Arithmetica Universalis

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Arithmetica Universalis の標題紙。1707年出版。
ラフソンによる英語版。1720年出版。

テンプレート:Langテンプレート:Lang-en-short, 普遍算術、ふへんさんじゅつ)はアイザック・ニュートンによる数学書。原文はニュートンの講義ノートを基にラテン語で書かれ、ニュートンのケンブリッジ大学ルーカス教授職の後任であるウィリアム・ホイストンによって編集、1707年に初版が出版された。

ジョゼフ・ラフソンによる英訳版は1720年に、テンプレート:En として出版された。また、ラテン語第二版はジョン・マチンによって1722年に出版されている。

ニュートン自身は テンプレート:Lang の出版に不満を持っており、彼の名前が記されることを頑なに拒否したため、これらの版のいずれもニュートンの名は著者として記されていない。 実際、ホイストンによる初版が出版されたときニュートンは非常に狼狽し、刊行されたものすべてを買い占め、処分することを考えたという。

テンプレート:Lang には代数における記法、算術、幾何学代数学の関係、方程式の解についてが記されている。ニュートンはデカルトの符号法則複素数根について適用し、代数方程式の複素数根の個数が符号律から決まることを、証明なしに要請している。150年間、このニュートンの方法に厳密な証明が与えられることはなかった(ジェームス・ジョセフ・シルベスターによる証明は1865年テンプレート:En のことか)。

代数方程式の解について

以下に複素数根の個数について該当する記述を引用する[1]

テンプレート:Quotation この部分を日本語訳すると以下のようになる[注 1]

 百十九. 方程式が不可能な根 (複素数根, テンプレート:En) を持たなければ、正の根 テンプレート:En と負の根の個数はその方程式の各項の符号から分かるだろう。正の根は、符号の列が テンプレート:Math から テンプレート:Math、または テンプレート:Math から テンプレート:Math へ変化する数だけあり、残りは負の根である。 方程式 テンプレート:Math2 について、各項に対する符号を テンプレート:Math2 というように並べると、符号の変化は一番目 テンプレート:Math から二番目 テンプレート:Math、三番目 テンプレート:Math から四番目 テンプレート:Math、四番目 テンプレート:Math から五番目 テンプレート:Math にあり、すなわち正の根が 3 つあり、従って 4 つ目の根は負である。しかし方程式が不可能な根を持つ場合には、それらの不可能な根が、正でも負でもなく曖昧なもの テンプレート:En となり得る限りは、この規則は力を持たない。例えば、方程式 テンプレート:Math2 は、符号より 1 つの正の根と 2 つの負の根を持つ。ここで テンプレート:Math、あるいは テンプレート:Math、として先の方程式に掛けると、方程式の正の根は 1 つ増え、次の方程式が得られる。

x4px3+p2x2(6p3+q)x+2pq=0,

この方程式は 2 つの正の根と 2 つの負の根を持たなくてはならないが、符号の変化から判断するには、4 つの正の根を持つことになる。従って、符号の曖昧さから、2 つの不可能な根があって、それらは初めの方程式においては負であり、後の方程式では正である。 しかし、この規則から、いくつの根が不可能であるかをまったく知ることができるだろう。

ニュートン算

ニュートン算 (Newton's pasturage problem) と呼ばれる算術問題は、テンプレート:Lang に収録されている問題に由来する。 問題文は次の通りである[2]

原文 (英語) : テンプレート:Quotation 日本語訳 :

 問十一. テンプレート:Mvar 頭の牛は テンプレート:Mvar の牧草地を テンプレート:Mvar の時間のうちに食べ尽くし、テンプレート:Mvar 頭の牛は テンプレート:Mvar の牧草地を テンプレート:Mvar の時間のうちに食べ尽くす。また牧草は一様に育つものとする。牛が テンプレート:Mvar の牧草地を テンプレート:Mvar の時間のうちに食べ尽くすには何頭いればよいか求めよ。

この直後には、ニュートンによる問題の解説と例題が書かれている。内容は次の通りである。

解説文原文 (英語) : テンプレート:Quotation 日本語訳 :

 テンプレート:Mvar 頭の牛が テンプレート:Mvar の時間のうちに テンプレート:Mvar の牧草地を食べ尽くすなら、それぞれの数の比から、牧草が時間 テンプレート:Mvar の後には少しも成長しないとして、テンプレート:Math 頭の牛は同じく テンプレート:Mvar の時間のうちに、テンプレート:Math 頭の牛は テンプレート:Mvar の時間のうちに、また テンプレート:Math 頭の牛は テンプレート:Mvar の時間のうちに、テンプレート:Mvar の牧草地を食べ尽くすだろう。しかし牧草が育つことによって、テンプレート:Mvar 頭の牛だけが テンプレート:Mvar の時間のうちに テンプレート:Mvar の牧草地を食べ尽くすことができて、テンプレート:Mvar の牧草地の牧草が、時間 テンプレート:Math の間に育つことにより、テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Mvar の時間のうちに食べ尽くせる分だけが育ち、それは テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Mvar の時間のうちに食べ尽くせるだけと同じ量である。更に比の関係から、テンプレート:Math の時間に テンプレート:Math 割る テンプレート:Math つまり テンプレート:Math 頭の牛が食べ尽くせるだけの牧草が育つ。この増加分を テンプレート:Math 頭の牛に加えると、テンプレート:Mathテンプレート:Mvar の牧草地を テンプレート:Mvar の時間のうちに食べ尽くす牛の頭数である。 そして比から テンプレート:Mvar の牧草地を同じ時間 テンプレート:Mvar の間に食べ尽くす牛の数は テンプレート:Math であることが求まる。

例題原文 (英語版) : テンプレート:Quotation 日本語訳 :

例題. テンプレート:Math 頭の牛は テンプレート:Mathテンプレート:Math エーカーの牧草地を テンプレート:Math 週間で食べ尽くし、テンプレート:Math 頭の牛は テンプレート:Math エーカーの牧草地を テンプレート:Math 週間で食べ尽くすとする。テンプレート:Math エーカーの牧草地を テンプレート:Math 週間で食べ尽くす牛の頭数はいくらか。  答え テンプレート:Math 頭。求める数は テンプレート:Mathテンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar をそれぞれ テンプレート:Math, テンプレート:Sfrac, テンプレート:Math, テンプレート:Math, テンプレート:Math, テンプレート:Math, テンプレート:Math, テンプレート:Math に置き換えることで得られるだろうが、しかし、前述の文字式の解を求めるのとおそらくは同様の手間で、第一原理から解を導くこともできるだろう。テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Math 週間で テンプレート:Mathテンプレート:Math エーカーの牧草地を食べ尽くすなら、牧草が育たないことを仮定すれば、数の比から テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Math 週間で、テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Math 週間で、テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Math 週間で、テンプレート:Math エーカーの牧草地を食べ尽くすことになる。しかし牧草が育つことにより、テンプレート:Math 頭の牛だけが テンプレート:Math 週間で テンプレート:Math エーカーの牧草地を食べ尽くすことができ、テンプレート:Math 週間で テンプレート:Math エーカーの牧草地に育つ牧草は テンプレート:Math 頭の牛が食べ尽くす分、つまり テンプレート:Math 頭の内の テンプレート:Math 頭が テンプレート:Math 週間に食べる分を除いた余りと同じだけあり、また同じことだが、テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Math 週間で食べる分と同じである。更に テンプレート:Math 週間(テンプレート:Math 週間から初めの テンプレート:Math 週間を除いた余り)に増える牧草の量は、テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Math 週間に食べるだけと同じであることも推察できる。テンプレート:Math 頭の牛は牧草の育った分だけを食べ、テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Math 週間以降に育った牧草以外を食べ、これらを合わせると牛の頭数は テンプレート:Math になる。そして最後に、テンプレート:Math エーカーの牧草地を テンプレート:Math 頭の牛が テンプレート:Math 週間で食べ尽くすなら、比によって、テンプレート:Math エーカーの牧草地を テンプレート:Math 頭の牛は同じ時間で食べ尽くすことが分かる。

1769年英語版の目次

[表題] - [節番号(Article Numb.)]

  • Part I
    • Notation (記法) - I.
    • Addition (加法) - XVIII.
    • Subtraction (減法) - XXV.
    • Multiplication (乗法) - XXVIII.
    • Division (除法) - XXXIV.
    • Extraction of Roots (開法) - XLI.
    • Reduction of Fractions (約分) - XLVIII.
    • Invention of Divisors (約数) - XLIX.
    • Reduction of Fractions to a common Denominator (通分) - LIX.
    • Reduction of Radical Quantities (冪根の簡約化) - LX.
      • to their least Terms - LX.
      • to the same Denominator - LXI.
      • to more simple Radicals, by the Extraction of Roots - LXII.
    • Forms of Equations - LXV.
    • Reduction of Final Equations - LXVII.
      • ordering a Single or Final Equation - LXVII.
    • Reduction of Medial Equations - LXXV.
      • Transformation of two or more Equations into one, in order to exterminate the unknown Quantities - LXXV.
      • Extermination of an unknown Quantity by Equality of its Values - LXXVI.
      • Extermination of an unknown Quantity, by substituting its Value for it - LXXVII.
      • Extermination of an unknown Quantity of several Dimensions in each Equation - LXXVIII.
      • Method of taking away any number of Surd Quantities out of Equations - LXXXI.
    • Resolution of Arithmetical Questions - LXXXII.
      • How a Question may be brought to an Equation - LXXXII.
        • 16 Problems
    • Resolution of Geometrical Questions - LXXXIII.
      • How Geometrical Questions may be reduced to Equations - LXXXIII.
        • 61 Problems
  • Part II
    • Nature of the Roots of Equations - CX.
    • Transmutations of Equations - CXXIII.
    • Limits of the Roots of Equations - CXXXII.
    • Reduction of Equations by Surd Divisors - CXL.
  • Appendix
    • Linear Construction of Equations
    • Roots of Numeral Equations by their Limits (by Colin Maclaurin)
    • Method of Series by which you may approximate to Roots of Literal Equations (by Colin Maclaurin)
    • Measures of Ratios (by James Maguire)

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

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  1. 1769年の英語版より引用。
  2. 1720年の英語版より引用。


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