水酸化アンモニウム

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テンプレート:Chembox 水酸化アンモニウム(ammonium hydroxide)は、アンモニア水溶液を示す場合に用いられる名称である。アンモニア水(ammonia water)とも呼ばれ、テンプレート:Chem(aq)と表すことができる。アンモニア水中の電離平衡において中間体として テンプレート:Chem の存在が仮定されたこともあるが[1]、この化学種の存在は否定されている[2]

化学式テンプレート:Chemと塩のように表すが、この化学種の単離は不可能であり、希釈水溶液としてのみ存在する[3]

塩基性度

水溶液中ではアンモニアと水は次のような平衡にある。

NH3+H2ONH4++OHA

1Mのアンモニア水溶液では、約0.42%のアンモニアがアンモニウムイオンとなり、pHは11.63となる。塩基解離定数は:

Kb=[NH4+][OH][NH3]=1.8×105

実験室での用途

アンモニア水は伝統的に定性分析に用いられる。他のアミンと同様に銅(II)イオンと混合すると深青色の溶液になる。硝酸銀水溶液にアンモニア水を加えると酸化銀(I)が沈殿するが、アンモニア水を過剰量加えるとジアンミン銀(I)イオン錯体として溶解する。これはトレンス試薬と呼ばれる。

アンモニア水をテンプレート:Chemのような金属イオンの存在下で過酸化水素水と混合すると、過酸化水素が急激に分解する。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Normdaten

  1. 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  2. F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
  3. Housecroft, C. E.; Sharpe, A. G. (2004). Inorganic Chemistry (2nd ed.). Prentice Hall. p. 187. ISBN 978-0130399137.