カタランの定数

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数学において、カタランの定数 テンプレート:Mvar(カタランのていすう、テンプレート:Lang-en)とは、ディリクレベータ函数 テンプレート:Mvar を用いて以下のように定義される定数である。

G=β(2)=n=0(1)n(2n+1)2=112132+152172+192,

その数値[1]はおよそ

テンプレート:Math

とされる(テンプレート:OEIS)。

テンプレート:Unsolved テンプレート:Mvar無理数超越数なのかは未だに分かっていない[2]テンプレート:Mvar は「無理数や超越数であるかどうかが(そうであると強く推測されながらも)今だ明らかでない最も基礎的な定数」だと言われている[3]

カタランの定数は、級数の数値計算のために素早く収束する級数を発見し[4]1865年にその回顧録を出版したウジェーヌ・カタランに因んで名付けられた[5]

適用事例

既知の桁

カタランの定数 テンプレート:Mvar の既知の桁数は、ここ数十年で飛躍的に増加した。これはコンピュータの性能の向上およびアルゴリズムの改善によるものである[14]

十進法でのカタランの定数 テンプレート:Mvar の既知桁数
日付 十進法での桁数 計算者
1832年 16 トーマス・クラウゼン
1858年 19 Carl Johan Danielsson Hill
1864年 14 ウジェーヌ・シャルル・カタラン
1877年 20 ジェームズ・W・L・グレーシャー
1913年 32 ジェームズ・W・L・グレーシャー
1990年 テンプレート:Val Greg J. Fee
1996年 テンプレート:Val Greg J. Fee
1996年8月14日 テンプレート:Val Greg J. Fee & サイモン・プラウフ
1996年9月29日 テンプレート:Val Thomas Papanikolaou
1996 テンプレート:Val Thomas Papanikolaou
1997 テンプレート:Val Patrick Demichel
1998年 テンプレート:Val Xavier Gourdon
2001年 テンプレート:Val Xavier Gourdon & Pascal Sebah
2002 テンプレート:Val Xavier Gourdon & Pascal Sebah
2006年10月 テンプレート:Val 近藤茂 & Steve Pagliarulo[15]
2008年8月 テンプレート:Val 近藤茂 & Steve Pagliarulo[14]
2009年1月31日 テンプレート:Val Alexander J. Yee & Raymond Chan[16]
2009年4月16日 テンプレート:Val Alexander J. Yee & Raymond Chan[16]
2015年6月7日 テンプレート:Val Robert J. Setti[17]
2016年4月12日 テンプレート:Val Ron Watkins[17]
2019年2月16日 テンプレート:Val Tizian Hanselmann[17]
2019年3月29日 テンプレート:Val Mike A & Ian Cutress[17]
2019年6月16日 テンプレート:Val Seungmin Kim[18][19]
2020年9月6日 テンプレート:Val Andrew Sun[20]

積分表示

Seán Stewart が述べたように、「カタランの定数と等しい、あるいはカタランの定数で表現できる定積分は非常に多く、いくらでも存在するかのようである」[21]。そのうちいくつかを以下に示す。 G=1πi0π2lnlntanxlntanxdxG=[0,1]211+x2y2dxdyG=0101x11x2y2dydxG=1lnt1+t2dt=01lnt1+t2dtG=0π4tsintcostdt=120π2tsintdt=140π2/4csctdtG=0π4lncottdt=π4π2lntantdt=0π4lntantdtG=120π2ln(sect+tant)dt=120π2gd1tdtG=01arccost1+t2dtG=01arcsinht1t2dtG=120arctantt1+t2dtG=0arccotetdt=120(gdt+π2)dtG=116(π2+41arccsc2tdt)G=120tcoshtdtG=π21(t46t2+1)lnlnt(1+t2)3dtG=1+limα1{0α(1+6t2+t4)arctantt(1t2)2dt+2artanhαπα1α2}G=1182xsin(2xy/π)(x2+π2)coshxsinhydxdyG=00x4(xy1)(x+1)2y4(y+1)2log(xy)dxdy

このうち、最後の3式はテンプレート:仮リンクの積分と関連している[22]

テンプレート:Math を楕円率 テンプレート:Mvar の函数とした第一種完全楕円積分とすると、次の式が成り立つ。 G=1201K(k)dk

テンプレート:Math を楕円率 テンプレート:Mvar の函数とした第二種完全楕円積分とすると、次の式が成り立つ。 G=12+01E(k)dk

ガンマ函数 テンプレート:Math を用いて G=π401Γ(1+x2)Γ(1x2)dx=π2012Γ(1+y)Γ(1y)dy

次の積分はテンプレート:仮リンクとして知られる特殊函数であり、シュリニヴァーサ・ラマヌジャンによって詳しく研究された。 G=Ti2(1)=01arctanttdt

他の特殊函数との関係

テンプレート:Mvarテンプレート:仮リンクとして知られる第二ポリガンマ函数の分数変数に対応する従属変数として現れる。 ψ1(14)=π2+8Gψ1(34)=π28G

サイモン・プラウフはトリガンマ函数、テンプレート:Math およびカタランの定数の間で成立する(グラフ上のとして表現可能な)無限個の恒等式を与えている。

カタランの定数はクラウゼン函数テンプレート:仮リンク逆正弦積分、[[バーンズのG関数|バーンズの テンプレート:Mvar 函数]]などとの関係や、前述の函数を用いた積分・級数においてよく現れる。

一例として、テンプレート:仮リンクを閉じた形(つまりはクラウゼン函数)で表し、そのクラウゼン函数をバーンズの テンプレート:Mvar 函数で表すことで次の式が得られる。 G=4πlog(G(38)G(78)G(18)G(58))+4πlog(Γ(38)Γ(18))+π2log(1+22(22))

テンプレート:仮リンクと関連したレルヒ超越函数 テンプレート:Mathテンプレート:Lang-en)を Φ(z,s,α)=n=0zn(n+α)s と定義すると、次の関係が成り立つ。 G=14Φ(1,2,12)

収束の早い級数

以下の2公式は収束の早い級数を含んでおり、数値計算に適している。 G=3n=0124n(12(8n+2)2+122(8n+3)2123(8n+5)2+123(8n+6)2124(8n+7)2+12(8n+1)2)2n=01212n(124(8n+2)2+126(8n+3)2129(8n+5)21210(8n+6)21212(8n+7)2+123(8n+1)2) G=π8log(2+3)+38n=01(2n+1)2(2nn) 2公式の理論的基盤はそれぞれブロードハースト[23](Broadhurst)およびラマヌジャン[24]によって与えられている。カタラン定数の早い評価アルゴリズムはE・カラツバ(Karatsuba)によって構築された[25][26]。これらの級数を用いることで、今日ではアペリーの定数 テンプレート:Math に匹敵する速さでカタランの定数を計算できる[27]

以下は Guillera および Pilehrood によるテンプレート:仮リンクを利用した級数である[27]

G=12k=0(8)k(3k+2)(2k+1)3(2kk)3
G=164k=1256k(580k2184k+15)k3(2k1)(6k3k)(6k4k)(4k2k)
G=11024k=1(4096)k(45136k457184k3+21240k23160k+165)k3(2k1)3((2k)!6(3k)!3k!3(6k)!3)

これらのテンプレート:仮リンクテンプレート:Math となる[27]

連分数

テンプレート:Mvar は次のように表せられる[28]

G=11+148+3416+5424+7432+9440+

より単純な連分数表記を以下に示す[29]

G=11+110+11+18+11+188+

この連分数の項が無限個存在することは テンプレート:Mvar が無理数であることと同値であり、未解決のままである。

関連項目

脚注

テンプレート:Reflist

関連文献

外部リンク