リュカ–レーマー・テストの証明
リュカ–レーマー・テスト(テンプレート:Lang-en)とは、素数判定法の1つ。メルセンヌ数 Mテンプレート:Sub = 2テンプレート:Sup − 1 の素数判定のみに特化している。
名称は、フランスの数学者エドゥアール・リュカおよびアメリカの数学者テンプレート:仮リンクにちなんで名付けられた。
リュカ–レーマー・テストをさらに一般化した素数判定法であるリュカ–レーマー–リーゼル・テストも参照。
概要
初項 、漸化式 、一般項 で定義される数列 Sテンプレート:Sub , Sテンプレート:Sub , Sテンプレート:Sub , ... について考える(ただし、 。)。
p が奇素数のとき、メルセンヌ数 Mテンプレート:Sub = 2テンプレート:Sup − 1 が素数であるための必要十分条件は、Sテンプレート:Sub が Mテンプレート:Sub で割り切れることである[1][2][3]。
なおフェルマー数にも、同様な素数判定の定理であるテンプレート:Ill2が存在する。
リュカ–レーマー・テストの証明
以下、Q = 2テンプレート:Sup − 1 とする。
十分性の証明
テンプレート:Quotation まず、Sテンプレート:Sub ≡ 0 (mod Q) であれば、Q が素数であることを証明する。 Sテンプレート:Sub ≡ 0 (mod Q) で、かつ Q が合成数だと仮定する。すると、Sテンプレート:Sub は Q の一番小さい素因数 F を用いて Sテンプレート:Sub = kF(kは自然数)と表せる。Sテンプレート:Sub の一般項から
となる。 なので、両辺にをかけて、
1を移項し、両辺を2乗すると、
よって、
となる。ここで、 と (a, b, c, dは整数)で表される数を考えたとき、a ≡ c (mod F) かつ b ≡ d (mod F) の時に二つの数は F を法として合同であるとする。そして、
という集合 G ではどの要素 gテンプレート:Sub にも gテンプレート:Subgテンプレート:Sub ≡ 1 (mod F) となるような gテンプレート:Sub が存在する。つまり、集合 G には0は含まれない。よって、集合 G には最大で F テンプレート:Sup − 1 個の相異なる要素しか含まれない。gテンプレート:Sub = 1 となる n のうち最小のものを e とすると任意の自然数 r について gテンプレート:Sub = gテンプレート:Sub (jは0以上の整数) が成り立つ。よって 1 ≤ e ≤ Fテンプレート:Sup − 1 となる。
より、2テンプレート:Sup は e の倍数。2テンプレート:Sup > e ならば、e = 2テンプレート:Sup (tは0以上p−1以下の整数)となる。言い換えれば 2テンプレート:Sup は e の倍数となる。つまり、
となるはずである。しかし、上の式、
より、
よって、2テンプレート:Sup = e となる。しかし、F は Q の一番小さい素因数なので、
よって、Fテンプレート:Sup − 1 < 2テンプレート:Sup となる。 よって、2テンプレート:Sup = e なので、Fテンプレート:Sup − 1 < e となり 1 ≤ e ≤ Fテンプレート:Sup − 1 と矛盾する。 よって、背理法により、Sテンプレート:Sub ≡ 0 (mod Q) ということは、Q は素数であるということの十分条件である。
必要性の証明
テンプレート:Quotation 次に p が奇素数であり、かつ Q が素数であれば、Sテンプレート:Sub ≡ 0 (mod Q) であることを証明する。 この証明をするうえで、平方剰余の相互法則を使う。 まず、二項定理より、
Q は素数なので は n = 0, Q の場合を除いて Q の倍数。よって、
Q ≡ −1 (mod 4), 3 ≡ −1 (mod 4) で、平方剰余の相互法則により、
Q = 2テンプレート:Sup − 1 = 2(2テンプレート:Sup − 1) + 1 = 2((3 + 1)テンプレート:Sup − 1) + 1 ≡ 1テンプレート:Sup (mod 3)よって
つまり、
が成り立ち、よって、
両辺にを掛けて、
この式はを利用して、
とも書ける。 平方剰余の相互法則の第2補充法則により、
よって、
ここで、なので、
となる。両辺にを掛けて、
両辺にを足して、
よって、Sテンプレート:Sub ≡ 0 (mod Q) であることは、Q が素数であることの必要条件である。
以上により、リュカ-レーマー・テスト
が示された。Q.E.D.
脚注
参考文献
関連文献
- テンプレート:Cite book
- テンプレート:Citation
- テンプレート:Cite book - 原書第5版(1979年)の邦訳。
- テンプレート:Cite book - ハーディ&ライト(2001)の復刊。
- テンプレート:Cite book - 前編は1次式の整数論、後編は2次式の整数論。
- テンプレート:Cite book