モリーの法則

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モリーの法則(モリーのほうそく、テンプレート:Lang-en-short)は、三角関数の等式

cos(20)cos(40)cos(80)=18

である。これはより一般の恒等式

2nk=0n1cos(2kα)=sin(2nα)sin(α)

において n = 3 , α = 20° とした特別な場合である。なお sin(180x)=sin(x) より

sin(160)sin(20)=sin(18020)sin(20)=1

であることを使っている。

この式の名称は物理学者のリチャード・P・ファインマンに由来し、彼はこの等式をこの名でよく呼んでいた。というのもファインマンは幼年時代にMorrie Jacobsという少年からこの式を教わり、それを終生忘れなかったからである[1]

正弦関数にも類似の関係が成り立つ。

sin(20)sin(40)sin(80)=38

さらに、2番目の等式を1番目の等式で割れば、次が成り立つのは明らかである。

tan(20)tan(40)tan(80)=3=tan(60)

証明

正弦関数の倍角の公式より、

sin(2α)=2sin(α)cos(α)

cos(α) について解くと

cos(α)=sin(2α)2sin(α)

これより

cos(2α)=sin(4α)2sin(2α)cos(4α)=sin(8α)2sin(4α)cos(2n1α)=sin(2nα)2sin(2n1α)

これらの等式を全て掛け合わせると、

cos(α)cos(2α)cos(4α)cos(2n1α)=sin(2α)2sin(α)sin(4α)2sin(2α)sin(8α)2sin(4α)sin(2nα)2sin(2n1α)

が得られる。中間の因子の分子・分母はキャンセルし、最初の因子の分母と、2のべき乗と、最後の因子の分子だけが残る。これより、

k=0n1cos(2kα)=sin(2nα)2nsin(α)

これが一般化されたモリーの法則である。

脚注

  1. W. A. Beyer, J. D. Louck, and D. Zeilberger, A Generalization of a Curiosity that Feynman Remembered All His Life, Math. Mag. 69, 43–44, 1996.

外部リンク