ボーア・モレルップの定理

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ボーア・モレルップの定理 (Bohr–Mollerup Theorem) は、ガンマ関数を特徴づける定理である。デンマーク人数学者のハラルト・ボーアテンプレート:仮リンクにより証明された。この定理によると、正の実軸上で対数凸であり、G(x+1)=xG(x)かつG(1)=1を満たす複素解析関数は唯一ガンマ関数のみである[1]

証明1

初めにガンマ関数が正の実軸上で対数凸であることを確かめる。ワイエルシュトラスの乗積表示から テンプレート:Indent であり、対数の二階微分が正であるからガンマ関数は正の実軸上で対数凸である。また、Γ(x+1)=xΓ(x)Γ(1)=1もガンマ関数の特徴として周知のものであるから、ガンマ関数はボーア・モレルップの定理の要求を充足する。次に未知の関数G(x)がボーア・モレルップの定理の要求を充足するものと仮定してG(x)=Γ(x)であることを証明する。 テンプレート:Indent と定義する。G(x+1)=xG(x)であるから テンプレート:Indent であり、nを任意の自然数としてf(x+n)=f(x)である。また、G(1)=Γ(1)=1であるからf(n)=0である。背理法を用い、f(x0)0となる点が実軸上に存在すると仮定する。しかし、f(x0)=f(x0)=0であるから、f(x0)0が存在するためにはf(x1)>0,f(x2)<0が存在しなければならず、延いてはf(x3)=ϵ>0が存在しなければならない。これは テンプレート:Indent を意味する。しかし、nとするとd2dx2logΓ(n+x)0であるからd2dx2logG(n+x)ϵ<0とならなければならず、G(x)が対数凸であるという要求に反する。故に背理法の仮定は成立せず、常にf(x)=0であり、G(x)=Γ(x)である。以上により、x>0G(x)=Γ(x)が示されたが、一致の定理により正則な定義域全体でG(z)=Γ(z)となる。

証明2

初めにガンマ関数が正の実軸上で対数凸であることを確かめる。ヘルダーの不等式により、 テンプレート:Indent であり、対数をとると テンプレート:Indent であるから、故にガンマ関数は対数凸である。また、Γ(x+1)=xΓ(x)Γ(1)=1もガンマ関数の特徴として周知のものであるから、ガンマ関数はボーア・モレルップの定理の要求を充足する。次に未知の関数G(x)がボーア・モレルップの定理の要求を充足するものと仮定してG(x)=Γ(x)であることを証明する。G(x)は実軸上で対数凸であるから テンプレート:Indent である。また、 テンプレート:Indent であるから、合わせて テンプレート:Indent となる。 x=nを整数とし、nとすれば不等式の両端が一致して テンプレート:Indent を得る。以上により、0x1G(x)=Γ(x)が示されたが、一致の定理により正則な定義域全体でG(z)=Γ(z)となる。

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

  • Artin, Emil (1964). The Gamma Function. Holt, Rinehart, Winston.
  • Mollerup, J., Bohr, H. (1922). Lærebog i Kompleks Analyse vol. III, Copenhagen. (Textbook in Complex Analysis)