡張したものである。

ベクトル空間 X が与えられたとき、拡大実数を値域とする凸函数 $f:X\to ℝ\cup \{\pm \mathrm{\infty }\}$ は、次で定義される有効領域を持つ：

$\mathrm{dom}f=\{x\in X:f(x)<+\mathrm{\infty }\}.$

この函数が凹函数である場合、有効領域は次のようになる：

$\mathrm{dom}f=\{x\in X:f(x)>-\mathrm{\infty }\}.$

有効領域は、函数 $f:X\to ℝ\cup \{\pm \mathrm{\infty }\}$ のエピグラフの X の上への射影と等しい。すなわち、次で与えられる。

$\mathrm{dom}f=\{x\in X:\mathrm{\exists }y\in ℝ:(x,y)\in \mathrm{epi}f\}.$

凸函数が通常の実数への写像 $f:X\to ℝ$ であるなら、有効領域は通常の定義域と一致する。

函数 $f:X\to ℝ\cup \{\pm \mathrm{\infty }\}$ が真凸函数であるための必要十分条件は、f が凸で、f の有効領域が空でなく、すべての $x\in X$ に対して $f(x)>-\mathrm{\infty }$ が成立することである。