レーザー媒質

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テンプレート:翻訳直後 レーザー媒質 (レーザーばいしつ テンプレート:Lang-en-short活性媒質 テンプレート:Lang利得媒質 テンプレート:Lang とも)とは、レーザーの発振において、吸光を上回る速度で誘導放出を起こすことにより、光を増幅する物質を指す。

概要

レーザーを発振させるためには、レーザー媒質の電子が、反転分布と呼ばれるエネルギー分布になっている必要がある。反転分布の状態になるためには、レーザー媒質が外部からエネルギーの供給(テンプレート:仮リンク)を受ける必要がある。ポンピングには、電流(例: 半導体レーザーや、気体レーザーにおける高圧放電)や光(放電灯や別のレーザー光源(半導体レーザー)によるもの)を用いる。より馴染みのないものとしては、高エネルギー電子線(自由電子レーザー[1]などもポンピングに用いられる。

レーザー媒質の例としては次のようなものが挙げられる。

レーザー媒質のモデルの例

図1: 簡略化したレーザー媒質のエネルギー準位図。

全ての種類のレーザーについてあてはまる普遍的なモデルは存在しないテンプレート:Sfn。もっとも単純なモデルとしては、高エネルギー準位群と低エネルギー準位群の二つからなる系が挙げられる。この二つの準位群の内部では、準位間の高速な遷移により速やかな熱的平衡の達成が保証されているため、準位群内では励起はマクスウェル・ボルツマン統計に従う(図1)。高エネルギー準位群は準安定であると仮定し、かつ利得と屈折率は特定の励起の仕方によらないものとする。

レーザー媒質が性能を発揮するためには、準位群間の隔たりが動作温度よりも大きく、ポンプ周波数 テンプレート:Math では吸収が支配的でなくてはならない。

光信号の増幅が起こる場合には、レーザー周波数が「信号周波数」と呼ばれる。しかし、同じ用語がレーザー発振器について、増幅された光が情報ではなくエネルギーを輸送するような場合でも用いられる。下に記述するモデルはほとんどの光ポンピング固体レーザーについてあてはまる。

断面積

単純な媒質は、周波数 テンプレート:Math における吸光と周波数 テンプレート:Math における発光実効断面積によって特徴づけられる。

また、相対的濃度を次のように定義する。

n1=N1/N, n2=N2/N

活性中心の基底状態から励起状態への遷移速度は次のように書ける。

Wu=Ipσapωp+Isσasωs

また、基底状態にもどる遷移速度は次のように書ける。

Wd=Ipσepωp+Isσesωs+1τ

ここで、 テンプレート:Math および テンプレート:Math はそれぞれ信号光とポンプ光の周波数における、実効テンプレート:仮リンクテンプレート:Math および テンプレート:Math は、誘導放射の実効断面積、テンプレート:Math は高エネルギー準位の自発放射速度である。

すると、相対濃度の速度論方程式は次のように書ける。

dn2dt=Wun1Wdn2, dn1dt=Wun1+Wdn2

これらの方程式は テンプレート:Math を保つ。

ポンプ光周波数における吸光 テンプレート:Mvar と信号光周波数における利得 テンプレート:Mvar はそれぞれ次のように書ける。

A=N1σpaN2σpe, G=N2σseN1σsa

定常状態解

多くの場合、レーザー媒質は連続波もしくはテンプレート:仮リンク波形式で動作するので、濃度の時間微分は無視することができる。

Wun1Wdn2=0,Wun1+Wdn2=0

したがって、定常状態解は次のように書ける。

n2=WuWu+Wd, n1=WdWu+Wd

動的飽和強度は次のように定義する。

Ipo=ωp(σap+σep)τ, Iso=ωs(σas+σes)τ

強い信号におけるの吸光は次のようになる。

A0=NDσas+σes

強い信号における利得は次のようになる。

G0=NDσap+σep

ここで、 D=σpaσseσpeσsa は断面積の行列式である。

利得が G0を超えることはなく、吸光が A0Uを超えることもない。

ポンプ光と信号光の強度を テンプレート:Math とすると、利得と吸光は次のように書ける。

A=A0U+s1+p+s,G=G0pV1+p+s

ここで、 テンプレート:Math, テンプレート:Math,

U=(σas+σes)σapD, V=(σap+σep)σasD

とする。

恒等式

次の恒等式テンプレート:Sfnが成りたつ。

UV=1, A/A0+G/G0=1

レーザー媒質の状態は、高エネルギー準位の割合、利得、吸光のどれか一つのパラメータで特徴づけることができる。

レーザー媒質の効率

レーザー媒質の効率は次のように定義できる。

E=IsGIpA

このモデルの中では、 効率は次のように書くこともできる。

E=ωsωp1V/p1+U/s

効率的な運用のためには、ポンプ光と信号光が飽和強度を超える必要がある。

pV1, sU1

上述の推定は媒質が均一な信号光とポンプ光により満たされている場合に有効である。ある領域ではポンプ光が強いものの信号光への変換が対向する光との干渉の節のために効率良く行えないために起こる現象、空間的ホールバーニングにより効率が下がることもある。

関連項目

参考文献

論文

出典

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:レーザー