デデキントのイータ関数

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デデキントのイータ関数 (デデキントのイータかんすう、テンプレート:Lang-en-short) は次のような式で定義される関数である[1]

η(τ)=eπiτ/12m=1(1e2πiτm)(τ>0)

ヤコビの三重積の公式により、

η(τ)=eπiτ/12n=(1)n(e2πiτ)n(3n1)/2=n=(1)n(e2πiτ)(6n1)2/24(τ>0)

となる。イータ関数は上半平面で正則であり、極も零点も持たない。イータ関数は実軸上に稠密な零点を持つ。

極と零点

τ>0であれば|e2πiτ|<1であるから、

|logη(τ)|=|πiτ|12+m=1|log(1e2πiτm)|=|πiτ|12+m=1n=1|e2πiτmn|n=|πiτ|12+n=1|e2πiτn|n(1|e2πiτn|)|πiτ|12+11|e2πiτ|n=1|e2πiτn|n|πiτ|12log(1|e2πiτ|)1|e2πiτ|

である。従って、イータ関数は上半平面で極も零点も持たない。しかし、τ=q/rが有理数であれば1e2πiτr=0であるから、イータ関数は実軸上に稠密な零点を持つ。

テータ関数との関係

イータ関数はテータ関数で表される。オイラーの分割恒等式を用いて

η3(τ)=eπiτ/4m=1(1e2πiτm)3=eπiτ/4m=1(1e2πiτm)3(1+e2πiτm)2(1e2πiτ(2m1))2=eπiτ/4m=1(1e2πiτm)3(1+e2πiτm)2(1+e(2m1)πiτ)2(1e(2m1)πiτ)2=12ϑ2(0,τ)ϑ3(0,τ)ϑ4(0,τ)

である。また、

η(τ)=eπiτ/12m=1(1e2πiτm)=eπiτ/12m=1(1e2πiτm/3)(1+e2πiτm/3+e4πiτm/3)=23eπiτ/12cosπ6m=1(1e2πiτm/3)(1+2cosπ3e2πiτm/3+e4πiτm/3)=13ϑ2(16,τ3)

である。

モジュラー変換

テータ関数虚数変換式により

η3(1τ)=12ϑ2(0,1τ)ϑ3(0,1τ)ϑ4(0,1τ)=12iτϑ4(0,τ)iτϑ3(0,τ)iτϑ2(0,τ)=iτ3η3(τ)

であるが、τが純虚数であれば両辺ともに実数であるから、

η(1τ)=iτη(τ)

である。また、

η(τ+1)=eπi(τ+1)/12m=1(1e2πi(τ+1)m)=eπi/12eπiτ/12m=1(1e2πiτm)=eπi/12η(τ)

であるから、イータ関数の24乗は重さ12のモジュラー形式である。

η24(1τ)=τ12η24(τ)η24(τ+1)=η24(τ)

実際、モジュラー判別式Δの定数倍と一致する[2]

(2π)12η24(τ)=Δ(τ).

関数等式

イータ関数の24乗は重さ12のモジュラー形式であるから、一般のモジュラー変換については c ≠ 0 のとき、ある1の24乗根 ϵ(a,b,c,d) について関数等式

η(aτ+bcτ+d)=ϵ(a,b,c,d)(cτ+d)1/2η(τ)

が成り立つ。ϵ(a,b,c,d)

ϵ(a,b,c,d)=expπi(a+d12cs(d,c)14)

により求められる[3]。ここでs(h,k)テンプレート:仮リンク

s(h,k)=r=1k1rk(hrkhrk12)

をあらわす。

出典


参考文献