リンデマンの定理
テンプレート:円周率 テンプレート:ネイピア数e リンデマンの定理(リンデマンのていり、Lindemann's theorem)は、1882年にフェルディナント・フォン・リンデマンが証明した、超越数論における定理の一つである。この定理は、円周率やネイピア数などの数が超越数であることを内包する。1885年のカール・ワイエルシュトラスによる寄与を踏まえ、リンデマン=ワイエルシュトラスの定理 (Lindemann–Weierstrass theorem) とも呼ばれる。
定理の主張
テンプレート:Math が相異なる代数的数であるとき、テンプレート:Math テンプレート:Mvar は テンプレート:Math 上一次独立である[1](テンプレート:Mvar はネイピア数)。すなわち、
を満たす代数的数の組 テンプレート:Math は テンプレート:Math のみである。
同値な命題として、次のように定式化されることもある。テンプレート:Math テンプレート:Mvar が テンプレート:Math 上一次独立な代数的数であるとき、テンプレート:Math テンプレート:Mvar は テンプレート:Math 上代数的独立である[2]。
系
定理において、テンプレート:Math, テンプレート:Math, テンプレート:Math とすると、テンプレート:Math と テンプレート:Mvar は テンプレート:Math 上一次独立である。すなわち、テンプレート:Math でない代数的数 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Mvar は超越数である。
特別な数の超越性
この定理より、いくつかの特別な数が超越数であることが直ちに従う。まず、系において テンプレート:Math とすると、ネイピア数 テンプレート:Mvar は超越数であることが分かる。
円周率 テンプレート:Mvar が超越数であることは、次のようにして従う。テンプレート:Mvar が代数的数であると仮定すると、テンプレート:Mvar も代数的数であるから、系より テンプレート:Mvar は超越数である。しかし、オイラーの公式より テンプレート:Math であるから、これは矛盾である。したがって、テンプレート:Mvar は超越数である。
テンプレート:Math でも テンプレート:Math でもない代数的数 テンプレート:Mvar に対して、[[複素対数関数|テンプレート:Math]] は超越数である。これを見るために、テンプレート:Math が代数的数と仮定すると テンプレート:Math は系により超越数でなければならず、不合理。
テンプレート:Math でない代数的数 テンプレート:Mvar に対して、テンプレート:Math は超越数である。もしそうでなければ、テンプレート:Math は代数的数であり、オイラーの公式より テンプレート:Math2 であるから、テンプレート:Math2 となる。これは、定理において テンプレート:Math, テンプレート:Math, テンプレート:Math, テンプレート:Math として得られる結果に矛盾する。よって、テンプレート:Math は超越数である。同様にして、 も超越数であることが分かる。
歴史
1873年、シャルル・エルミートは テンプレート:Mvar が超越数であることを示した。このことを言い換えるならば、テンプレート:Math テンプレート:Mvar が相異なる自然数であるとき、テンプレート:Math テンプレート:Mvar は テンプレート:Math 上一次独立である。リンデマンの定理は、この結果の「自然数」を「代数的数」に、「テンプレート:Math 上」を「テンプレート:Math 上」に 拡張したものである。リンデマンは、1882年にこの定理を証明し、同時に円周率が超越数であること、円の正方形化が不可能であることを歴史上初めて解析的に証明した。1885年、カール・ワイエルシュトラスは、リンデマンの定理の証明を簡単にしたものを公表した。その後、ヒルベルトらがさらに証明を簡単にした。リンデマンの定理の [[p進数|テンプレート:Mvar-進]]類似や、一般化であってゲルフォント=シュナイダーの定理も含むシャヌエルの予想は、2009年現在未解決問題である。
脚注
参考文献
- テンプレート:Cite book
- テンプレート:Citation - 超越性については主に第16章。
関連項目
外部リンク
- ↑ テンプレート:Harvtxt 定理10
- ↑ テンプレート:Harvtxt 定理10.1