Φ

テンプレート:Redirectlist テンプレート:Otheruseslist テンプレート:混同 テンプレート:ギリシア文字 テンプレート:El（ファイ、フィー、テンプレート:Lang-grc テンプレート:Smaller、テンプレート:Lang-el テンプレート:Smaller、テンプレート:Lang-en テンプレート:IPA テンプレート:Smaller）は、ギリシア文字の第21番目の文字。ギリシア数字の数価は500。

キリル文字のФはこの文字に由来する。

音声

古代ギリシア語では無声両唇破裂音の帯気音 テンプレート:Ipa、現代ギリシア語では無声唇歯摩擦音 テンプレート:Ipa を表す。摩擦音への変化がいつごろ起きたかは正確にはわからないが、ビザンチン時代には摩擦音になっていたようである。

起源

古代ギリシア語には3つの帯気音 テンプレート:Ipa があった。このうちテンプレート:Ipaにはフェニキア文字を転用することができたが（θ）、それ以外は適当なフェニキア文字が存在しなかった。クレタ島およびその周辺のテーラー、メーロスでは文字を追加せず、テンプレート:Ipa の音は単に「テンプレート:Lang」と書くか、または「テンプレート:Lang」の2文字で表記したが、それ以外の地域では新たに「テンプレート:Lang」の字を追加した。

この文字の起源については議論が分かれる。古代の文字名称はペー(テンプレート:Lang)で、この名は明らかに「π」からの類推によってつけられた。紀元前4世紀の末に テンプレート:Lang は テンプレート:Ipa と発音されるようになり、その影響で文字名称も テンプレート:Lang とされることが普通になった。近代西洋諸言語の名はそれにもとづく。

記号としての使用

• 大文字の「Φ」は、
  • 電磁気学で、磁束を表す。
  • 言語学（生成文法）の用語に、Φ素性というものがある。
  • 数学において Φテンプレート:Sub の形で xテンプレート:Sup − 1 における既約円分多項式を表す。
  • 直径記号 ⌀ は、空集合の記号 ∅ やギリシャ文字大文字イタリックの Φ あるいは北欧系母音の Ø (スラッシュ付きオー)とは異なる。

• 小文字の「φ」（$\phi$）は、
  • 幾何学で、θに次いで角度を表す（球面座標系など）。
  • 数学で正整数 n に対し1から n までの整数のうち互いに素なものの個数を与える関数: オイラー関数 φ(n) として使用される（なお，数学の集合においては，空集合の意味を表す）。
  • また、黄金比の記号としても用いられ、$\phi =\frac{1+\sqrt{5}}{2}$である。
  • 素粒子物理学では、ストレンジクォークとその反クォークからなるファイ中間子 $\varphi (s\overline{s})$ を表す。
  • 量子力学ではψとともに波動関数を表す。
  • 場の理論（場の古典論、場の量子論）では、場を表す変数・演算子として使われる。
  • 電気工学で単相交流を「1$\varphi$」、三相交流を「3$\varphi$」と記述することがある。
  • 地質学において粒径区分に使用される。詳細は砕屑物を参照。
  • またφ,Φを区別するため、前者をやわらかいファイやバルファイ、後者をかたいファイやファイと呼ぶことがある。
  • また，一般的には「空（から）」をイメージする語として使用されることもあり，そのような意味の代替語として使われる場合もある。

類似の文字・記号

• Ø - デンマーク語などで使われる文字。
• 国際音声記号 テンプレート:IPA は無声両唇摩擦音を、テンプレート:IPA は円唇前舌半狭母音を表す。
• ∅または $\mathrm{\varnothing }$ - 数学で空集合を表す。
• ⌀（U+2300:DIAMETER SIGN）（）- 製図で直径を表す記号。呼び方は「まる」または「ふぁい」。誤って「パイ」と読まれることがある。
• 0または $\mathrm{\varnothing }$（斜線つきゼロ）- アマチュア無線でコールサインに使われる（ゼロ）を表記する。

符号位置

Unicodeでは小文字の「テンプレート:El」に U+03C6 (GREEK SMALL LETTER PHI)と U+03D5 (GREEK PHI SYMBOL) の2つの符号位置が割り当てられている。Unicodeバージョン3.0以降は、前者が一筆書きの$\phi$、後者が丸に斜線を引いた$\varphi$の字形に対応するが、それ以前は割り当てが逆だった。この変更は現代ギリシア語において一筆書きの$\phi$が通常用いられる字形であることによる。フォントによっては古いバージョンのUnicodeに従い逆の字形になっていることがある。

JIS X 0213では小文字のファイは1-6-53にあり、例示字形は丸に斜線$\varphi$の形になっているが、U+03C6の方に対応することになっている。

大文字	Unicode	JIS X 0213	文字参照	小文字	Unicode	JIS X 0213	文字参照	備考

記号	Unicode	JIS X 0213	文字参照	名称

[[TeX|テンプレート:TeX]]ではテンプレート:Monoで丸に斜線の$\varphi$を、テンプレート:Monoで一筆書きの$\phi$を表す。

参考文献

• テンプレート:Cite book
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