十六元数
抽象代数学における十六元数(じゅうろくげんすう、テンプレート:Lang-en-short)は、全体として実数体 テンプレート:Math 上テンプレート:Math次元の(双線型な乗法を持つベクトル空間という意味での)非結合的分配多元環を成す代数的な対象で、その全体はしばしば テンプレート:Math で表される。八元数にケーリー=ディクソンの構成法を使って得られる対合的二次代数である。
「十六元数」という用語は、他の十六次元代数構造、例えば四元数の複製二つのテンソル積や実数体上の四次正方行列環などに対しても用いられ、テンプレート:Harvtxt で調べられている。
算術
ケーリーの八元数と同様に十六元数の乗法は可換でも結合的でもない。そして、ケーリーの八元数環 テンプレート:Math と明確に違うことに、十六元数の全体 テンプレート:Math は交代代数にもならない。十六元数についていえることはテンプレート:仮リンクを持っているということである。これは テンプレート:Math の元 テンプレート:Mvar に対して、冪 テンプレート:Mvar は矛盾なく定義可能で、それらがテンプレート:仮リンクであることを意味する。
任意の十六元数は、テンプレート:Math-ベクトル空間としての テンプレート:Math の基底を成す16個の単位十六元数 テンプレート:Math の実係数線型結合になっている。
十六元数は乗法に関する単位元を持ち、多くの元がその逆元を持つが、多元体とはならない。これは零因子の存在による。つまり、それ自体は零ではないが掛けると零になるような十六元数の組があるのだが、簡単な例としては テンプレート:Math などを挙げることができる。十六元数からケーリー=ディクソンの構成法を元にして作られるどの超複素数系も零因子を含む。
単位十六元数の乗積表は次のようなものである。
一般の十六元数の積は基底における乗法を(分配法則が成り立つように)線型に拡張することで得られる。
十六元数の全体 テンプレート:Math は共軛元をとる主対合
によってノルム
の定まる二次代数 テンプレート:Math であるが、これはノルムが乗法的でない。
応用
テンプレート:Harvtxt はノルム 1 の十六元数からなる掛けて テンプレート:Math となる対の全体が、例外型リー群 G2 のコンパクト型に同型であることを示した。
関連項目
参考文献
- テンプレート:Citation
- Kinyon, M.K., Phillips, J.D., Vojtěchovský, P.: C-loops: Extensions and constructions, Journal of Algebra and its Applications 6 (2007), no. 1, 1–20. [1]
- Kivunge, Benard M. and Smith, Jonathan D. H: "Subloops of sedenions", Comment.Math.Univ.Carolinae 45,2 (2004)295–302.
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