双曲線関数

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テンプレート:出典の明記

6つの双曲線関数 (テンプレート:Math2, テンプレート:Color, テンプレート:Color, テンプレート:Color, テンプレート:Color, テンプレート:Color) のグラフ

数学において、テンプレート:Colorとは、三角関数と類似の関数で、標準形の双曲線媒介変数表示するときなどに現れる。

概要

斜線の領域の面積が テンプレート:Math のとき、単位円周上の座標が テンプレート:Math2 となる。
斜線の領域の面積が テンプレート:Math のときの双曲線上の座標が テンプレート:Math

三角関数は単位円周を用いて定義することができる。

以下、説明を簡単にするために第一象限(テンプレート:Math かつ テンプレート:Math)の議論に限る。

単位円周上の点 テンプレート:Mathテンプレート:Mvar軸上の点 テンプレート:Math原点 テンプレート:Math を考える。線分 テンプレート:Math2 テンプレート:Math によって囲まれた領域の面積は テンプレート:Math である。

この性質を用いて逆に三角関数を定義することもできる。すなわち、単位円周上の点 テンプレート:Mathテンプレート:Mvar軸上の点 テンプレート:Math を取り、線分 テンプレート:Math2 と弧 テンプレート:Math によって囲まれた領域の面積が テンプレート:Math であるとき、テンプレート:Math の座標を テンプレート:Math2 として、三角関数を定義することができる。

単位円の定義式は

x2+y2=1

であり、標準形の双曲線の定義式は テンプレート:Math の符号を変えただけの

x2y2=1

である。単位円の面積で三角関数を定義したのと同じように双曲線を用いて双曲線関数を定義することができる。

標準形の双曲線上の点 テンプレート:Mathテンプレート:Mvar軸上の点 テンプレート:Math を取り、線分 テンプレート:Math2 と双曲線の囲む領域の面積が テンプレート:Math であるとき、テンプレート:Math の座標を テンプレート:Math2 として、双曲線関数 テンプレート:Math2 が定義される。

ちなみに、三角関数の定義に現れた テンプレート:Mvar は、弧度法における角度に対応していたが、双曲線関数では角度には対応しない。

このように三角関数と双曲線関数は非常に似通った関数として定義され、いろいろな場面でその類似性が現れる。定義に双曲線を用いる関数を双曲線関数と呼ぶことに合わせて、定義に単位円を用いる三角関数を円関数 (circular function) と呼ぶこともある。

定義

双曲線関数は指数関数 テンプレート:Mvar を用いて

sinhx=exex2,coshx=ex+ex2

と定義される。sinh, cosh をそれぞれ双曲線正弦関数 (hyperbolic sine; ハイパボリックサイン)、双曲線余弦関数 (hyperbolic cosine; ハイパボリックコサイン) と呼ぶ。他にも三角関数との類似で双曲線正接・余接関数

tanhx=sinhxcoshx,cothx=1tanhx

や、双曲線正割・余割関数

sechx=1coshx,cosechx=1sinhx

も定義できる。また、例えば cosh を cos hyp や 𝔠𝔬𝔰 などと表すこともあり cosech は長いので csch と書くこともある。

このように定義された、双曲線正弦関数、双曲線余弦関数、双曲線正接関数、双曲線余接関数、双曲線正割関数、双曲線余割関数を総称して双曲線関数という。

指数関数 テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar を複素変数に拡張できるので、指数関数で定義されている双曲線関数自体も x を複素変数にとってもよい。

双曲線関数はいずれも名称が長いため、読むときは省略されて、sinh はシャインあるいはシンチ[1]、cosh はコッシュ[1]あるいはコシャイン、tanh はタンチ[1]とも読まれる。

記号としての sinh, cosh , tanh はヨハン・ハインリヒ・ランベルトが導入した[2]

性質

基本性質

テンプレート:Color, テンプレート:Colorテンプレート:Color のグラフ。特に テンプレート:Math2 のグラフは懸垂線として知られている。
テンプレート:Color, テンプレート:Colorテンプレート:Color のグラフ

指数関数偶関数の部分と奇関数の部分に分けたとき、

ex=coshx+sinhxex=coshxsinhx

となり、偶関数部分が テンプレート:Math2 で、奇関数部分が テンプレート:Math2 であることが分かる。 また テンプレート:Math2 は、双曲線 テンプレート:Math2 上の点であり

cosh2xsinh2x=1

が成り立つ。

加法定理

三角関数の場合と同様に次の加法定理が成立する[1]

sinh(α+β)=sinhαcoshβ+coshαsinhβsinh(αβ)=sinhαcoshβcoshαsinhβcosh(α+β)=coshαcoshβ+sinhαsinhβcosh(αβ)=coshαcoshβsinhαsinhβtanh(α+β)=tanhα+tanhβ1+tanhαtanhβtanh(αβ)=tanhαtanhβ1tanhαtanhβ

微分公式

ddxsinhx=coshxddxcoshx=sinhxddxtanhx=1tanh2x=sech2x=1cosh2xddxcothx=1coth2x=csch2x=1sinh2xddxcschx=cothxcschxddxsechx=tanhxsechx

したがって、テンプレート:Math2テンプレート:Math2 はいずれも二階の線型微分方程式

d2dx2y(x)=y(x)

の解であり、この微分方程式の基本解系の一つになる。

冪級数展開

双曲線関数のテイラー展開あるいはローラン展開は、以下の式で与えられる。ただし、テンプレート:Math2 はそれぞれベルヌーイ数 (テンプレート:Math2)、オイラー数 (テンプレート:Math2) である。

sinhx=n=0x2n+1(2n+1)!=x+x33!+x55!+x77!+coshx=n=0x2n(2n)!=1+x22!+x44!+x66!+tanhx=n=122n(22n1)B2nx2n1(2n)!=xx33+2x51517x7315+,|x|<π2cschx=1x+n=12(122n1)B2nx2n1(2n)!=1xx6+7x336031x515120+,0<|x|<πsechx=n=0E2nx2n(2n)!=1x22+5x42461x6720+,|x|<π2cothx=1x+n=122nB2nx2n1(2n)!=1x+x3x345+2x5945+,0<|x|<π

無限乗積展開

双曲線関数は以下に示す無限乗積に展開される。(→証明)

sinh(πz)=πzn=1(1+z2n2)cosh(πz)=n=1(1+z2(n1/2)2)

三角関数との関係

複素変数で定義された三角関数と双曲線関数を比べてみると

sinhx=isin(ix)coshx=cos(ix)

という関係にある。

これは、それぞれの指数関数による表現の比較、テイラー展開の比較などによって導出することができる。

逆双曲線関数

テンプレート:Main 双曲線関数が指数関数で表せるように、その逆関数である逆双曲線関数は対数関数を用いて表示することができる。等式 テンプレート:Math2テンプレート:Math2 などを考えれば、これらは テンプレート:Mvar に関する二次方程式であるから解くことができて、次の表示を得る。

sinh1x=log(x+x2+1)cosh1x=log(x+x21)tanh1x=12log1+x1x

逆関数 テンプレート:Math2 などはそれぞれ area sin hyp, area cos hyp (area は「面積」の意)もしくはそれを略して ar sinh, ar cosh と書いたり、逆三角関数と同様に arcsinh, arccosh などと書いたりすることもある。

微分公式

ddxsinh1x=1x2+1ddxcosh1x=1x21ddxtanh1x=11x2

このことから、テンプレート:Math2 を含む有理関数の原始関数を求めるために テンプレート:Math2 などと三角関数を用いた置換積分を考えると有用である場合が多いのと同様に、テンプレート:Math2 を含む有理関数の積分に双曲線関数を用いた置換積分を考えることは有用であることが多い。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

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外部リンク

テンプレート:Normdaten