ペロンの公式

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数学、特に解析的整数論におけるペロンの公式(ペロンのこうしき、テンプレート:Lang-en-short)とは、テンプレート:仮リンクによる、逆メリン変換を用いて数論的関数の和を計算する公式である。

主張

g(s):=n=1a(n)ns,s
を対応するディリクレ級数とする。実数 c>0 があって、この級数は半平面 {s|Re(s)>c}一様収束するものとする。
  • 実数 x>0 に対し
A(x):=1nxa(n)
と定義する。ここでプライムのついた和記号は、x が自然数のときは最後の項に限り 1/2 を掛けて和をとることを意味する。

このときペロンの公式は、

A(x)=12πilimTciTc+iTg(s)xssds

右辺の複素積分cic+ig(s)xssds と書かれることも多い。この表示のときはコーシーの主値をとっているものと解釈する。

証明のスケッチ

アーベルの総和公式

1nManϕ(n)=A(M)ϕ(M)1MA(x)ϕ(x)dx

において ϕ(x)=xs とおき、

1nManns=A(M)Ms+s1MA(x)xs1dx

M とすると Re(s)>0 だから右辺第1項は消えて

g(s):=n=1a(n)ns=s1A(x)x(s+1)dx

変数変換 x=et をして変形すると、

g(s)s=0A(et)estdt

この右辺はラプラス変換そのものである。よって逆ラプラス変換テンプレート:Efnにより

A(et)=12πilimTciTc+iTg(z)zetzdz
A(x)=12πilimTciTc+iTg(z)zxzdz

ディリクレ級数との関連から、ペロンの公式(もしくは証明のスケッチに現れた等式)は数論的な和に関してよく用いられる。

ζ(s)=n=11ns
とディリクレ級数表示され、このとき a(n)1 より A(x)=x床関数)となり
ζ(s)=s1xxs+1dx
L(s,χ)=s1A(x)xs+1dx
ここで A(x)=1nxχ(n) テンプレート:Efnディリクレ指標 χ(n) の和。

一般化

ペロンの公式はメリンの離散的畳み込みの特別な場合である。

n=1a(n)f(n/x)=12πicic+iF(s)G(s)xsds

ここで G(s)=n=1a(n)ns とし、 F(s)=0f(x)xs1dx はメリン変換である。

試験関数を f(1/x)=θ(x1)θ(x)ヘヴィサイドの階段関数)と選ぶとペロンの公式が得られる。

脚注

テンプレート:Notelist

参考文献