Arg max

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例として、正規化および非正規化基正弦函数 テンプレート:Math はともに テンプレート:Mathを満たす。実際、両函数は テンプレート:Math のみにおいて最大値 テンプレート:Math を達成する。他方、非正規基正弦函数(赤)は約 テンプレート:Math において二度、最小値約 テンプレート:Math を取るから、テンプレート:Mathである。しかし正規化基正弦函数(青)は、最小値は同じく約 テンプレート:Math だが、テンプレート:Mathである。

数学において、最大値を与える引数テンプレート:Lang-en-short)あるいは最大点集合は、関数がその最大値をとる定義域の元全体の成す集合である[note 1]。省略してarg max (もしくは argmax) と書かれる。最大値が函数の出力のうち最も大きいものを指すのと対照に、最大点は最大値を出力する入力の値を指す。

最大点集合は一般に複数の元を含むが、それは有限集合であることも無限集合であることも起こり得るし、となることもあり得る。

定義

最大点作用素

関数 テンプレート:Mvar に対する最大点作用素 テンプレート:Math

argmax\limits xPf(x):={xPyP:f(y)f(x)}

(ただし テンプレート:Mvar は最大をとる範囲に入るために テンプレート:Mvar が満たすべき条件) で定義される。即ちその値は テンプレート:Math がその最大値を達成する点 テンプレート:Mvar 全体の成す集合である。 同じことだが、テンプレート:Mvar の最大値 テンプレート:Mvar が既知であるならば、テンプレート:Math を最大値に対する等位集合(最大値 テンプレート:Mvar引き戻し

argmax\limits xPf(x)={xPf(x)=M}=:f1(M)

としても定義できる。

最小点作用素

最小値を与える引数、最小点作用素 テンプレート:Math (テンプレート:Math) が同様に定義される。

argmin\limits xPf(x):={xPyP:f(y)f(x)}

すなわち テンプレート:Mathテンプレート:Math が最小値を達成する点 テンプレート:Mvar 全体の成す集合である。もちろん、最小値作用素 テンプレート:Math に対を成す。

最大値作用素との比較

最大点作用素は、与えられた関数に対してその最大値を返す最大値作用素 テンプレート:Math と自然に対を成すものである(最大値作用素は最大値を達成する点ではなくて最大値自体を返す。すなわち

maxxf(x){f(x)y:f(y)f(x)}

である。右辺の集合は空集合となり得る(最大値がない場合がある)が、空でなければ必ずただ一つの元(つまり最大値)しか持たない。

注意

最大点集合はとなることも、一つの元からなることも、多数の元を含むことも起こり得る。例えば テンプレート:Mathとすれば、最大値 テンプレート:Math を達成するのは テンプレート:Math ただ一つであるから

argmax\limits 1x1(1|x|)={0}

が成り立つ。最大点がただ一つの場合はしばしば単集合でなく値そのものを返すものと扱われる。例えば、

argmax\limits x(1|x|)=0,
argmax\limits x(x(10x))=5.

しかし複数の点で最大値を取る場合は集合が返ることを忘れてはならない。例えば、

argmax\limits x[0,4π]cos(x)={0,2π,4π},
argmax\limits xcos(x)={0,2π,2π,4π,}={2nπn}.

一般には関数が最大値を有するとは限らないので、テンプレート:Math空集合を返し得る。例えば、

argmax\limits xx3=テンプレート:Mathテンプレート:Math 上非有界).

但し、最大値・最小値の定理によって(もしくはコンパクト空間の基礎的な定理によって)、コンパクト集合上連続な関数については テンプレート:Math が空でないことが保証される[1]

関連項目

注釈

テンプレート:Reflist

参考文献

テンプレート:Reflist

外部リンク


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  1. 有界閉とコンパクト 東京大学基礎数理の授業の講義資料。コンパクト空間の基礎的な定理によってコンパクト集合ならば有界閉集合になることを示している。