「気体定数」の版間の差分

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Rの由来
 
(相違点なし)

2024年7月29日 (月) 08:32時点における最新版

テンプレート:物理定数

気体定数(きたいていすう、テンプレート:Lang-en-short[1])は、理想気体の状態方程式における定数として導入される物理定数である[2]。理想気体だけでなく、実在気体液体における量を表すときにも用いられる。 理想気体の多寡を物質量で表す場合は、気体定数は気体の種類に依らない普遍定数であり、特に普遍気体定数(テンプレート:En)やモル気体定数テンプレート:En)と呼び分けられる。理学系、特に物理学において気体定数と呼ぶ場合は、基本的にモル気体定数を指している。これに対して、理想気体の多寡を質量で表す場合は、比気体定数(テンプレート:En)と呼ばれる。

気体定数の測定法としては、低圧の領域で状態方程式から計算する方法もあるが、低圧で音速測定を行い、そこから求めるほうが正確に得られる[2]

モル気体定数は、ボルツマン定数 テンプレート:Mvarアボガドロ定数 テンプレート:Math の積である。2019年5月20日に発効したSIの再定義において、ボルツマン定数とアボガドロ定数はSIを定義する定義定数として位置付けられ、これらのSIによる値は定義値となった。従って、モル気体定数のSIによる値も定義値であり、正確に、

テンプレート:Math

である。ただし、CODATA2018では、上記の値の10桁のみを表示し、

R=8.314462618... J K1 mol1(正確に)

としている[3]

記号

気体定数の記号は通常 テンプレート:Mvar で表される。なお、テンプレート:Mvar の由来は明確ではないが、「定数」を意味する テンプレート:Lang-la が由来であるとする説もある[4]。気体定数が テンプレート:Mvar と表現された確認できる最初の論文はエミール・クラペイロン(1834)によるものであるが[5]、ここでも テンプレート:Mvar の由来は書かれていない。フランス語で定数や比の意味を持つraisonやrapportがあり、英語のrateやratioなどとも共通する語源はラテン語のratioまたはrataである。おそらくそれらによるものと推定するしかないとされる[6]

導出

ボイルの法則によれば、一定の温度の下で、体積が圧力に逆比例するので テンプレート:Indent と表される。さらにシャルルの法則により、一定の圧力の下で体積に比例するように温度を定めることができるので テンプレート:Indent となる。ここで体積の示量性から質量 テンプレート:Mvar に比例するので係数 テンプレート:Mvar も質量 テンプレート:Mvar に比例し テンプレート:Indent とすれば、この係数 テンプレート:Math は気体の種類Xによって決まる定数であり、これが比気体定数である。

物質量 テンプレート:Math を導入すれば テンプレート:Indent となる。この テンプレート:Mvar は係数 テンプレート:Math を適当に定めることによって、気体の種類に依らない普遍定数とすることができて、これがモル気体定数である。

乾燥空気

地球の大気窒素酸素アルゴン二酸化炭素水蒸気などで構成される。地表付近においては水蒸気を除いて組成がほぼ一定であり、この組成での混合気体は乾燥空気と呼ばれる。乾燥空気の平均モル質量は テンプレート:Math = テンプレート:Val なので、乾燥空気の比気体定数の値は テンプレート:Math = テンプレート:Val である[7][8][9]気象学の分野で単に気体定数と呼ぶときには乾燥空気の比気体定数を指すことが多い[9]。なお、水蒸気を含む湿潤空気では、水蒸気の濃度が場所や時間で大きく変化するため、水蒸気を別扱いにして表される[8]テンプレート:See also

性質

理想気体においては定圧モル比熱定積モル比熱では前者のほうが大きく、その差は気体定数 テンプレート:Mvar に等しく、これはマイヤーの法則と呼ばれている。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

外部リンク

テンプレート:Physics-stub

  1. 『学術用語集<物理学編>』テンプレート:要ページ番号
  2. 2.0 2.1 アトキンス『物理化学』 p. 20
  3. molar gas constant The NIST Reference on Constants, Units, and Uncertainty. US National Institute of Standards and Technology. 2019-05-20. 2018 CODATA recommended values
  4. 気体定数Rの由来について
  5. テンプレート:Cite journal
  6. 村田護, 1995, [気体定数Rの由来(あんてな) https://doi.org/10.20665/kakyoshi.43.3_163], 化学と教育, 43巻, 3号
  7. 気象学概説(学芸大)の講義ノート
  8. 8.0 8.1 里村 物理気候学の講義ノート
  9. 9.0 9.1 花見 地球大気科学の講義ノート