ケルビンの渦定理

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テンプレート:連続体力学 ケルビンの渦定理 (ケルビンのうずていり、テンプレート:Lang-en-short) 、あるいは、ケルビンの循環定理(ケルビンのじゅんかんていり)とは、初代ケルヴィン男爵ウィリアム・トムソンによって導出された、流体力学における定理である。

定理

非粘性バロトロピック流体保存外力下での流れにおいて、流体とともに動く閉曲線に沿う循環は時間的に不変である[1]

関係式

数式では

DΓDt=0

と表現される。

ここで、物質微分 D/Dt は流体と一緒に動く観測者から見た時間変化率、循環 Γ流体要素から成る(流体と一緒に動く)閉曲線 C(t) 上の流体の速度 𝒗線積分

Γ(t)=C(t)𝒗d𝒍

を表す。

ケルビンの渦定理の証明

保存外力のもとでの非粘性バロトロピック流体の支配方程式はオイラー方程式 (流体力学)

D𝒗Dt=dpρΩ

で表される。ここで、 ρ密度p圧力Ω は外力のポテンシャルを表す。なお、バロトロピック性( ρ=ρ(p) )より

1ρp=dpρ

となることを用いた。

循環の定義式の物質微分をとると

DΓDt=C(t)D𝒗Dtd𝒍+C(t)𝒗Dd𝒍Dt

となる。 第1項に支配方程式を代入すると、

C(t)D𝒗Dtd𝒍=C(t)(dpρ+Ω)d𝒍=[dpρ+Ω]C(t)

また、第2項は

C(t)𝒗Dd𝒍Dt=C(t)𝒗d𝒗=C(t)d(|𝒗|22)=[|𝒗|22]C(t)

となるので、

DΓDt=[|𝒗|22dpρΩ]C(t)

となる。ただし、[f]C は閉曲線 C を一周したときの f の差を表す。また、

Dd𝒍Dt|𝒓=D𝒓DtD𝒓Dt(𝒓𝒓=d𝒍|𝒓)=𝒗(𝒓)𝒗(𝒓)=d𝒗|𝒓

であることを用いた。

速度、圧力、密度、ポテンシャルは座標の連続一価関数であるので、

DΓDt=0

が証明された。

脚注

関連項目