互いに素 (整数論)
テンプレート:Otheruses テンプレート:出典の明記 二つの整数 テンプレート:Math が互いに素(たがいにそ、テンプレート:Lang-en-shortテンプレート:Sfn)であるとは、テンプレート:Math を共に割り切る正の整数が テンプレート:Math のみであることをいう。このことは テンプレート:Math の最大公約数 テンプレート:Math が テンプレート:Math であることと同値である。テンプレート:Math が互いに素であることを、記号で テンプレート:Math と表すこともあるテンプレート:Sfn。なお、「互いに素」を意味する英単語には テンプレート:En と テンプレート:En があるが、テンプレート:En は整数について「互いに素」「共通点を持たない」という意味で使用される。
概要
例えば、テンプレート:Math と テンプレート:Math を共に割り切る正の整数は テンプレート:Math だけなので、これらは互いに素である。逆に、テンプレート:Math と テンプレート:Math は共に テンプレート:Math で割り切れるので、これらは互いに素ではない。もう少し大きい数だと、テンプレート:Math と テンプレート:Math を共に割り切る正の整数は テンプレート:Math だけなので、これらは互いに素である。逆に、テンプレート:Math と テンプレート:Math は テンプレート:Math、テンプレート:Math、テンプレート:Math、テンプレート:Math の四つで割り切れるので、この二つは互いに素ではない。同じく、テンプレート:Math と テンプレート:Math も、テンプレート:Math、テンプレート:Math、テンプレート:Math の三つで割り切れるので、この二つも互いに素ではない。
互いに素であることの判定は素因数分解を用いて行うこともできるが、二つの整数のうち少なくとも一方が巨大である場合など一般には困難である。素因数分解によって公約数を調べる方法よりも、ユークリッドの互除法によって最大公約数を調べる方法のほうが遥に速い。
正の整数 テンプレート:Mvar と互いに素となる(テンプレート:Math から テンプレート:Mvar の間の)整数の個数は、オイラー関数 テンプレート:Math によって与えられる。
三つの整数 テンプレート:Math が互いに素であるとは、テンプレート:Math が成り立つことをいう。また、テンプレート:Math、テンプレート:Math、テンプレート:Math がすべて テンプレート:Math に等しいとき、テンプレート:Math は対ごとに素(テンプレート:Lang-en-short)またはどの二つも互いに素であるという。一般に、互いに素であるからといって対ごとに素であるとは限らない (例:テンプレート:Math)。一般の テンプレート:Mvar 個の整数についても同様に定義される。
性質
- テンプレート:Math と互いに素となる整数は テンプレート:Math と テンプレート:Math だけであり、また任意の整数と互いに素となる整数も テンプレート:Math と テンプレート:Math だけである。
- 異なる二つの素数は互いに素であり、連続する二つの整数も互いに素である。
- テンプレート:Math 以上の整数は、その(自身を含む)倍数や テンプレート:Math 以上の約数と互いに素でない。
- テンプレート:Mvar と テンプレート:Math、テンプレート:Mvar と テンプレート:Math がそれぞれ互いに素ならば、テンプレート:Mvar と テンプレート:Math も互いに素である。
以下は、整数 テンプレート:Math が互いに素であることと同値な条件である。
- テンプレート:Math を共に割り切る素数が存在しない。
- テンプレート:Math を満たす整数 テンプレート:Math が存在する。(ベズーの等式を参照)
- テンプレート:Mvar は テンプレート:Mvar を法とする逆数をもつ。即ち テンプレート:Math を満たす整数 テンプレート:Mvar が存在する。別の言い方をすれば、テンプレート:Mvar は テンプレート:Mvar を法とする剰余類環 テンプレート:Math の単元となっている。
- テンプレート:Math の最小公倍数 テンプレート:Math が積 テンプレート:Mvar に等しい。
- テンプレート:Math の最大公約数 テンプレート:Math が テンプレート:Math に等しい。
- テンプレート:Math と テンプレート:Math が互いに素。
互いに素である確率
整数の中から任意に選んだ2つの数 テンプレート:Mvar と テンプレート:Mvar が互いに素である確率を、ナイーブには、以下のように求めることができる。
テンプレート:Mvar と テンプレート:Mvar が互いに素とは、任意の素数 テンプレート:Mvar に対して、テンプレート:Mvar と テンプレート:Mvar の少なくとも一方が テンプレート:Mvar の倍数でないこと、と言い換える。
テンプレート:Mvar を固定したとき、この事象は、テンプレート:Math がともに テンプレート:Mvar の倍数である事象の余事象である。
テンプレート:Mvar が テンプレート:Mvar の倍数である確率は テンプレート:Math である。(テンプレート:Mvar についても同様)
各 テンプレート:Mvar に対して、これらの試行は独立だから、求める確率は、
ここで、テンプレート:Mvar はリーマンのゼータ関数を表す。[[バーゼル問題|テンプレート:Math の値]]はレオンハルト・オイラーによって求められた。一般に、任意に選んだ テンプレート:Mvar 個の整数が互いに素である確率は テンプレート:Math で表される。
互いに素な整数の組の生成

すべての互いに素な正の整数の組 テンプレート:Math(ただし テンプレート:Math)は、二つの互いに素な完全テンプレート:仮リンクを用いて並べることができる。片方の木は テンプレート:Math から始まり偶数・奇数および奇数・偶数の組をテンプレート:Sfn、もう片方は テンプレート:Math から始まり奇数・奇数の組をテンプレート:Sfn生成する。このときノード テンプレート:Math から生成される三つの子ノードはそれぞれ次のように表される。
以上により生成される組は常に互いに素であり、すべての組が重複なく網羅される。