区間 (数学)

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テンプレート:About テンプレート:参照方法

閉区間 テンプレート:Math
開区間 テンプレート:Math

数学における（実）区間（じつくかん、テンプレート:Lang-en-short）は、実数全体 テンプレート:Mathbf の部分集合 テンプレート:Mvar であって任意の実数 テンプレート:Math と テンプレート:Math について テンプレート:Math ならば テンプレート:Math という条件を満たすものである[1][2]。例えば、区間 [a, b] は テンプレート:Math を満たす実数 テンプレート:Mvar 全体からなる集合であり、この場合は テンプレート:Math と テンプレート:Math の両方を含む区間である。他の例として、実数全体の成す集合 テンプレート:Mathbf, 負の実数全体の成す集合, 一点集合, 空集合なども区間といえる。

実数に限らず、勝手な全順序集合（例えば整数の集合や有理数の集合）上でも区間の概念は定義できる[2]。

実区間は積分および測度論において、「大きさ」「測度」「長さ」などと呼ばれる量を容易に定義できるもっとも単純な集合として重要な役割がある。測度の概念は実数からなるより複雑な集合に対して拡張され、ボレル測度やルベーグ測度といったような概念までにつながっていく。

不確定性や数学的近似および算術的丸めがあっても勝手な公式に対する保証された一定範囲を自動的に与える一般のテンプレート:Ill2法としての区間演算を考えるにあたって、区間はその中核概念を成す。

テンプレート:Anchors用語と表記

端点 (endpoints)
区間の最小値と最大値を示す2つの値で、 テンプレート:Closed-closed などのようにコンマ区切りで表記する。小数点にコンマを用いる国や桁の区切りにコンマを用いるような場合などでは、紛れの無いよう端点の区切りにセミコロンを用いることもある。
開／閉
  • 端点を含まないことを開、含むことを閉とする様々な表現がある。両端とも閉じて（開いて）いる区間を閉区間（開区間）といい、片側だけ開いていれば半開区間、より具体的に左開右閉などと言い表すこともある。これらは実数直線における通常の位相に関する開集合系、閉集合系とちょうど一致する。
  • 区間の開閉を表記する際、閉じている側は角括弧を用いる。開いている側は丸括弧に変える記法と角括弧を逆向きにする記法が国際規格ISO 31-11に記載されている（以下、テンプレート:Ill2に基づく）。
閉区間
[a,b]:={x∈ℝ∣a≤x≤b}.
開区間
(a,b):={x∈ℝ∣a<x<b}.　別表記→　]a,b[
半開区間（左開右閉）
(a,b]:={x∈ℝ∣a<x≤b}.　別表記→　]a,b]
半開区間（左閉右開）
[a,b):={x∈ℝ∣a≤x<b}.　別表記→　[a,b[
なお、テンプレート:Math のとき、テンプレート:Open-open, テンプレート:Closed-open, テンプレート:Open-closed は何れも空集合を表し、テンプレート:Closed-closed は一点集合 テンプレート:Math を表す。また テンプレート:Math のときは、四種類とも空集合になる。

注意

その他の用語

性質

一般化

高次元区間

多くの文脈において、テンプレート:Mvar-次元区間は、各座標軸上に各々ひとつ取った テンプレート:Mvar 個の区間の直積集合 テンプレート:Math として書ける テンプレート:Math の部分集合として定義される。

テンプレート:Math のとき、これは各辺が座標軸に平行な矩形領域（各区間の長さが等しければ正方形領域）として見ることができ、同様に テンプレート:Math のとき、軸に平行な直方体領域（同様に立方体領域）となる。高次元の場合にも、テンプレート:Mvar 個の区間の直積は有界な テンプレート:Mvar-次元超立方体またはテンプレート:Ill2である。

いま定義した意味の区間 テンプレート:Mvar のファセット (facet) は、テンプレート:Mvar を定義する直積因子のうち任意の非退化区間 テンプレート:Mvar を テンプレート:Mvar の有限端点のみからなる退化区間に取り換えて得られる区間を言う。テンプレート:Mvar の面集合とは、テンプレート:Mvar 自身および テンプレート:Mvar の任意のファセットの面となるもの全てからなる集合である。テンプレート:Mvar の頂点集合とは、テンプレート:Math の一点のみからなる面全体の成す集合を言う。

いくつかの場合には、一次元の場合の記法を流用した記法も用いられる。テンプレート:Math を成分表示したものが テンプレート:Math および テンプレート:Math であるとき、

閉区間
[a,b]:={(x1,…,xn)∈ℝn∣a1≤x1≤b1,…,an≤xn≤bn}.
開区間
(a,b)=]a,b[:={(x1,…,xn)∈ℝn∣a1<x1<b1,…,an<xn<bn}.
半開区間（左閉右開）
[a,b)=[a,b[:={(x1,…,xn)∈ℝn∣a1≤x1<b1,…,an≤xn<bn}.
半開区間（左開右閉）
(a,b]=]a,b]:={(x1,…,xn)∈ℝn∣a1<x1≤b1,…,an<xn≤bn}.

複素区間

複素数の区間は複素数平面内の矩形領域もしくは円形領域の何れかとして定義することができる[4]。

区間の位相環

区間は両端点を座標とする平面上の点と対応付けることができ、したがって区間からなる集合を平面上の領域と対応付けることができる。一般に、区間を実数直線の直積集合 テンプレート:Math に属する順序対 テンプレート:Math と対応付けるとき、テンプレート:Math はしばしば暗黙の仮定としてあるが、数学的構造を見る目的でこの制約は課さず[5]、テンプレート:Math なる「逆向き区間」("reversed intervals") も許すことにする。そうすると、区間 テンプレート:Closed-closed 全体の成す集合は、テンプレート:Mathbf 同士の直和に成分ごとの和と積を入れた位相環と同一視できる。

この直和環 テンプレート:Math は二つのイデアル テンプレート:Math および テンプレート:Math を持つ。この環の乗法単位元は退化区間 テンプレート:Closed-closed である。二つのイデアルに入らない区間 テンプレート:Closed-closed 乗法逆元 テンプレート:Closed-closed を持つ。通常の位相のもと、この区間からなる代数系は位相環を成す。この環の単元群は各座標軸（これはいまこの環のイデアルとして与えられているのであった）で分けられる四つの四分象限からなる。単元群のテンプレート:Ill2は第一象限である。

任意の区間は、その中点を中心とする対称区間と考えることができる。M Warmus が1956年に出版した再構成では、「均衡区間」("balanced interval") テンプレート:Closed-closed の軸を点に退化した区間 テンプレート:Closed-closed の軸に沿って用いている。 区間の環を、直和環 テンプレート:Math ではなくて、分解型複素数平面に同一視[6]したのは M. Warmus と D. H. Lehmer である。同一視は

テンプレート:Math

を通して得られる。この平面上の線型かつ環同型な写像は、平面上に乗法構造を与え、そこでは通常の複素数の算術にあるようなテンプレート:Ill2などの類似物を考えることができるようになる。

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

テンプレート:No footnotes

外部リンク

  1. ↑ テンプレート:Cite book
  2. ↑ 2.0 2.1 テンプレート:Cite book
  3. ↑ http://hsm.stackexchange.com/a/193
  4. ↑ Complex interval arithmetic and its applications, Miodrag Petković, Ljiljana Petković, Wiley-VCH, 1998, テンプレート:ISBN2
  5. ↑ Kaj Madsen (1979) Review of "Interval analysis in the extended interval space" by Edgar Kaucherテンプレート:Registration required from Mathematical Reviews
  6. ↑ D. H. Lehmer (1956) Review of "Calculus of Approximations"テンプレート:Registration required from Mathematical Reviews
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