「根と係数の関係」の版間の差分

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2024年12月17日 (火) 11:32時点における最新版

根と係数の関係(こんとけいすうのかんけい)は、多項式における係数全体と全体の間に成り立つ関係を、係数上の式で表したものである。英語ではフランソワ・ビエト(ビエタ)に因み、Vieta's formulas と言われる。

テンプレート:Mvar に関する テンプレート:Mvar 次式

テンプレート:Math

の根を テンプレート:Math2 とする。(このとき テンプレート:Math である)

sk(n):=1i1<<iknαi1αik

とおくとき、

sk(n)=(1)kankan(k=1,,n)

が成り立つ。これを根と係数の関係という。

sk(n)テンプレート:Math2 に関する テンプレート:Mvar基本対称式である。

特に次の式が成り立つ。

α1++αn=an1an
α1αn=(1)na0an

不変式論の定理である。

次数ごとの例

二次式

テンプレート:Mvar についての二次式

f(x)=ax2+bx+c

の根を テンプレート:Math2 とする。因数定理より

f(x)=a(xα)(xβ)

であるから、展開して係数を比較すると

{α+β=baαβ=ca

を得る。

初等数学において、因数定理や代数学の基本定理を習っていない場合、二次方程式の解の公式から解と係数の関係を導くという方法がとられることがある。

三次式

テンプレート:Mvar についての三次式

g(x)=ax3+bx2+cx+d

の根を テンプレート:Math2 とする。因数定理より

f(x)=a(xα)(xβ)(xγ)

であるから、展開して係数を比較すると

{α+β+γ=baαβ+βγ+γα=caαβγ=da

が三次の場合として成り立つ。

四次式

テンプレート:Mvar についての四次式

g(x)=ax4+bx3+cx2+dx+e

の根を テンプレート:Math2 とする。因数定理より

f(x)=a(xα)(xβ)(xγ)(xδ)

であるから、展開して係数を比較すると

{α+β+γ+δ=baαβ+αγ+αδ+βγ+βδ+γδ=caαβγ+αβδ+αγδ+βγδ=daαβγδ=ea

が四次の場合として成り立つ。

高次

5次以上の多項式には根の公式は存在しない(アーベル-ルフィニの定理)が、同様に根と係数の関係が成り立つ。

証明

テンプレート:Mvar に関する テンプレート:Mvar 次式を

テンプレート:Math

とする。

代数学の基本定理より、テンプレート:Math複素数の範囲で根を少なくとも1つ持つ。それを テンプレート:Math とする。

因数定理より、

テンプレート:Math

と表せる。テンプレート:Mathテンプレート:Math 次式である。

テンプレート:Math に対して、同様に代数学の基本定理、因数定理を適用し、これを繰り返すと、

テンプレート:Math

右辺を展開し、元の式と係数比較をすると

sk(n)=(1)kankan(k=1,,n)

が成り立つ。■

関連項目

外部リンク

テンプレート:多項式