ヘルダー平均

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

ヘルダー平均(ヘルダーへいきん、テンプレート:Lang-en)、またはべき平均(べきへいきん)、一般化平均(いっぱんかへいきん、テンプレート:Lang-en)、[1]とは、数の集合を集計する関数の族である。特別な場合としてピタゴラス平均算術平均幾何平均調和平均)を含む。名称はオットー・ヘルダーにちなむ。

定義

テンプレート:Math を0でない実数とする。正の実数 テンプレート:Math に対して指数 テンプレート:Math のヘルダー平均は次で定義される[2]

Mp(x1,,xn):=(1ni=1nxip)1/p

テンプレート:See also テンプレート:Math のときは、幾何平均(指数が0に向かうときの極限)で定義する。

M0(x1,,xn):=i=1nxin

さらに、重み テンプレート:Math (正の数のセット。ただしwi=1)に対して重み付きヘルダー平均は次で定義される:

Mp(x1,,xn):=(i=1nwixip)1/pM0(x1,,xn):=i=1nxiwi

重みを考えない平均は、すべての重みを テンプレート:Math としたものに相当する。

特別な場合

テンプレート:Mathテンプレート:Mathの場合の図示。 テンプレート:Legend テンプレート:Legend テンプレート:Legend テンプレート:Legend

いくつかの特定の テンプレート:Math の値に対しては、特別の名前が付けられている[3]

最小値
M(x1,,xn)limpMp(x1,,xn)=min{x1,,xn}
調和平均
M1(x1,,xn)=n1x1++1xn
幾何平均
M0(x1,,xn)limp0Mp(x1,,xn)=x1xnn
算術平均
M1(x1,,xn)=x1++xnn
二乗平均平方根
M2(x1,,xn)=x12++xn2n
立方平均
M3(x1,,xn)=x13++xn3n3
最大値
M+(x1,,xn)limpMp(x1,,xn)=max{x1,,xn}

性質

ヘルダー平均は次の性質をもつ[1]

  • 引数 テンプレート:Math の最小値と最大値の間にある。
    min(x1,,xn)Mp(x1,,xn)max(x1,,xn)
  • 引数に対して対称である。つまり引数を並べ替えてもその値を変えない。引数の置換演算子を テンプレート:Math とすると次式で表される:
    Mp(x1,,xn)=Mp(P(x1,,xn))
  • 他の平均と同様、引数 テンプレート:Math に対して斉次である。つまり テンプレート:Math を正の実数として次式が成り立つ:
    Mp(bx1,,bxn)=bMp(x1,,xn)
  • テンプレート:仮リンクと同様に、平均の計算は同じサイズのサブブロックの計算に分割できる。これにより、必要に応じて分割統治法を使用して平均を計算できる。
    Mp(x1,,xnk)=Mp[Mp(x1,,xk),Mp(xk+1,,x2k),,Mp(x(n1)k+1,,xnk)]

異なるヘルダー平均の間に成り立つ不等式

一般に テンプレート:Math ならば

Mp(x1,,xn)Mq(x1,,xn)

である。また2つの平均が等しいのは テンプレート:Mathとき、かつそのときに限る。これはイェンセンの不等式より、任意の実数 テンプレート:Math に対して

pMp(x1,,xn)0

が成り立つためである。

特に テンプレート:Math の場合を考えると、この不等式は調和平均 ≤ 幾何平均 ≤ 相加平均

n1x1+1x2+1xnx1x2xnnx1+x2++xnn

を意味する。

応用

信号処理

ヘルダー平均より非線形移動平均が導かれる。これは小さい テンプレート:Math の場合には小さい信号値を強調し、大きい テンプレート:Math の場合は大きい信号値を強調する。移動算術平均の効率的な実装である smooth が使えるならば、次のHaskellコードに従って移動ヘルダー平均を実装できる。

 powerSmooth :: Floating a => ([a] -> [a]) -> a -> [a] -> [a]
 powerSmooth smooth p = map (** recip p) . smooth . map (**p)

一般化 f-平均

ヘルダー平均はさらにテンプレート:仮リンクに一般化できる。

Mf(x1,,xn)=f1(1ni=1nf(xi))

この式は テンプレート:Math とすれば、極限を使うことなく幾何平均も表すことができる。ヘルダー平均は テンプレート:Math とすることで得られる。

脚注

  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite book
  2. 2.0 2.1 P. S. Bullen: Handbook of Means and Their Inequalities. Dordrecht, Netherlands: Kluwer, 2003, pp. 175-177
  3. テンプレート:MathWorld (retrieved 2019-08-17)

関連項目

外部リンク