三角関数の部分分数展開

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

テンプレート:出典の明記 数学において、三角関数は以下のように部分分数に展開される。

πcotπz=limNn=NN1z+n=1z+n=12zz2n2
πtanπz=limNn=NN1z+12+n=n=02zz2(n+12)2
πsinπz=limNn=NN(1)nz+n=1z+n=1(1)n2zz2n2
πcosπz=limNn=NN(1)nz+12+n=n=0(1)n(2n+1)z2(n+12)2

証明

無限積を用いた証明

sinπz=πz(1z2)(1z2/4)(1z2/9)..

より

lnsinπz=lnπ+ln(1z2)+ln(1z2/4)+ln(1z2/9)+..

両辺を微分し

πcosπzsinπz=1z2z1z22z/41z2/42z/91z2/9..

これより

πcotπz=1z+n=12zz2n2

が得られる。また

1sinπz+cotπz=cot(πz/2)

より

πsinπz=1z+n=1(1)n2zz2n2

が得られる。

リウヴィルの定理を用いた証明

初めに余接関数の部分分数展開について示す。 そのために、

f(z)=πcotπz(1z+n=12zz2n2)

として、恒等的にf(z)=0であることを確かめる。z0の極限において

πcotπz=πcosπzsinπz=π1+𝒪(z2)πz+𝒪(z3)=1z+𝒪(z)

であるからf(0)は除去され、f(z+1)=f(z)であるから実軸上に並ぶ他の極も除去される。従って、f(z)|z|<において有界である。z=x+iyと書き

limy|πcotπz|=limy|cosπxcoshπy+isinπxsinhπysinπxcoshπy+icosπxsinhπy|limy|cosπxcoshπy+isinπxcoshπysinπxsinhπy+icosπxsinhπy|=limy|cosπx+isinπxsinπx+icosπx|=1

|x|12<|y|を仮定すれば

|n=12zz2n2|n=1|2(x+iy)x2y2+2ixyn2|n=1|1+2|y|n2+|y|214|n=0|1+2|y|n2+|y|214|dn

tanθ=n|y|214の置換により

|n=12zz2n2|1+2|y||y|214π2

となるから、f(z)|z|12において有界であるが、f(z+1)=f(z)であるから複素平面全体においても有界である。従って、リウヴィルの定理によりf(z)=f(0)=0である。

他の関数については

πtanπz=πcotπ(z+12)=limNn=NN1z+12+n=n=02zz2(n+12)2
cotθ+tanθ=cos2θ+sin2θsinθcosθ=2sin2θ
πsinπz=12cotθ2+12tanθ2=limN12n=NN2z+2n12n=NN2z+2n+1=limNn=NN(1)nz+n=1z+n=1(1)n2zz2n2
πcosπz=πsinπ(z+12)=limNn=NN(1)nz+12+n=n=0(1)n(2n+1)z2(n+12)2

円周率の公式

余接関数の部分分数展開の両辺を微分して比較することにより

n=11n2=π26

が導かれる。(→バーゼル問題

limz0ddzπcotπz=π2sin2πz=π2(πz16(πz)3+O(z5))2=π2(πz)213(πz)4+O(z6)=1z213π2+O(z2)
limz0ddz(1z+n=12zz2n2)=1z2+n=12z2n2n=14z2(z2n2)2=1z2n=12n2+O(z2)

出典

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

注釈

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Notelist2

関連項目