ゲルフォント=シュナイダーの定理

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

ゲルフォント=シュナイダーの定理 (ゲルフォント゠シュナイダーのていり、テンプレート:Lang-en-short) は、指数関数の値の超越性に関する定理である。1934年に、テンプレート:仮リンクテンプレート:仮リンクによって、それぞれ独立に証明された。

定理の主張

αを 0, 1 以外の代数的数、β を有理数ではない代数的数としたとき、αβ は、超越数である。

系1
α1,α2 を 0, 1 以外の代数的数とする。logα1/logα2 は、有理数であるか超越数である。
系2
α1,α2,β1,β2 を 0 以外の代数的数とする。もし、logα1,logα2有理数体線形独立であるならば、β1logα1+β2logα20 である。

ゲルフォント゠シュナイダーの定理を用いて、以下の数が超越数であることが示される。

歴史

ダフィット・ヒルベルトは、1900年にパリで行われた国際数学者会議において、ヒルベルトの23の問題と呼ばれる23個の問題のうち、テンプレート:仮リンクとして、「a が 0 でも 1 でもない代数的数で、b が代数的無理数であるとき、ab超越数であるか」を提出した。

その後、1929年に、アレクサンドル・ゲルフォントによって、β が虚二次体の場合に、αβ が超越数であることを証明し、例えば、eπ が超越数であることを示した。

その直後、ゲルフォントの方法を元にして、カール・ジーゲルは、β が実二次体の場合に成り立つことを示したが、発表はされなかった。翌年(1930年)、テンプレート:仮リンクは、ゲルフォントの方法に基づいて、同じ結果を発表した。

1934年に、ゲルフォントとテオドール・シュナイダーがそれぞれ独立に、β が一般の代数的数の場合に成り立つことを証明した。 この結果、ヒルベルトの第7問題が肯定的に証明された。 ヒルベルトは、第7問題は大変難しい問題であり、リーマン予想の方が早く解決するのではないかと思っていたが、10年余りで証明されたことを聞いて、大変驚いたという。

ゲルフォント゠シュナイダーの定理より、2つの代数的数の対数が有理数体上線形独立であれば、代数的数体上線形独立となるが(系2)、この結果を 2以上の対数に拡張したものが、アラン・ベイカーによって、1966年に発表された(ベイカーの定理を参照)。

脚注

  1. 整数 k, l に対して、αkβl=1 ならば、k=l=0 が成り立つとき、α, β は、乗法的独立であるという。

関連項目

参考文献