非圧縮性

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テンプレート:Otheruses テンプレート:連続体力学 連続体力学における非圧縮性(ひあっしゅくせい、テンプレート:Lang-en)とは、連続体の密度変形の前後で変化しないような性質を表す。連続体力学では質量保存則を考えるため、密度が一定であるならば体積も一定となる。非圧縮性を有する材料として、流体では河川を流れる音速を超えない範囲で運動している空気が挙げられる。これらを総称して、非圧縮性流体と呼んでいる。一方で、固体の場合は、ゴムに代表される超弾性体降伏した金属などのような塑性体が挙げられる。

非圧縮性の定式化

図1.連続体の変形

連続体力学では、次に示す変形勾配テンソルFを用いて連続体の変形を考える。以後、使用する文字は図1に合わせた。 テンプレート:Indent ここで、𝒙は変形形状κt内の位置を表し、𝑿は基準形状(変形なし形状)κ0内のもとの位置を表す。

さらに体積変化率Jと変形勾配テンソル𝑭に次の関係があることを利用する。 テンプレート:Indent ここで、dvは変形形状κt内の微小六面体要素の体積を表し、dVは基準形状(変形なし形状)κ0内の微小六面体要素の体積を表す。非圧縮性とは上記の体積変化率Jが1であることに等しい、すなわち次のように定式化できる。 テンプレート:Indent

流体力学との関連性

テンプレート:See also 非圧縮性流体の基礎方程式のひとつに、次に示す連続の式がある。 テンプレート:Indent これは、質量保存則および密度が一定であることを利用して導き出されるが、次のように体積変化率J物質微分(物質時間導関数)を考えることでも導き出される。 テンプレート:Indent 上式にJ=1DJDt=0を代入することで、連続の式が得られる。

なお、流体が非圧縮性であるか否かは流体の物性ではなく、流れの性質、具体的にはマッハ数による[1]

固体力学との関連性

固体力学において、体積ひずみという概念がある。ここでは、体積ひずみϵV体積変化率Jとの関連性について述べ、非圧縮性のもとで体積ひずみが0となることを示す。

変形勾配テンソル𝑭は、変位勾配テンソル𝑯と恒等テンソル𝑰を用いると次のように表される。 テンプレート:Indent ここで、変形勾配テンソル𝑯テンプレート:Indent である。𝒖は変位を表す。

変形勾配テンソル𝑭の各要素は変位勾配テンソル(の成分)Hijを用いると、以下の様に表される。 テンプレート:Indent よって、体積変化率Jを変位勾配テンソルHijで表すと、下の式を得る。 テンプレート:Indent

ここで、H(2) および H(3)は変位勾配の2次の項と3次の項を表す。非圧縮性であることから、J=1とすると、結局次の式を得る。 テンプレート:Indent

微小変形を考えると、H(2)H(3)が無視でき、 テンプレート:Indent となるため、次の式を得る。 テンプレート:Indent

上記のように、非圧縮性から体積ひずみが0となることが示された。

参考文献

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関連項目