グジェゴルチク階層

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グジェゴルチク階層(ぐじぇごるちくかいそう、テンプレート:Lang-en-short、発音:テンプレート:IPAc-pl)は計算可能性理論に基づく関数の階層である。(Wagner and Wechsung 1986:43)。名称はポーランドの論理学者テンプレート:仮リンクに因む。グジェゴルチク階層に属す任意の関数は原始帰納的関数であり、逆に任意の原始帰納的関数はこの階層のあるレベルに現れる。この階層は関数値の増大の度合いを扱う。直観的にいえば、低い階層の関数はより高い階層の関数よりも緩やかに増加する。

定義

まず自然数 i で添字付けられた関数族 Ei を導入する。まず次のように定義する:

E0(x,y)=x+y
E1(x)=x2+2
En(x)=En1x(2) (ただし n > 1)

これらの関数からグジェゴルチク階層を定義する。nn番目の階層であり、次の関数からなる:

  1. Ek (ただし k < n
  2. ゼロ関数 (Z(x) = 0);
  3. 後者関数 (S(x) = x + 1);
  4. 射影関数 (pim(t1,t2,,tm)=ti);
  5. (一般)合成関数 (もし h, g1, g2, ... と gmn に属すならば f(u¯)=h(g1(u¯),g2(u¯),,gm(u¯)) も同様)[note 1]; および
  6. 限定(原始)再帰 (もし g, hjn に属し f(t,u¯)j(t,u¯), f(0,u¯)=g(u¯), f(t+1,u¯)=h(t,u¯,f(t,u¯)) ならば、 f もまた n に属す)[note 1]

換言すれば nBn={Z,S,(pim)im,Ek:k<n} を含み関数合成と限定原始再帰で閉じた最小の集合(閉包)である。

性質

これらの集合は明らかに階層を成す。

012

実際これらは Bn の閉包であって B0B1B2 となっているからである。

これらは強い意味での包含関係が成り立つ(Rose 1984; Gakwaya 1997)。換言すれば

012

というのも、ハイパー演算子 Hnn に属すが n1 には属さないからである。

  • 0 は次を含む: x+1, x+2, ...
  • 1 は全ての加法関数を備える: x+y, 4x, ...
  • 2 は全ての乗法関数を備える: xy, x4, ...
  • 3 は全ての指数関数を備える: xy, 222x さらにこの階層は初等帰納的関数のクラスや反復指数時間で計算可能な関数のクラスなどと一致する
  • 4 は全てのテトレーション関数を備える。

原始帰納的関数との関係

n の定義は再帰が限定 (ある j n に対して f(t,u¯)j(t,u¯))されていることと、(Ek)k<n が明示的に導入されることを除けば 原始帰納的関数のクラス PR の定義に似ている。グジェゴルチク階層は原始再帰の強さを制限しているものと見ることができる。

この事実からグジェゴルチク階層に属す全ての関数は原始帰納的関数であること(すなわち nPR)が示される。したがって

nnPR

さらに全ての原始帰納的関数が何れかの階層に属すことも示される(Rose 1984; Gakwaya 1997)。つまり

nn=PR

また 0,10,21,,nn1, は原始帰納的関数のクラス PR分割となっている。さらに各々の領域は潰れていない。

拡張

テンプレート:Main

グジェゴルチク階層は超限順序数に一般化できる。そのような拡張として急成長階層が定義される。それには、極限順序数に対する生成関数 Eα を帰納的に定義しなければならない(後続型順序数に対しては Eα+1(n)=Eαn(2) とすればよい。) もし極限順序数 λ基本列 λm を作る一般的な方法があれば、 生成関数は Eλ(n)=Eλn(n) と定義できる。ところがこの定義は基本列を作る方法に依存する。Rose(1984)は任意の順序数 α < ε0 に対する基本列の一般的な構成法を提案した。

独自の拡張としては Martin Löb と Stan S. Wainer(1970)による Löb–Wainer 階層がある。

関連項目

注釈

テンプレート:Reflist

参考文献

テンプレート:Reflist

テンプレート:複雑性クラス
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