相反多項式

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初等代数学における相反多項式(そうはんたこうしき、テンプレート:Lang-en-short)または反転多項式(はんてんたこうしき、テンプレート:Lang-en-shortテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn)は、本質的に与えられた多項式の係数を元と逆順にして得られる多項式である。線型代数学において相反多項式は逆行列の特性多項式として自然に現れる。

定義

任意のに係数を持つ多項式 テンプレート:Mvar

p(x)=a0+a1x+a2x2++anxn

で与えられるとき、その相反多項式 テンプレート:Mvar または テンプレート:Mathテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

p*(x):=an+an1x++a0xn=xnp(x1)

で定義されるテンプレート:Sfn

多項式 テンプレート:Mvar複素数に係数をとる特別の場合には、多項式

p(z)=a0+a1z+a2z2++anzn

に対する共軛相反多項式 テンプレート:Math

p(z):=a¯+a¯n1z++a¯0zn=znp(z¯1)

として定義される。ただし、複素数 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Math はその複素共軛を表す。紛れの虞の無い場合には、これを単に相反多項式と呼ぶこともある。

多項式 テンプレート:Mvar自己相反であるとは、テンプレート:Math が成り立つときにいう。共軛相反の意味での自己相反多項式の係数は、必ずすべて実数でなければならない。

性質

相反多項式と元の多項式を結び付ける性質は幾つかあるが、例えば

  1. テンプレート:Mathテンプレート:Sfn
  2. テンプレート:Mvar が多項式 テンプレート:Mvar の根ならば テンプレート:Mathテンプレート:Mvar の根であり、逆もまた然りテンプレート:Sfn
  3. テンプレート:Math なる多項式 テンプレート:Mvar既約であることと、テンプレート:Math が既約であることとは同値テンプレート:Sfn
  4. テンプレート:Mvar原始多項式となる必要十分条件は テンプレート:Mvar が原始的となることであるテンプレート:Sfn

ほかに相反多項式自身に関する性質としては例えば

自己相反多項式は、それを昇冪あるいは降冪の順に表すときその係数が回文となるから、テンプレート:Mvar回文多項式と呼ばれる(回文多項式の根を記述する方程式はテンプレート:仮リンク(対称方程式)と言う[1][2])。すなわち、次数 テンプレート:Mvar の多項式 P(x)=i=0naixi回文的であるとは、テンプレート:Math を満たすときに言う。テンプレート:Efn2

同様に テンプレート:Mvar-次多項式 テンプレート:Mvar反回文的 (antipalindromic) あるいは反自己相反であるとは、テンプレート:Math を満たすときに言う。これはテンプレート:Math とも書ける。

二項係数の性質により、二項冪 テンプレート:Math は任意の自然数 テンプレート:Mvar に対して自己相反である。他方 テンプレート:Mathテンプレート:Mvar が偶数のとき自己相反で テンプレート:Mvar が奇数のとき反自己相反になる。

他の例としては円分多項式オイラー多項式を挙げることができる。

性質

実係数の場合

実係数多項式でその根がすべてガウス平面上の単位円上に載っている(つまりすべての根が[[複素数の絶対値|絶対値 テンプレート:Math]](単模)である)ようなものは、自己相反であるかさもなくば反自己相反であるかの何れかであるテンプレート:Sfnテンプレート:Page needed

複素係数の場合

多項式 テンプレート:Mvar自己(共軛)相反的であるとは、テンプレート:Math を満たすことを言う。単位円上の適当なスケール因子 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Math を満たすならば自己反転的 テンプレート:En というテンプレート:Sfnテンプレート:Page needed

テンプレート:Mathテンプレート:Math かつ テンプレート:Math なる複素数 テンプレート:Math係数最小多項式ならば テンプレート:Math は自己相反である。実際、

p(z0)=z0np(1/z¯0)=z0np(z0)=z0n0¯=0

が成り立つから テンプレート:Mathテンプレート:Math の根で、これは テンプレート:Mvar-次だから最小多項式の一意性により適当な定数 テンプレート:Mvar を以って

cp(z)=p(z)(i.e. cai=a¯ni=ani)

が成り立つが、ここで テンプレート:Math から テンプレート:Mvar までの和を取れば、テンプレート:Mathテンプレート:Mvar の根でなかったことと合わせて テンプレート:Math を得る。

この帰結として、テンプレート:Math に対する円分多項式 テンプレート:Math は自己相反であることが分かる。これは テンプレート:Math の形の数に対して、それぞれ次数が テンプレート:Mathテンプレート:Mvar の冪指数のオイラー数 テンプレート:Mvar がそれぞれ テンプレート:Math であることに注意)であるような多項式を用いて代数的因数が得られることを用いて因数分解するテンプレート:仮リンクに用いられる。

符号理論における応用

相反多項式は巡回誤り訂正符号の理論に用いられる。テンプレート:Math が二つの多項式の積に分解されると仮定して、それを テンプレート:Math と書く。テンプレート:Math が巡回符号 テンプレート:Mvar を生成するとき、その相反多項式 テンプレート:Math双対符号 テンプレート:Math を生成するテンプレート:Sfn。また、テンプレート:Mvar自己直交(つまり テンプレート:Math)であるための必要十分条件は テンプレート:Mathテンプレート:Math割り切ることであるテンプレート:Sfn

脚注

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注釈

テンプレート:Notelist2

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

外部リンク