フラウンホーファー回折

フラウンホーファー回折（フラウンホーファーかいせつ）とは、ビームを回折する物体（開口など）から十分離れている場所で生じる回折パターンのこと。これに対し観察点がより近い距離に位置する時はフレネル回折という。ヨゼフ・フォン・フラウンホーファーにちなんで名付けられた。

計算

波数テンプレート:Mvar の単色光の平面波が、開口関数テンプレート:Math で表される開口を通ったときの、距離 R 離れたスクリーン上における振幅分布テンプレート:Math を考える。なお、入射光として平面波を考えるのは、点光源が無限遠にあると考えるのと同じことである。

フラウンホーファー回折は、開口の中心からスクリーン上の点テンプレート:Math までの距離テンプレート:Mvar が、十分大きいときの近似である。これは式で書けば、開口内の任意の点テンプレート:Math に対し

\frac{x^{2} + y^{2}}{r λ} ≪ 1

が成り立つということである。ここでテンプレート:Mathは光の波長である。このとき、開口内の点テンプレート:Math からスクリーン上の点テンプレート:Math までの距離は、テンプレート:Math の2次以上の項を無視すると

\sqrt{R^{2} + (x - x^{'})^{2} + (y - y^{'})^{2}} ≃ r - \frac{x x^{'} + y y^{'}}{r}

となる。これより、スクリーン上での電場の振幅は

u (x^{'}, y^{'}) = \frac{A}{i λ R} \exp (i k r) \iint f (x, y) \exp (- i k \frac{x x^{'} + y y^{'}}{r}) d x d y

となる。これがフラウンホーファー回折の式となる。

すなわち、関数テンプレート:Mathで表される物体によりフラウンホーファー回折を起こした波の振幅テンプレート:Mathは、関数テンプレート:Mathのフーリエ変換に対応する。