ソディ円

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外(第一)ソディ円が正の曲率を持つとき、2つのソディ点はequal dotour pointsとも呼ばれる。

幾何学において、三角形のソディ円(ソディえん、:Soddy circles of a triangle)は、三角形に対して一意に存在する円の一つである。ソディ円の中心はソディ点(Soddy centers)と呼ばれる。フレデリック・ソディデカルトの定理を再発見したことに由来して名づけられた。

任意の三角形の3頂点について、頂点を中心とし、他の頂点を中心とする2円と接する円が存在する。さらにこの3つの円に接する円が最大2つ存在する。この2円をソディ円と呼ぶ。またソディ円の中心をソディ点と言う。2つのソディ点を通る直線はソディ線と呼ばれ、ソディ線上には多くの三角形の中心が存在する。

定義

A,B,Cを三角形の頂点、a,b,c をその対辺の長さ、s半周長とする。 A,B,C を中心としそれぞれ半径を sa,sb,sc とする円は他の2円に接する。このときデカルトの定理より、3つの円に接する円が2つ存在し、それをソディ円という。

関連する性質

3つの円と三角形の辺の交点はジェルゴンヌ三角形を成す。つまり内接円と辺の接点と等しい。 2つのソディ円は内接円の外側と内側にある。ソディ点は三角形の頂点の2つを焦点とし、3つ目の頂点を通る双曲線3つの交点である[1][2][3]

内側のソディ円の中心テンプレート:仮リンク(Inner Soddy point)はequal detour point(等周点)ともよばれ、3頂点について、他の2頂点と第二ソディ点の距離の和が、対辺でない2辺の長さの和より大きい[4]。 デカルトの定理によれば第二(内)ソディ円(Inner Soddy circle)の曲率は (4R+r+2s)/Δである(Δは三角形の面積、R外接円の半径、r は内接円の半径)[5]。第一(外)ソディ円(Outer Soddy circle)の曲率は (4R+r2s)/Δで、この曲率が正ならば、テンプレート:仮リンク(Outer Soddypoint)はもう一方のequal detour pointになる 。

第一ソディ円の曲率が負の場合、第一ソディ点はisoperimetric poin(等迂回点)とよばれ、 第一ソディ点と、2点の頂点が成す3つの三角形の周長は等しい[4]。第一ソディ円の曲率が0である場合、つまり4R+r=2sまたは第二ソディ円の半径が4/rであるとき、第一ソディ円は退化して直線となり、元の三角形は"Soddyian triangles"と呼ばれる[5]

3つの円

もう一組のソディ円は、中心をテンプレート:Math、半径をテンプレート:Math とする円に接する。

A,B,Cを中心とし3円の半径を(s,sc,sb)とする円は互いに接する[6]。 ただし、負の半径は円が内部で接することを表す。 3円の接点は、辺かその延長線上にあり、うち2つは、角A内の傍接円とAB,ACの交点と一致する。また、この3円に関してもソディ円、ソディ点が定義できる。上記の双曲線に関する性質は、1つが双曲線、他2つが楕円に置き換わる[1]

B,C,AとC,A,Bについても、半径を(sb,sa,s),(sc,s,sa)とすれば同様の性質を得る。

ソディ線

テンプレート:Main

4つのソディ線は元の三角形のド・ロンシャン点で交わる。

2つのソディ点を通る直線をソディ線と言う。 ソディ線は、2つのソディ円の相似中心である内心とジェルゴンヌ点、そしてド・ロンシャン点などを通る[6][7]

元の三角形のソディ円のほかに、「3つの円」の項で見たような、他3組の円の3つのソディ線はそれぞれがいずれかの傍心を通り、またド・ロンシャン点で交わる[6][7][8]

他の図形との関連

第一ソディ円と、A,B,Cを中心とするソディ円と他2円に接する3つの円の、接点の成す三角形を第一(外)ソディ三角形(Outer Soddy triangle)と言う。第二ソディ円に同様にして定義したものを第二(内)ソディ三角形と言う。

エプシュタイン点

第一ソディ三角形とジェルゴンヌ三角形は配景的でその配景の中心を第一エプシュタイン点(First Eppstein point)という[9][10][11][12]Eppsteinエップシュタインエープシュタインなどとも書かれる。名はテンプレート:仮リンクに由来する。

クラーク・キンバリングの「Encyclopedia of Triangle Centers」ではX(481)として登録されており三線座標は以下の式で与えられる[13]

12secA2cosB2cosC2:12secB2cosC2cosA2:12secC2cosA2cosB2

第二ソディ円にも同様にして定義したものを、第二エプシュタイン点と言う。「Encyclopedia of Triangle Centers」ではX(482)として登録されており三線座標は以下の式で与えられる。

1+2secA2cosB2cosC2:1+2secB2cosC2cosA2:1+2secC2cosA2cosB2

エップシュタイン点はソディ線上にある[14]

リグビー点

第二ソディ三角形とその接線三角形の配景の中心、つまり第ニソディ三角形の類似重心を第一(内)リグビー点(1st Rigby point,Inner Rigby point)と言う[15][16]。名はジョン・リグビーに由来する。第一リグビー点X(1371)の三線座標は、Sを三角形の面積として、以下の式で与えられる[17]

1+8S3a(b+ca):1+8S3b(c+ab):1+8S3c(a+bc)

第一ソディ三角形についても第二(外)リグビー点が同様に定義される。第ニリグビー点X(1372)の三線座標は、以下の式で与えられる。

18S3a(b+ca):18S3b(c+ab):18S3c(a+bc)

リグビー点はソディ線上にある。

グリフィス点

第一ソディ三角形の接線三角形と第二ソディ三角形の配景の中心を第一(外)グリフィス点(1st Griffiths point,Outer Griffiths point)と言う。同様に第二ソディ三角形の接線三角形と第一ソディ点の配景の中心を第二(内)グリフィス点と言う[18][19]。名はヒューバート・ブライアン・グリフィスに由来する[12]。それぞれX(1373),X(1374)で三線座標は以下の式で与えられる[20]

X1373=(1+8Sa(b+ca):1+8Sb(c+ab):1+8Sc(a+bc))

X1374=(18Sa(b+ca):18Sb(c+ab):18Sc(a+bc))

グリフィス点はソディ線上にある。

出典

外部リンク