代用電荷法

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代用電荷法(だいようでんかほう、テンプレート:Lang-en-short)または電荷重畳法数値解析手法の一つである。基本解近似解法テンプレート:Lang-en-short)ともいう。構造力学や電界計算の分野で広く使われている。偏微分方程式に対するメッシュフリー法であり、有限個の基本解を境界条件が満たされるように重ね合わせて近似解を構成する。誤差が境界で最大値に達する性質があり、誤差評価を容易にしている。原理が簡単で、プログラムが容易、高速、高精度であるが、非線型問題には適用できない。テンプレート:要検証範囲、その後日本で大きく研究が進んだ。宅間董により種々の電界計算に応用され、村島定行により汎用の解析法として確立された。

導入

例として、ディリクレ境界条件の2次元ラプラス方程式 {Δu(𝒙)=0(𝒙Ω),u(𝒙)=f(𝒙)(𝒙Ω) に代用電荷法を適用する。ただし、テンプレート:Mathテンプレート:Math上の有界な単連結領域とする。

代用電荷法は解を基本解の重ね合わせ(線型結合)で近似する。2次元ラプラス方程式であれば対数ポテンシャル G(𝒙,𝒔)=12πlog|𝒙𝒔| を重ね合わせて u(𝒙)uN(𝒙)=i=1NQiG(𝒙,𝒔i) とすることが多い。式中のテンプレート:Mvarは電荷点(charge point)と呼ばれ、テンプレート:Mathの外部から適当に選ばれる。

テンプレート:Mvarの値は選点法により決定される。すなわち、境界テンプレート:Mathから拘束点(collocation point)と呼ばれる点テンプレート:Mvarテンプレート:Math)を適当に選び、これらの点において近似解が拘束条件 uN(𝒙k)=f(𝒙k)(k=1,2,,N) を満たすようにする。このとき、テンプレート:Mvar線型方程式系 (G(𝒙1,𝒔1)G(𝒙1,𝒔2)G(𝒙1,𝒔N)G(𝒙2,𝒔1)G(𝒙2,𝒔2)G(𝒙2,𝒔N)G(𝒙N,𝒔1)G(𝒙N,𝒔2)G(𝒙N,𝒔N))(Q1Q2QN)=(f(𝒙1)f(𝒙2)f(𝒙N)) の解となる。

代用電荷法の特徴として、境界における誤差で内部における誤差を評価できることが挙げられる。問題の解テンプレート:Mathが存在し、さらにテンプレート:Mathが閉包テンプレート:Mathにおいて連続ならば、調和関数の最大値原理から誤差に関する等式 max𝒙cl(Ω)|u(𝒙)uN(𝒙)|=max𝒙Ω|f(𝒙)uN(𝒙)| が成立するテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

変種

室田の不変スキーム

室田の不変スキームは、対数ポテンシャルの線型結合に定数項テンプレート:Mathを加えた近似解 uN(𝒙)=Q012πi=1NQilog|𝒙𝒔i| を、拘束条件に i=1NQi=0 という制約を追加して構成する手法であるテンプレート:Sfn

ラプラス方程式の解は座標系のスケール変換テンプレート:Mathと境界条件の平行移動テンプレート:Mathに対して不変だが、通常の代用電荷法で構成される近似解は不変にならない。室田の不変スキームで構成される近似解は、この不変性を満たす点に特徴がある。

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

関連論文

関連項目

外部リンク


テンプレート:偏微分方程式の数値解法