ボーア半径
ボーア半径(ボーアはんけい、テンプレート:Lang-en-short)は、ボーアの原子模型における、水素原子の第一軌道半径を表す物理定数である[1]。原子、電子のようなミクロなスケールを扱う量子論、原子物理学、量子化学などの分野において用いられる原子単位系において、ボーア半径は一貫性のある長さの単位として用いられる。 名称はデンマークの原子物理学者ニールス・ボーアに由来する。記号は一般に テンプレート:Math や テンプレート:Math で表される。
ボーア半径をSI単位のメートルで表した値は テンプレート:Indent である(2022 CODATA推奨値[2])。ボーア半径は原子単位系における長さの単位であり、長さの原子単位で表した値は テンプレート:Indent である。
ボーア半径は、ボーアの原子模型で記述される水素原子において、基底状態にある電子の軌道半径で定義され テンプレート:Indent で表される。ここで、テンプレート:Mvar はプランク定数(ディラック定数)、テンプレート:Mvar は真空中の光速度、テンプレート:Math は真空における特性インピーダンス、テンプレート:Mvar は電気素量、テンプレート:Math は電子質量である。
国際量体系(ISQ)においては、電気定数 テンプレート:Math により テンプレート:Math で表されるので テンプレート:Indent となり、ガウス単位系は テンプレート:Math とする量体系に基づいているので テンプレート:Indent となる。
ボーア半径は長さの次元を持つ物理定数である電子のコンプトン波長 テンプレート:Math、および古典電子半径 テンプレート:Math とは テンプレート:Indent で関係付けられる。ここで テンプレート:Mvar は微細構造定数である。 また、リュードベリ定数 テンプレート:Math と微細構造定数 テンプレート:Mvar により テンプレート:Indent で表される。リュードベリ定数と微細構造定数の値は精度よく測定されており、ボーア半径の値はこれら二つの定数の測定値から導かれる。