エルデシュ・モーデルの不等式

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ユークリッド幾何学においてエルデシュ・モーデルの不等式(えるでしゅ・もーでるのふとうしき、テンプレート:Lang-en-short)は、三角形テンプレート:Mvarとその内部の点テンプレート:Mvarについて、三角形の各頂点とテンプレート:Mvarの距離の和は、三角形の各テンプレート:Mvarの距離の和の2倍以上であるという定理である。 ポール・エルデシュルイス・モーデルに因み名付けられた。エルデシュ(テンプレート:Harvtxt )はこの不等式の証明の問題を発表し、その2年後に、モーデルとバロー(テンプレート:Harvs)によって証明がなされた。 この不等式は実に初等的であるが、 彼らによる証明は全く初等的でない。その後 テンプレート:Harvtxt, テンプレート:Harvtxt, テンプレート:Harvtxtらによって単純な証明が与えられた。

バローの不等式はエルデシュ・モーデルの不等式のより強力な不等式である[1]。エルデシュ・モーデルの不等式は点と辺との距離、つまり垂線の長さに関する不等式だが、バローの不等式は角の二等分線の長さに関する不等式となっている。

主張

エルデシュ・モーデルの不等式

テンプレート:Math theorem

証明

テンプレート:Mvarの対辺とその長さをテンプレート:Mvarと表現する。またテンプレート:Mvarの長さをそれぞれテンプレート:Mvarテンプレート:Mvar間,テンプレート:Mvar間,テンプレート:Mvar間の距離をそれぞれテンプレート:Mvarとする。このとき

crax+by.

を証明する。この不等式は

c(r+z)2ax+by+cz2.

と等しい。このとき、右辺は三角形の面積を表すが、左辺のテンプレート:Mathは底辺をテンプレート:Mvarとしてみたときの三角形の高さよりも大きい。したがってこの不等式は成立する。テンプレート:Mvarテンプレート:Mvarの角の二等分線で鏡映した点にこの不等式を用いればテンプレート:Mathを得る。同様にテンプレート:Mathを得る。これらの不等式を変形する。

r(a/c)y+(b/c)x,
q(a/b)z+(c/b)x,
p(b/a)z+(c/a)y.

この3つの不等式を加えて

p+q+r(bc+cb)x+(ac+ca)y+(ab+ba)z.

ここで相加相乗平均の関係式よりエルデシュ・モーデルの不等式を得る。等号成立条件は、元の三角形が正三角形テンプレート:Mvarが三角形の重心であることである。

他のより強い不等式

外接円をテンプレート:Mvarとするテンプレート:Mathと、テンプレート:Mathの内部の点テンプレート:Mvarについて、テンプレート:Mvarを辺テンプレート:Mvarに対するテンプレート:Mvarの垂足、テンプレート:Mvarテンプレート:Mvarにおけるテンプレート:Mvar接線に対するテンプレート:Mvarの垂足とする。このとき

PM+PN+PQ2(PD+PE+PF)

が成り立つ。等号成立条件は元の三角形が正三角形であること(テンプレート:Harvnb; テンプレート:Harvnb)。

一般化

A1A2...Anを凸なn角形Pをその内部の点とする。またRiPAiの距離、riPAiAi+1の距離、wiAiPAi+1の二等分線とAiAi+1の交点とPの距離とする。このとき次の不等式が成り立つ テンプレート:Harv

i=1nRi(secπn)i=1nwi(secπn)i=1nri

絶対幾何学

テンプレート:仮リンク においてもエルデシュ・モーデルの不等式が成り立つことが知られている( テンプレート:Harvtxt)。ただし絶対幾何学での三角形内角の和は180°以下であることを考慮する必要がある。

関連項目

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

外部リンク