ヘヴィサイドの階段関数

x = 0 で 1/2 の値をとる階段関数

テンプレート:読み仮名は、正負の引数に対しそれぞれ 1, 0 を返す階段関数 テンプレート:Indent である。名称はオリヴァー・ヘヴィサイドにちなむ。ヘヴィサイド関数と呼ばれることもある。通常、テンプレート:Math や テンプレート:Math などで表されることが多い。

単位ステップ関数と似ているが、こちらは テンプレート:Indent と テンプレート:Math の時も0の値を持つものとして定義される。切断冪関数の0乗。

不連続性

階段関数は、テンプレート:Math または テンプレート:Math の範囲で連続であるが, テンプレート:Math で値 テンプレート:Mvar をとるものとして階段関数 テンプレート:Indent を実数全体の集合 $ℝ$ 上の関数 $H_c:ℝ\to ℝ$ と考えるならば、テンプレート:Mvar をどのように定めても原点 テンプレート:Math で不連続である。テンプレート:Mvar の値は必要に応じて都合のよい値を選ぶことができるが、テンプレート:Math などがしばしば用いられ、それぞれ

$\begin{array}{cc}{H}_0(x)& =\{\begin{array}{cc}0& (x\leqq 0)\\ 1& (x>0)\end{array}\\ & =\{\begin{array}{cc}0& (x=0)\\ \frac{x+|x|}{2|x|}& (x\ne 0)\end{array}\end{array}$

$\begin{array}{cc}{H}_{1/2}(x)& =\{\begin{array}{cc}0& (x<0)\\ \frac{1}{2}& (x=0)\\ 1& (x>0)\end{array}\\ & =\{\begin{array}{cc}\frac{1}{2}& (x=0)\\ \frac{x+|x|}{2|x|}& (x\ne 0)\end{array}\end{array}$

$\begin{array}{cc}{H}_1(x)& =\{\begin{array}{cc}0& (x<0)\\ 1& (x\geqq 0)\end{array}\\ & =\{\begin{array}{cc}1& (x=0)\\ \frac{x+|x|}{2|x|}& (x\ne 0)\end{array}\end{array}$

である。また、 テンプレート:Indent と表すことができる。関数 sgn は符号関数である。

階段関数の密度とデルタ関数

ディラックのデルタ関数 δと区間 $(-\mathrm{\infty },x]$ の定義関数 ${\chi }_{(-\mathrm{\infty },x]}$ に対し テンプレート:Indent とおくと、これは テンプレート:Math のとき区間 $(-\mathrm{\infty },x]$ は 0 を含まず、テンプレート:Math のとき区間 $(-\mathrm{\infty },x]$ が 0 を含むことから テンプレート:Indent となる。つまり テンプレート:Indent と表される。この意味でヘヴィサイドの階段関数はディラックのデルタ関数を確率密度関数とするときの累積分布関数に相当する。

関連項目

• ディラックのデルタ関数