調和数列
調和数列(ちょうわすうれつ、harmonic sequence または harmonic progression)とは、各項の逆数を取ると等差数列となる数列である。ピタゴラス音律では、ドの弦の長さを テンプレート:Math とすると、ソは テンプレート:Sfrac、1オクターブ高いドは テンプレート:Sfrac の長さになる。各項の逆数はそれぞれ テンプレート:Math, テンプレート:Sfrac, テンプレート:Math となり、公差が テンプレート:Sfrac の等差数列となる。よって、テンプレート:Math は調和数列である。
一般項と漸化式
調和数列とは、一般項 テンプレート:Mvar が テンプレート:Mvar を初項とし定数 テンプレート:Mvar を用いて
と表せる数列 テンプレート:Math のことである。ここで テンプレート:Math は自然数でないとする。このとき、テンプレート:Mvar は初項である。各項は隣接する2項の調和平均になっている(調和中項)。調和数列の極限は テンプレート:Math である。例としては、
などが挙げられる。
テンプレート:Mvar 番目の項と テンプレート:Mvar 番目の項の関係を表す漸化式は
である。
この数列の隣接2項間漸化式は
である。
調和数列の項の積
一般項 , 項数 テンプレート:Mvar の調和数列 テンプレート:Math の総乗は
で表される。ここで、 は上昇階乗冪(テンプレート:Mvar から テンプレート:Math ずつ増やしながら テンプレート:Math までの テンプレート:Mvar 個の総乗(階乗の類似物)、テンプレート:Math は ガンマ関数を表す。
調和数列の逆数和
調和数列は各項の逆数を取ると等差数列になることから、等差数列の関係から調和数列の関係を得ることができる。
一般項 , 項数 テンプレート:Mvar の調和数列 テンプレート:Math の全ての項の逆数和は、次の式で表される。
調和数列の級数
になる。これは発散級数である。