等価回路

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図.1 簡単な回路が等価になる
抵抗 Rp とコンデンサ Cp を並列に接続した場合のインピーダンス Zp (a)と、抵抗 Rs とコンデンサ Cs を並列に接続した場合のインピーダンス Zs (b)は、
{Rs=Rp1+(ωCpRp)2Cs=1+(ωCpRp)2ωCpRp2
とすることで等価になるテンプレート:Refnestテンプレート:Sfn
図.2 電気系・機械系要素の対応と等価回路
電気系と機械系の要素では、電圧 E と力 F、電流 i と速度 u、インダクタンス L と質量 Mm、静電容量 C とコンプライアンス Cm、抵抗 R と機械抵抗 Rm がそれぞれ対応関係にあり、上図の構成では同形式の方程式が立てられる。
{E=Ri+Ldidt+1CidtF=Rmu+Mmdudt+1Cmudt

等価回路(とうかかいろ、Equivalent circuit)とは、 対象となる電気電子回路に対して、電圧電流周波数特性などの関係が等しくなるような構成をとる別の回路網テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。単独の部品における理想的な特性に対して周波数特性などを考慮し詳細な回路構成としたものも等価回路というテンプレート:Sfn。また、これら回路系以外の機械磁気音響生体など)の対象が持つ特性が示す方程式と同等の特性になるように置き換えた電気回路網のことテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。 一般に、等価回路に置き換えることは、対象となる系の簡略化を目的とすることが多く、特性の解析や、設計のしやすさの向上を図ることができるテンプレート:Sfn

概要

電気回路において、電源(電圧源・電流源)、電気抵抗インダクタンス静電容量を組み合わせた回路網では、定常特性過渡特性、周波数特性などを、単純な計算式や微分方程式によって表すことができる。これらの式が同じになる回路網同士は電気回路として等価であることを示している。この場合、元の回路網と別の回路網は等価回路である、という。

実際には、等価回路として適用できる範囲(使用する周波数帯域などにおける電気的特性)が限定される場合があるため、必要ならば等価回路内の素子や接続構成を変更しなければならない。また、個別部品が理想的な特性のみを持つのではなく何らかの周波数特性や電流特性などを有する場合は、付随する要素を取り込んで実際の特性に合わせることも行われる。(#受動素子

能動素子を含む電子回路においては、能動素子そのものの特性を電圧源や電流源を含む等価回路として置き換え、周辺回路と共に全体の等価回路を構成することが行われる。(#能動素子

また一般に、物理的なシステムは適切な条件下では入出力間の関係は微分方程式で表すことができる。このような物理的に異なるシステムが同じ形の微分方程式で表されることを相似であるといいテンプレート:Sfn、結果的に、それぞれのシステムを上記のような電気系回路の対応(等価回路)に置き換えが可能なことを示しているテンプレート:Sfn

例えば、機械工学においては、速度機械抵抗質量コンプライアンステンプレート:Refnestなどが運動方程式で表される。これは電気回路における電圧、電流、電気抵抗、インダクタンス、静電容量などに対応しているテンプレート:Sfn。したがって、これらの構成要素を電気回路の回路網の部品に置き換えることができるテンプレート:Sfn。つまり、機械素子の構成を電気回路に置き換えて方程式をたて、それを解くことにより機械系の振動特性や挙動を解析することができる。

電気回路の電流 i は時間あたりの電荷 q の移動量、機械系では物体の速度 u は時間あたりの変位量 xであることから、それぞれ、外部から与える電圧をE、外力をFとすれば、電気系、機械系の負荷との関係は、

  • 電気系(電気抵抗 R、インダクタンス L、静電容量 C

テンプレート:Indent

  • 機械系(機械抵抗 Rm、質量 Mm、コンプライアンス Cm

テンプレート:Indent となり同じ形式の方程式で表され、それぞれの項の係数は電気系、機械系で対応している(RRm,LMm,CCmテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。これは、同じ形式の方程式で表現できる挙動が電気回路として表現できることも示している(図2 参照)。(#機械工学

伝熱系においては、発熱源、熱抵抗熱容量を、電流源、電気抵抗、静電容量に置き換えることができる。(#伝熱工学

さらには、直接的な素子対応とは見なされない生体においても、生体のインピーダンスモデルを作成したり、心臓拍動をモデル化するなどの適用がなされている。(#生体

なお、電気系以外の系を電気回路で表現したものを「機械回路」「音響回路」といった「××回路」と呼ぶことがあるテンプレート:Sfn

等価回路を使う利点

等価回路は電気回路自身だけでなく、他の系を電気回路網に置き換えることが可能であり同等の特性を模擬することが可能である。よって、機械的振動の解析や熱解析に回路解析手法を適用することができる。これは、回路シミュレーターを使った解析や設計も可能であることを示しているテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Refnest

スピーカなど電気回路の要素と音響機械要素が組み合わされる機器では、音響機械要素部を電気回路に置き換えて1つの電気回路として扱うことで、インピーダンス特性の解析を統一的に行うことが出来るようになるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

なお、各系の個別素子が1つの電気系素子と対応するとき、複数素子の接続状態は電気回路における直列接続並列接続として表すことが出来ることも示しているテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

電気系の等価回路

電気回路

電気回路では、オームの法則をはじめとして、キルヒホッフの法則テブナンの定理ノートンの定理などの交流回路理論の基礎的な事項を用いて、複雑な構成を有する回路を簡略化し等価回路を作成することができる。

例えば、オームの法則、キルヒホッフの法則を適用すれば、インピーダンス素子を直列接続並列接続した構成の回路を最小限の素子に置き換えることができる。

テブナンの定理ノートンの定理を用いることにより、電圧源、電流源となる電源、インピーダンスを含む回路網において、任意の2点間に対する等価回路を生成することができる。

直列接続回路と並列接続回路

電気抵抗、インダクタンス、静電容量などの受動素子(インピーダンス素子)を直列、あるいは、並列に接続した回路の場合、オームの法則、キルヒホッフの法則により、素子の接続構成を簡略化することが可能である。 (以下、インピーダンス素子を Z、電源電圧を E(=E0sinωt)、電流を I、素子間電圧を V とする)

図.3 インピーダンスの直列接続・並列接続と等価回路
直列接続回路

図.3 (a-1)は、2つの素子、Z1Z2 を直列に接続にした例である。

このとき、電流 I の経路は1つのみであり、各素子の両端電圧は V1V2 である。ここでは、 テンプレート:Indent になるテンプレート:RefnestE=V であるから、電源 E からみたインピーダンス Z は、 テンプレート:Indent なので、当初の結果より、 テンプレート:Indent が得られる。 つまり、この Z1Z2 を直列接続した回路の合成インピーダンス ZS は、 テンプレート:Indent であり、図.3 (a-2)の等価回路に置き換えられる。

この結果を拡張すれば、インピーダンス素子を直列に N 個接続した場合の合成インピーダンス Z は、 テンプレート:Indent で求められるテンプレート:Sfn

並列接続回路

図.3 (b-1)は、2つの素子、Z1Z2 を並列に接続にした例である。

このとき、電流 I の経路は各素子に分かれ I1I2 になるが、各素子の両端電圧は電源電圧と同一の V=E である。ここで、各電流は、 テンプレート:Indent であるから、 テンプレート:Indent になるテンプレート:Refnest。電源 E の電流 I は、合成したインピーダンスを ZP とすると、 テンプレート:Indent であり、V=E から、 テンプレート:Indent となり、 テンプレート:Indent である。ZP で整理すると、 テンプレート:Indent となって、図.3 (b-2)の等価回路に置き換えられる。

この結果を拡張すれば、インピーダンス素子を並列に N 個接続した場合の合成インピーダンス Z は、 テンプレート:Indent で求められるテンプレート:Sfn

直列・並列接続混合回路

直列接続と並列接続が混合した回路では、上記の直列接続回路・並列接続回路による簡略化を用いればよいテンプレート:Sfn

図3. (c-1)は、3つの素子Z1Z2Z3 を直列並列接続した例である。

まず、並列接続されている Z2Z3 を合成インピーダンス ZP に置き換える。このとき ZP は、 テンプレート:Indent であり、上述の通り、 テンプレート:Indent となって、図.3 (c-2)に変換される。

次に、求めた ZP を用いて Z1 との直列接続の合成インピーダンス Z を求めればよい。 テンプレート:Indent となるので、図.3 (c-3)の等価回路に置き換えられる。

なお、上記いずれの場合においても、各インピーダンス素子が電気抵抗 R、インダクタンス L、静電容量 C であれば、それぞれ、RjωL1jωCとして計算すればよい。


テブナンの定理

図.4 テブナンの定理/ノートンの定理による等価回路への変換

電源や回路素子を含む回路網(図.4 (a))中の任意の2点間に現れる電位差が V0(図.4 (b-1))、電圧源を短絡、電流源を開放したときのインピーダンスが Z0(図.4 (b-2))のとき、この2点間にさらにインピーダンス Z を接続したときに流れる電流 Iは、 テンプレート:Indentである(図.4 (b-3))。

したがって、この2点間から見た回路網の等価回路は、電源電圧 V0、出力インピーダンス Z0の直列回路として表されるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

ノートンの定理

電源や回路素子を含む回路網(図.4 (a))中の任意の2点間に流れる電流が I0(図.4 (c-1))、電圧源を短絡、電流源を開放したときのアドミタンスが Y0(図.4 (c-2))のとき、この2点間にアドミタンス Y を接続したときに発生する電圧 Vは、 テンプレート:Indentである(図.4 (c-3))。

したがって、この2点間から見た回路網の等価回路は、電流源 Iと、コンダクタンス Y0 の並列回路として表されるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

受動素子

抵抗器インダクタコンデンサなどの受動素子は、通常は適用する回路の周波数領域では理想的な電気抵抗素子やリアクタンス素子と見なされるが、より高い周波数領域では素子そのものの構造(パッケージ)や配線状況に由来するインピーダンスの変化が生じるので注意を要するテンプレート:Sfn

抵抗

図.5 抵抗器の等価回路

理想的な抵抗器は電気抵抗成分 R しか持たない(図.5 (a))。

しかし、実素子としては、抵抗素子自体や素子に接続するリード線部が有するインダクタンス Ls、端子間に存在する静電容量 Cp の影響を受けるので、これらの要素を組み合わせたものが等価回路になる(図.5 (b)、(c))テンプレート:Refnest。このため用いる周波数によってインピーダンスの変化する素子として振る舞うテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

インダクタ

図.6 インダクタの等価回路

理想的なインダクタインダクタンス L のみを持つ(図.6 (a))。

しかし、実素子としては、巻き線が有する抵抗 Rs、巻き線間に存在する静電容量 Cp と絶縁抵抗 Rp の影響を受けるので、これらの要素を組み合わせたものが等価回路になる(図.6 (b))。このため高周波領域では素子自体が共振点を持ったり、インダクタとしての役割を失い静電容量成分が主となる場合がある。

例えば、図.6 (b)の等価回路では、ω=2πf=1LCp となる並列共振周波数 f 付近で最もインピーダンスが大きくなるが、より高い周波数領域では Cp による特性が支配的になるためインピーダンスは小さくなるテンプレート:Sfn。 また、インダクタに流れる電流が許容値を超えるとインダクタンスが低下する場合もあるのでテンプレート:Refnest、より適切なモデリングを行うことがあるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

コンデンサ

図.7 コンデンサの等価回路

理想的なコンデンサ静電容量 C のみを持つ(図.7 (a))。

しかし、実素子としては、端子部が有する抵抗 Rs(ESR/等価直列抵抗)やインダクタンス Ls(ESL/等価直列インダクタンス)があるとみなせる(図.7 (b))テンプレート:Refnest。またさらに端子間の絶縁抵抗 Rp や静電容量 Cp を考慮することがある(図.7 (c))。このため高周波領域では素子自体が共振点を持ったり、コンデンサとしての役割を失いインダクタンス成分が主となる場合があるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

例えば、図.7 (b)の等価回路では、ω=2πf=1LsC となる並列共振周波数 f 付近で最もインピーダンスが小さくなるが、より高い周波数領域では Ls による特性が支配的になるためインピーダンスは大きくなるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

水晶振動子

図.8 水晶振動子の等価回路

水晶振動子は水晶の結晶に生じる圧電現象を利用した素子で、その弾性的性質は質量、機械コンプライアンスで決まる固有振動数を持つ。この固有振動数と同じ周波数の電界を加えると共振することを利用し、周波数精度の高い発振回路を構成する部品として用いられるテンプレート:Sfn

等価回路としては、水晶の質量がインダクタンス Ls、機械コンプライアンスが静電容量 Cs、機械損失が抵抗値 Rs に相当する直列回路に電極間容量 Cp が並列に接続された構成(図.8 (b))になる。等価抵抗 Rs を無視した場合のリアクタンス X は、 テンプレート:Indent であるテンプレート:Sfn

この回路は直列共振周波数 fs と並列共振周波数 fp をもち、 テンプレート:Indent である。通常は、CpCsなので fsfp の間隔は非常に狭くなり、この区間でのみ誘導性リアクタンスとなるので、発振回路ではインダクタの代わりとして用いられるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

能動素子

バイポーラトランジスタ(BJT)や電界効果トランジスタ(FET)などの能動素子整流作用増幅作用などの特性を持つことから、抵抗器やインダクタ、コンデンサなどの受動部品の組み合わせだけでなく、電圧源や電流源を含めた回路網として表現することが多い。また、適用する信号の種類により回路構成の使い分けが行われる。

能動部品を用いて増幅回路を構成する場合は、入力2端子・出力2端子の二端子対回路に対してT型等価回路や、hパラメータYパラメータを適用した等価回路として表すことが基本となる。この場合、入力側と出力側の1端子ずつを共通端子(接地端子)として設定する。トランジスタではエミッタ・コレクタ・ベース端子がありそれぞれエミッタ接地・コレクタ接地・ベース接地となり、FETではソース・ドレイン・ゲート端子がありそれぞれソース接地・ドレイン接地・ゲート接地と呼ぶテンプレート:Sfn

ダイオード

図.9 ダイオードの等価回路

ダイオードは p 型半導体と n 型半導体を接合した2端子の部品であり、それぞれアノード(A)端子、カソード(K)端子と呼ぶ。カソードに対してアノード端子が高電位テンプレート:Refnestになると電流が流れ、逆の電圧テンプレート:Refnestになると電流が流れないという整流作用を持つ。理想的な特性では、順方向電圧の場合は導通状態になり、逆方向電圧の場合は電流が遮断される(理想ダイオード)テンプレート:Sfn

しかし、実際の素子ではこの電圧と電流の関係は非線形であり、さらに pn 接合の拡散電位のために順方向電圧は所定の電圧以上でなければ電流が流れ始めない(シリコンで約0.5 - 0.7V、ゲルマニウムで約0.2 - 0.4Vテンプレート:Sfn)。

これらを考慮した折れ線近似等価回路(図.9 (b))では、理想ダイオード D、動作抵抗 Rdテンプレート:Refnest、拡散電位電圧VTを直列接続した構成となる。これは、拡散電位を超えた電圧が印加されると、動作抵抗 Rにより電流が1次関数的に決まることを表しているテンプレート:Sfn

高周波動作を考慮する場合(図.9 (c))、理想ダイオードに並列に pn 接合の空乏層が持つ接合容量 Cd、ダイオードの広がり抵抗 Rs、素子に寄生する直列インダクタンス Ls が直列に接続された構成になるテンプレート:Sfn

なお、いずれの等価回路においても、逆方向電圧印加時の逆方向電流は考慮されないテンプレート:Refnest

バイポーラトランジスタ

バイポーラトランジスタはp型半導体、n型半導体をそれぞれ、pnp型ではp-n-p、npn型ではn-p-nの順番で接合したものである。両端の端子をE(エミッタ)、C(コレクタ)とし、中央部をB(ベース)の各端子として用いる。増幅回路に適用する場合は、いずれかの端子を入出力の共通端子として使用する。直流に対する増幅回路では直流等価回路、交流信号に対する増幅回路では小信号等価回路、さらには高周波領域で使用する場合は高周波等価回路を適用する。

直流等価回路

トランジスタの直流増幅に着目した等価回路は、pnpトランジスタは図.10、npnトランジスタは図.11 のようになる。

素子の構造上、E-B、B-C端子間に、用いる電流方向(バイアス)に対してそれぞれダイオードを順・逆方向に接続したものと同等であると考えられる。したがって、pnp型トランジスタ、npn型トランジスタでは異なる構成になる。コレクタ電流はエミッタ電流の α 倍(α はベース接地電流増幅率)の電流源が接続されているものと見なせるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

小信号等価回路
図.12 トランジスタの小信号T型等価回路

小信号等価回路は、トランジスタを適切なバイアス状態にした場合の交流小信号に対する振る舞いを近似するために用いられる。T型等価回路、hパラメータ(ハイブリッドパラメータ)を用いた回路があり、いずれの等価回路においても交流信号に対する動作であるので pnp型トランジスタ、npn型トランジスタによる区別は無い。

T型等価回路

トランジスタの各端子に流れる電流を、ベース電流 ib、エミッタ電流 ie、コレクタ電流 ic とし、ベース広がり抵抗 rb、エミッタ拡散抵抗 re、コレクタ抵抗 rc、ベース接地電流増幅率をαβ=α1αテンプレート:Refnestとすると右図のようになるテンプレート:Sfn。それぞれ、図.12 (a)はベース接地回路、(b)はエミッタ接地回路、(c)はコレクタ接地回路である。

hパラメータによる等価回路

hパラメータによる等価回路は、4端子回路における入出力の電流電圧関係をそのまま示したものであり、等価回路の構成としては pnp/npn型による違いや接地方式による違いは無く統一的に扱うことが出来る。回路構成と各パラメータの関係は図.13 および下式の通りであるテンプレート:Sfn

テンプレート:Indent

hi(入力インピーダンス)、hr(電圧帰還率)、hf(電流利得)、ho(出力アドミタンス)の各パラメータは以下の条件で設定される。

テンプレート:Indent

ただし、それぞれのパラメータは接地方式によって異なるので、以下の表の通り用いる添え字を変えて用いる。

接地方式によるhパラメータの区別
ベース接地 エミッタ接地 コレクタ接地
hi hib hie hic
hr hrb hre hrc
hf hfb hfe hfc
ho hob hoe hoc

テンプレート:-

FET

FETは S(ソース)、G(ゲート)、D(ドレイン)端子を持ち、G-S 間の電圧で、S-D 間の抵抗値を制御する素子と見なせる。各端子はバイポーラトランジスタのE(エミッタ)、B(ベース)、C(コレクタ)に相当する。ただし、バイポーラトランジスタとは異なり適切な直流等価回路は無く、直流特性に関しては静特性図を用いるテンプレート:Sfn

小信号等価回路
図.14 FETの小信号T型等価回路

小信号等価回路において、G-S 間の電圧 VGS の変化に対するドレイン電流 ID の変化を gm(相互コンダクタンス、あるいは、伝達コンダクタンス)、ドレイン電流 ID とドレイン-ソース間電圧 VDS の比を rd(ドレイン抵抗)と呼ぶ。 テンプレート:Indent であり、ドレイン端子に流れる信号電流には、 テンプレート:Indent の基本式が成り立つテンプレート:Refnest

また、ゲート電圧 VGS に対するドレイン電圧 VDS の変化を増幅率 μ と呼び下式で定義する。 テンプレート:Indent これら相互コンダクタンス gm、ドレイン抵抗 rd、増幅率 μ は FET の3定数といい、以下の関係が成立するテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Indent 図.14 はそれぞれソース接地回路 (a)、ドレイン接地回路 (b)、ゲート接地回路 (c) において電圧源を用いた等価回路である。入力側信号電圧を v1、出力側電圧を v2、入力電流を i1、出力電流を i2 とする。ここで、FETの構造およびバイアス状態から、ゲート電流 ig はほとんど流れない。このためバイポーラトランジスタで用いる h パラメータは用いられないテンプレート:Refnest

ソース接地回路(図.14 (a))では,入力電圧 v1 がゲート電圧 vgs、出力電圧 v2 はドレイン電圧 vds、出力電流 i2 はドレイン電流 id になる。このとき、id=gmvgs+vdsrd を変形すると、 テンプレート:Indent となり、さらに μ=gmrd を用いて変形すると、 テンプレート:Indent が得られ、電圧源を用いた等価回路に変形できるテンプレート:Sfnテンプレート:Refnest

ドレイン接地回路(図.14 (b))では、ゲート電圧 vgs=v1v2 、出力電圧 v2=vds、ドレイン電流 id=i2 になる。id についての基本式をこれらの関係を適用すると、 テンプレート:Indent となり、v2 について変形し、μ を用いれば、 テンプレート:Indent となり、電圧源等価回路が得られるテンプレート:Sfn

ゲート接地回路(図.14 (c))では、ゲート電圧 vgs=v1、出力電圧 v2=v1+vds、ドレイン電流 id=i2=i1 になる。id についての基本式をこれらの関係を適用すると、 テンプレート:Indent となり、v2 について変形し、μ を用いれば、 テンプレート:Indent となり、電圧源等価回路が得られるテンプレート:Sfn

オペアンプ

図.15 オペアンプの等価回路

オペアンプ(演算増幅器)は、図.15 (a)の回路記号で表され、反転入力と非反転入力の2つの入力端子を持ち、それぞれの入力電圧を vivi+ 、電圧増幅率を Av としたとき、理想的には出力端子に Av(vi+vi) となる電圧を出力する回路であるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

また、正負電源を供給する端子(VS+VS)がある。

現実的な回路素子としては図.15 (b)のように、

  • 入力インピーダンス RI
  • 出力インピーダンス RO
  • 入力オフセット電圧 VIO

が存在する。

また、入力電圧(vivi+)の範囲や、出力電圧 vo は内部回路の構成により電源電圧範囲(VS+VS)よりも狭くなる。ただし、これらの入力・出力電圧を電源電圧範囲いっぱいになるようにした製品もあるテンプレート:Sfn

理想的な状態では、

  • 入力インピーダンス RI は無限大(入力端子に電流は流れない)
  • 電圧増幅率 Av は無限大
  • 出力インピーダンス RO はゼロ
  • 周波数特性が平坦(帯域が無限大)
  • 入力オフセット電圧 VIO がゼロ
  • 温度ドリフトテンプレート:Refnestがゼロ

とみなすテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

このような(理想的な)条件の下でオペアンプを用いた回路における付随する素子テンプレート:Refnestの定数を決定することが多い。ただし、高精度な性能が要求される場合は、調整手段を設けたり、用途別のオペアンプを選択する必要があるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

電気機器

変圧器

理想変圧器
図.16 理想変圧器の等価回路

理想的な変圧器では、巻線自体の損失をゼロ、磁気回路の損失をゼロ(磁気特性が線形・漏れ磁束無し)と見なす。 1次巻線と2次巻線の巻回数がそれぞれ N1N2のとき、巻数比 aN1/N2 となるテンプレート:Refnest

図.16 (b-1)のように、1次側に交流電源 v1を接続し、2次側を開放した場合の関係は、2次側の出力電圧を v2 とすれば、 テンプレート:Indent であるテンプレート:Sfnテンプレート:Refnest

また、図.16 (b-2)のように、2次側を短絡した場合の関係は、1次側の電流を i1、2次側の電流を i2とすれば、 テンプレート:Indent であるテンプレート:Sfnテンプレート:Refnest

また、自己インダクタンスがそれぞれ L1L2 である回路が相互インダクタンス M で磁気結合していると見なした場合の理想変圧器では、相互インダクタンス M を共通とする回路網に変形できる。

図.16 (c-1)のような入出力電流電圧関係があるとき、4端子のうちの2端子を同一電位として考えるT型回路とすれば、左側(v1)側からみて L1MM のインダクタンス直列回路、右(v2)側からみて L2MM のインダクタンス直列回路であり、M を共通のインダクタンスとしている回路(図.16 (c-2))と見なせるテンプレート:Sfn

実際の変圧器
図.17 実際の変圧器の等価回路

理想変圧器とは異なり、実際の変圧器では鉄芯の磁気特性(ヒステリシス特性や励磁電流の必要性)の影響により、交番励磁するための電力(鉄損)が生じる。励磁するための電流は歪み波電流であるが、等価的には実効値が等しい正弦波電流 I0 として扱う。励磁電流の負荷は有効電力と無効電力を分ける励磁コンダクタンス g0 と励磁サセプタンス b0 で構成される励磁アドミタンス Y0 として考える(図.17 (a))テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。この励磁アドミタンスにより、2次側が無負荷であっても電流が流れる。

さらに、1次側、2次側巻線には電気抵抗が存在するとともに、各巻線によって発生する磁束すべてが他方の巻線に鎖交するするのではなく一部は空気中を通る漏れ磁束になることから、漏れリアクタンスとよばれる成分が生じる。このため、それぞれの巻線の電気抵抗を r1r2、漏れリアクタンスを x1x2 とおき、理想変圧器を用いて生成した等価回路は図.17 (b)のようになるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。 1次電流 I1 は励磁電流 I0 と理想変圧器の1次電流 I1 になるので、このときの理想変圧器の1次側電圧を E1 とすれば、2次側電圧 E2 は巻数比 a できまり E2=E1/a となる。同様に、1次側電流 I1 と2次側電流 I2 の関係は、I2=aI1 で表されるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

ここで、図.17 (c)において、2次側電圧 E2a 倍して1次側の電圧 E1 と同じにし、同時に2次側電流 I21/a 倍しても2次側の負荷の関係は同じになるので、右図(b)の1次側には影響しない。この関係を満たすために2次側の負荷インピーダンスをそれぞれ a2 倍するテンプレート:Refnest。この回路変形を行うことで理想変圧器を省略することができ、図.17 (d)の等価回路となる。これを2次側を1次側に変換した変圧器等価回路というテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

さらに、通常使用される変圧器においては、各巻線の電気抵抗(r1,r2)や漏れリアクタンス(x1,x2)は小さく、励磁電流 I0 も小さくなるよう作られているために電圧降下の影響も少なくなるので、励磁アドミタンスの位置を図.17 (e)のように1次側に変更しても実用上問題ない。これを変圧器の簡易等価回路とよぶテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

電動機

誘導電動機
図.18 誘導電動機の等価回路

誘導電動機は固定子巻線で生成する回転磁界により、回転子巻線に電流を発生させることでトルクを生じる。固定子を1次巻線、回転子を2次巻線とすれば動作は変圧器と同様の解析ができる。ただし、変圧器とは異なり、1次、2次の相数の違い、閉磁路ではないこと、2次側負荷が機械出力であること、回転子のすべり(s)テンプレート:Refnest、などを考慮する必要がある。

まず、固定子巻線1相に対して等価回路を考える。

実際の変圧器と同様に、励磁電流を流すための励磁アドミタンス Y0 が存在する(図.18 (a))。ただし、この誘導アドミタンスに流れる電流は変圧器に比べて大きい。1次側2次側それぞれに巻線の電気抵抗 r1r2、漏れリアクタンスを x1x2 があることも同様である。

2次側の回転子が停止している状態(s=1)では、機械出力がゼロであることと同等であるので、変圧器の2次側インピーダンスは短絡されているものと見なせ、図.18 (b)の等価回路として示される。

回転子がすべり s で回転しているとき、2次側の負荷抵抗 R は機械出力と等しいと見なせると考えれば、この負荷抵抗 RR=1ssr2 とおくことで、図.18 (c)の等価回路を得る。

実際の誘導電動機では、1次巻線と2次巻線の巻数や相数は異なるため、次の換算を用いる。

1次および2次の巻数比 a は、それぞれの巻数を N1N2、巻数係数を KN1KN2 とすれば、a=KN1N1KN2N2 となり、それぞれの相数を m1m2 とすれば、2次側の抵抗とリアクタンスは、r2=m1m2a2r2x2=m1m2a2x2 となり、このときの負荷抵抗 RR=1ssr2 となるので、これを考慮して変圧器の1次側変換等価回路と同様の変換を行えば、図.18 (d)の等価回路になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

さらに、誤差の影響は大きくなるがテンプレート:Refnest各部の計算簡略化を目的とし、励磁アドミタンス Y0 を1次側抵抗とリアクタンスよりも電源側に配置した図.18 (e)の簡易等価回路を用いることもあるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn


ブラシ付き直流モータ
図.19 ブラシ付き直流モータ等価回路

ブラシ付き直流モータは、N極とS極のペアの永久磁石で構成するステータと、コイルを巻き電磁石となるように構成するロータ(回転子)からなる。ロータは回転する毎に電磁石の極性が逆になるように電極(ブラシ)が配される。

電気部品としては1つの記号として表され、直流電源 Va をモータに接続すると、電流 Ia が流れてロータが回転する(図.19 (a))。

ロータ電磁石のための巻線はインダクタンス La と抵抗成分 Ra を持つ。また、ロータの回転数が増す毎に発電機としての作用を生じ、これが回路の逆起電力として見なされる。したがって、これらの要素を考慮した等価回路構成になる(図.19 (b))テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

このとき、各要素に発生する電圧は、 テンプレート:Indent テンプレート:Indent であり、モータの発電係数を Ke (Vs/rad)、回転速度を ω (rad/s)とすれば、 テンプレート:Indent で表される。なお、定常動作時は、回路電流 Ia は直流安定電流となるので、巻線インダクタンス La による電圧降下はゼロになり無視できるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

電気系要素と各系要素との対応と等価回路

機械振動系、音響系を電気回路として表す方法は、アーサー・エドウィン・ケネリーによって考案され、この手法は各分野に拡がったテンプレート:Sfn

電気回路素子と機械系、音響系、熱系、磁気系では、以下のようにパラメータが対応している。ただし、表中に示すとおり物理単位は対応しないので、異なる系を直接的に連結させることはできない。なお、本項では表記の混同を避けるため、電気系の電圧を v、運動の速度を u とする。

これらの対応関係を用いて、電気回路的動作解析・設計手法を各系に取り込むことができる。

電気系回路素子と他の系との対応テンプレート:Refnest
電気系 直線運動系テンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn 回転運動系テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn 音響系テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn 伝熱系テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn 磁気系テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn
電圧 v (V) f (N) トルク τ (Nm) 音圧 p (N/m2) 温度 T (K) 起磁力 (A)
電流 i (A) 速度 u (m/s) 角速度 ω (rad/s) 体積速度 U (m3/s) 熱流量 Q (W) 磁束 ϕ (Wb)
電荷 q (C) 変位 x (m) 回転角 θ (rad) イナータンス MA (kg/m4) - - - -
インダクタンス L (H) 質量 Mm (kg) 慣性モーメント I (kgm2) 容積 W (m3) - - - -
静電容量 C (F) コンプライアンス Cm (m/N) 回転コンプライアンス Cθ (rad/Nm) 音響コンプライアンス CA (m5/N) 熱容量 Cth (J/K) - -
電気抵抗 R (Ω) 機械抵抗 Rm (Ns/m) 回転機械抵抗 Rθ (Nms/rad) 音響抵抗 RA (Ns/m5) 熱抵抗 Rth (K/W) 磁気抵抗 (A/Wb)

機械工学

直線運動系

機械抵抗
図.20 機械抵抗の等価回路

摩擦による抵抗や粘性のある流体中を速度 u で動かすために必要な力 f は、機械抵抗成分を Rm とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.20 (a-1)(a-2))。

電気回路では、電流を i、電圧を v、抵抗を R とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.20 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、機械抵抗 Rm と抵抗 R、力 f と電圧 v、速度 u と電流 i がそれぞれ対応していると考えることができ、図.20 (a-1)の状態を右図(c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

質量
図.21 質量の等価回路

質量 Mm の物体に力 f を加え、変位 x が生じたとき、速度を u とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.21 (a-1)(a-2))。

電気回路では、インダクタンス L に電圧 v を印加したとき、電流を i とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.21 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、質量 Mm とインダクタンス L、力 f と電圧 v、速度 u と電流 i がそれぞれ対応していると考えることができ、図21. (a-1)の状態を図.21 (c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

コンプライアンス
図.22 コンプライアンスの等価回路

ばねの一端を固定し、他端に力 f を加えたとき、ばねのコンプライアンスCm、変位 x は、 テンプレート:Indent で表される。速度 v は、 テンプレート:Indent となるので、力 f は、 テンプレート:Indent である(図.22 (a-1)(a-2))。

電気回路では、静電容量 C に電圧 v を印加したとき、電荷を q、電流を i とすれば、 テンプレート:Indent であり、q=idt であるから、電圧 v は、 テンプレート:Indent で表される(図.22 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、コンプライアンス Cm と静電容量 C、力 f と電圧 v、速度 u と電流 i、変位 x と電荷 q がそれぞれ対応していると考えることができ、図.22 (a-1)の状態を図.22 (c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

回転運動系

回転抵抗
図.23 回転抵抗の等価回路

回転体を摩擦抵抗や粘性のある流体中を角速度 ω で動かすために必要な回転力(トルクτ は、回転機械抵抗成分を Rθ とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.23 (a-1)(a-2))。

電気回路では、電流を i、電圧を v、抵抗を R とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.23 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、回転機械抵抗 Rθ と抵抗 R、トルク τ と電圧 v、角速度 ω と電流 i がそれぞれ対応していると考えることができ、図.23 (a-1)の状態を図.23 (c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

慣性モーメント
図.24 慣性モーメントの等価回路

慣性モーメント I を持つ回転体の軸の周りに回転力(トルク) τ を与え、角速度 ω が変化したとき、 テンプレート:Indent で表される(図.24 (a-1)(a-2))。 電気回路では、インダクタンス L に電圧 v を印加したとき、電流を i とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.24 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、慣性モーメント I とインダクタンス L、トルク τ と電圧 v、角速度 ω と電流 i がそれぞれ対応していると考えることができ、図.24 (a-1)の状態を図.24 (c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

捻りバネ
図.25 捻りバネの等価回路

ばねの一端を固定し、他端に回転力(トルク) τ を加えたとき、ばねの回転コンプライアンスを Cθ、ねじれ角 θ は、 テンプレート:Indent で表される。角速度 ω は、 テンプレート:Indent となるので、トルク τ は、 テンプレート:Indent となる(図.25 (a-1)(a-2))。

電気回路では、静電容量 C に電圧 v を印加したとき、電荷を q、電流を i とすれば、 テンプレート:Indent であり、q=idt であるから、電圧 v は、 テンプレート:Indent で表される(図.25 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、回転コンプライアンス Cθ と静電容量 C、トルク τ と電圧 v、角速度 ω と電流 i、回転角 θ と電荷 q がそれぞれ対応していると考えることができ、図.25 (a-1)の状態を図.25 (c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

音響工学

図.26 音響抵抗の等価回路
音響抵抗

媒質が流動する通路中に、動きを妨げるように繊維を詰めたり隙間を設けたりすると粘性のために媒質の動きは妨げられる。

媒質を体積速度 U で運動させるために必要な圧力を δp とすると、下式が成り立つ。 テンプレート:Indent ここで、RA を音響抵抗とよぶ(図.26 (a-1)(a-2))。 電気回路では、電流を i、電圧を v、抵抗を R とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.26 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、音響抵抗 RA と抵抗 R、圧力 δp と電圧 v、体積速度 U と電流 i がそれぞれ対応していると考えることができ、図.26 (a-1)の状態を図.26 (c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

イナータンス
図.27 イナータンスの等価回路

寸法が波長に比べて小さく、両端が開放され、その空間内の媒質が体積一定のまま動く状態にあるとき、一方の断面面積 S に単位面積あたりに圧力 δp を加えるとき、媒質の質量を m、全体の速度を u とすれば、断面に加わる力は δpS となるので、 テンプレート:Indent 断面 S を横切る体積速度を U とすれば U=uS なので、上式を変形すると、 テンプレート:Indent ここで、イナータンス MAMA=mS2 と定義すれば、 テンプレート:Indent で表される(図.27 (a-1)(a-2))。 電気回路では、インダクタンス L に電圧 v を印加したとき、電流を i とすれば、 テンプレート:Indent で表される(図.27 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、イナータンス MA とインダクタンス L、圧力 δp と電圧 v、体積速度 U と電流 i がそれぞれ対応していると考えることができ、図.27 (a-1)の状態を図.27 (c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

音響コンプライアンス(音響容量)
図.28 音響コンプライアンスの等価回路

波長より寸法が小さい容積 W0 の空洞の口に、圧力 δp を加えたとき、中の媒質が圧縮されて容積が δW だけ減少したとする。空洞内の媒質の静止圧を p0、静止密度を ρ0、媒質の定圧比熱と定積比熱との比を γ、音速を c として、断熱変化であるとすれば、以下の近似式が成り立つ。 テンプレート:Indent この式を変形すれば、 テンプレート:Indent ここで、音響コンプライアンス(音響容量)を CA=W0c2ρ0 と定義すれば、 テンプレート:Indent となる。口部分を通過する媒質の体積速度 U は、 テンプレート:Indent である。したがって、圧力 δp は、 テンプレート:Indent となる(図.28 (a-1)(a-2))。

電気回路では、静電容量 C に電圧 v を印加したとき、電荷を q、電流を i とすれば、 テンプレート:Indent であり、q=idt であるから、電圧 v は、 テンプレート:Indent で表される(図.28 (b-1)(b-2))。

これらの式の対応から、音響コンプライアンス CA と静電容量 C、圧力 δp と電圧 v、体積速度 U と電流 i、容積 δW と電荷 q がそれぞれ対応していると考えることができ、図.28 (a-1)の状態を図.28 (c)に示す電気回路に変換することが可能になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

伝熱工学

図.29 2点の温度差間の熱流量と熱抵抗

伝熱工学における等価回路の適用は、熱流量 Q と電流 I熱抵抗 Rth と電気抵抗 R、熱容量 Cth と静電容量 C を対応させることができるテンプレート:Sfn

熱抵抗

2点の温度が T1T2 (T1>T2) であり、その間の熱流量が Q であるとき、熱抵抗 Rth は、 テンプレート:Indent で定義される。熱抵抗は熱伝達率の逆数であり、熱の伝わりにくさを表すテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

これは、電気回路における2点の電位 V1V2(V1>V2)に流れる電流 I と電気抵抗 R の関係、

テンプレート:Indent

に対応している(図.29)。 テンプレート:-

熱容量

伝熱において、定常状態では熱抵抗のみを考慮すれば良いが、発熱源の発熱量が変化するなどの過渡的な状態では対象となる物質の熱容量によって温度に時間的な変化が生じるテンプレート:Sfn

熱容量 Cth は、熱量 ΔQ を与えたときに上昇する温度を ΔT とすれば、 テンプレート:Indent であるテンプレート:Sfn

これは、電気回路における静電容量 C と、電荷 q、電位差 V の関係 テンプレート:Indent と同形式である。ここで、電荷 q と熱量 ΔQ が対応しテンプレート:Sfn、それぞれを時間積分したものが、電流 i、熱流量 Q に対応する。 テンプレート:-

熱回路網

図.30 定常状態の熱抵抗回路

熱回路網とは、温度、熱源、熱抵抗、熱容量の関係を回路図としてモデル化したものであるテンプレート:Sfn。電気回路の場合と同様の計算で解くことが出来る。

単純な例として、2点の温度(T1 - T2)間に異なる2種の熱抵抗 Rth1Rth2 の物質があることを想定する。このとき、2点間に対して直列に層をなしている場合は各熱抵抗を加算したものが合成熱抵抗となり、Rth=Rth1+Rth2 となる(図.30 (a))。また、2点間に対して並列に層をなしている場合は、1Rth=1Rth1+1Rth2 となる(図.30 (b))。したがって、Rth=Rth1Rth2Rth1+Rth2 である。

いずれも、電気回路における抵抗の直列接続、並列接続の場合と同様に計算できるテンプレート:Sfnテンプレート:-

図.31 熱抵抗と熱容量による過渡熱抵抗等価回路

熱容量が無視できない過渡状態では、熱抵抗と熱容量を回路として用い、過渡熱インピーダンスと呼ぶテンプレート:Sfn。過渡熱インピーダンスのモデルとしては、ラダー型のCauerモデル(図.31 (a))テンプレート:Refnest、チェーン型のFosterモデル(図.31 (b))があるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。ただし、熱抵抗、熱容量のいずれも材質や形状などが理想状態からずれることが多く、モデリングの合わせ込みが必要となるテンプレート:Sfnテンプレート:Refnestテンプレート:-

磁気回路

図.32 磁気回路と電気回路

例えば、電磁石のように鉄芯にコイルを巻いて電流を流すことで磁束を発生させることを考えたとき、磁束の通る磁路を磁気回路という(図.32 (a))テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

磁束 ϕ を発生させる力を起磁力 とよび、コイルの巻数 N とコイルに流す電流 i から テンプレート:Indent となる。また、磁路の平均長を 𝑙、断面積を S とし、透磁率を μ としたとき、磁気抵抗(リラクタンス) は、 テンプレート:Indent であるテンプレート:Refnest。磁束 ϕ は起磁力 に比例し、磁気抵抗 に反比例するので、これらのの関係は、 テンプレート:Indent となり、図.32 (b)のような回路に置き換えることができる。また、この式は、電気回路における電流 i、電圧 E、電気抵抗 R との関係(オームの法則テンプレート:Indent と同形式(図.32 (c))であり{ϕiER という対応になるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnので、磁気回路におけるオームの法則とも呼ばれる。

また、磁気回路におけるオームの法則と同様に、磁気回路におけるキルヒホッフの法則も成立するテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

ただし、電気回路の場合は電気抵抗は線形素子として扱えるが、磁気回路の場合は透磁率が磁束の大きさによって変化するため非線形となるので注意を要するテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

生体

生体のインピーダンスを測定ないしは推定することにより、心循環系、呼吸系、体組成などの状態を推定したり診断情報として利用することが行われるテンプレート:Sfn

生体インピーダンス

図.33 生体インピーダンスの等価回路

体組織の解析や生体運動の解析を行う上で、人体を抵抗成分や静電容量成分などから構成される生体インピーダンスとして解析する手法があるテンプレート:Sfn

簡単な例では、生体組織が細胞細胞外液から構成され、細胞が細胞膜細胞内液から構成されることから、細胞膜が持つ静電容量成分、細胞内液・細胞外液が持つ抵抗成分の回路網として表すことができる(図.33 (a)テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn、(b)テンプレート:Sfn)。この等価回路を用いて体組成計における体脂肪率等の計測が行われるテンプレート:Sfn

なお、図.33 の2つの等価回路では、それぞれの素子の抵抗値、静電容量を適切に設定することで特性は一致するテンプレート:Refnestテンプレート:-

ウィンドケッセルモデル

循環器医学におけるウィンドケッセルモデルは、心臓拍動による動脈血血圧波形を説明するために導入されたモデルである。大動脈を収縮する槽、末梢血管を一定の流路抵抗を持つとみなすことを基本としているテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn

最も簡単なモデルでは、動脈のコンプライアンスと末梢血管の抵抗を模擬し、2要素モデルとよばれる(図.35 (a))。心臓の拍動圧を P、血液の流量を Q とする。

2要素モデルに大動脈の流路抵抗 Zc を加味したモデルを、3要素モデルという(図.35 (b))。

さらに、血流の慣性力 L を加味すると、4要素モデルになる(図.35 (c))。 テンプレート:-

ホジキン-ハクスリー・モデル

図.36 神経繊維膜の電気的等価回路(ホジキン-ハクスリー・モデル)

アラン・ロイド・ホジキンアンドリュー・フィールディング・ハクスリーは、イカの巨大軸索神経活動電位伝搬の研究により、神経繊維膜の電気的等価回路(テンプレート:仮リンク)を提唱した。これは、神経の活動電位伝搬はナトリウムイオンカリウムイオンが担っていることを明らかにしたものであるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Efn

図.36 において、神経繊維膜の膜電位(E)と膜の外部から内部へ流れる電流(I)との関係は、膜の間に存在するイオンの平衡電位(ナトリウムイオン(ENa)、カリウムイオン(EK)、その他塩化物等イオン(EL))とそれぞれのイオンチャネルの抵抗(RNaRKRL)、膜間の静電容量(CM)で決まる。ここで、抵抗成分RNaRKは可変抵抗で表され、膜電位はこれらチャネル抵抗の変化によることで説明ができる テンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:-

脚注

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注釈

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出典

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参考文献

書籍
Web


関連項目

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