最小の非可算順序数

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

最小の非可算順序数テンプレート:Lang-en-short)ω1の存在は、選択公理によらずに示すことができる(ハルトークス数を参照)。ω1極限順序数で、すべての可算順序数を含む非可算集合である。ときに Ω とも表記される。その濃度は最小の非可算基数1 に等しい。

位相的性質

任意の順序数は、順序位相の入った位相空間と捉えることができる。位相空間 [0,ω1) および [0,ω1] は、いくつかの興味深い性質を持っている。

  • [0,ω1) は点列コンパクトであるがコンパクトではない。任意の距離空間においてその二つは同値であるから、[0,ω1) は距離化不可能である。
  • 可算コンパクトではあるため、 [0,ω1) はコンパクトでない可算コンパクト空間の例になっている。
  • [0,ω1) は第一可算公理を満たすが可分でも第二可算的でもない。
  • ω1 は[0,ω1) の極限点であるが、 [0,ω1) 内の可算な点列で ω1 に収束するものは存在しない。なぜなら、可算集合の可算和はまた可算集合になるからである。よって [0, ω1] においてω1 は可算な基本近傍系を持てず、[0, ω1] は第一可算公理を満たさない。
  • ω1 から実数 への任意の連続関数 f は、ある順序数から先が定数関数になる。即ち、あるβω1と実数cが存在して、β<α ならば f(α)=cとなる[1]

他にも ω1 は、長い直線Tychonoff plankといった、位相空間論における重要な反例を作り出すために用いられている。

連続体仮説

テンプレート:Main 連続体仮説とは『連続濃度はω1の濃度と等しい』という命題で、19世紀カントルによって提唱された。現在では、ZFCにおいて証明も反証もできない命題であることが知られている。この仮説との関連で、ω1べき集合 𝒫(ω1) の構造も研究されている[2]

関連項目

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

  • Thomas Jech, Set Theory, 3rd millennium ed., 2003, Springer Monographs in Mathematics, Springer, ISBN 3-540-44085-2.
  • Lynn Arthur Steen and J. Arthur Seebach, Jr., Counterexamples in Topology. Springer-Verlag, New York, 1978. Reprinted by Dover Publications, New York, 1995. ISBN 0-486-68735-X (Dover edition).
  • 志賀浩二 『無限からの光芒―ポーランド学派の数学者たち』1988、日本評論社 ISBN 978-4535781610

テンプレート:集合論