特異値
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数学の線型代数学分野において、行列 テンプレート:Mvar の特異値(とくいち、テンプレート:Lang-en-short)とは、テンプレート:Mvar の随伴行列 テンプレート:Mvar との積 テンプレート:Mvar の固有値の非負の平方根のことであるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:要ページ番号。
定義
以下、
- 行列 テンプレート:Mvar の随伴行列を テンプレート:Mvar
- 行列 テンプレート:Mvar の固有値を テンプレート:Math
- 行列 テンプレート:Mvar の特異値を テンプレート:Math
と表記する。
冒頭部の定義を数学記号で書くと次のようになる。
特異値は テンプレート:Math の行列に対して定義される(固有値は テンプレート:Math の正方行列でのみ定義される)。
行列 テンプレート:Mvar の性質
- 行列 テンプレート:Mvar は テンプレート:Math のエルミート行列(あるいは対称行列)であり、かつ半正定値行列である。つまり、任意の テンプレート:Mvar 次元の零でないベクトル テンプレート:Mvar について以下の条件を満たす。
- 行列 テンプレート:Mvar は テンプレート:Math のエルミート行列(あるいは対称行列)であり、かつ半正定値行列である。つまり、任意の テンプレート:Mvar 次元の零でないベクトル テンプレート:Mvar について以下の条件を満たす。
よって、
- すべての固有値 テンプレート:Math および テンプレート:Math は非負の実数 テンプレート:Math となる。
- 半正定値平方根行列がただひとつだけ存在する。
特異値の性質
注意事項: 行列式やトレースなどは正方行列に対して定義されるので テンプレート:Math の行列 テンプレート:Mvar に直接適用してはならない。
- 特異値 テンプレート:Math はすべて非負の実数 テンプレート:Math
- テンプレート:Efn
- 行列 テンプレート:Mvar が テンプレート:Math の正方行列の場合には以下が成り立つ。
- テンプレート:Efn
- ワイルの不等式
- 行列 テンプレート:Mvar が テンプレート:Math の正規行列の場合には以下が成り立つ。
- 特異値は固有値の絶対値に等しい。
- 行列 テンプレート:Mvar が テンプレート:Math の半正定値対称行列の場合には以下が成り立つ。
- 特異値は固有値に等しい。
- の特異値をとして、
と並べるとき、Banach代数の分野で知られた公式(Gelfand, 1941)テンプレート:Sfnテンプレート:要ページ番号:
の一般化として、
が成り立つ[1]。この公式はヒルベルト空間上のコンパクト作用素に対しても成立する[2]。
脚注
出典
注釈
参考文献
- James Bisgard: "Analysis and Linear Algebra: The Singular Value Decomposition and Applications", AMS, ISBN 978-1-4704-6332-8 (2021).