写像の反復

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写像あるいは函数反復(はんぷく、テンプレート:Lang-en-short)とは、同じ写像あるいは函数を繰り返し適用する操作であるテンプレート:Sfn。写像の繰り返し反復合成とも呼ぶテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。ある初期値に写像の反復を適用することで得られる点列軌道という。

年利で増える残高計算、世代ごとに増減する生物の個体数の計算、ニュートン法のような数値計算で方程式の解を求める問題など、反復によって表すことができるさまざまな科学・数学の問題があるテンプレート:Sfn

定義

集合 テンプレート:Math とその上で定義される写像 テンプレート:Math について、非負整数 テンプレート:Mvar に対する テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar 回反復 テンプレート:Math

fn=fffn
fn:xf(f(fn(x)))

によって定義されるテンプレート:Sfn。ここに テンプレート:Math写像の合成、すなわち テンプレート:Math を意味する。例えば、

f(x)=x

という写像であれば、その2回反復および3回反復は

f2(x)=x
f3(x)=x

で与えられるテンプレート:Sfn。他の表記法としては テンプレート:Math といった書き方もあるが、テンプレート:Math 表記の使用が多いテンプレート:Sfn

テンプレート:Math については、一般に恒等写像として定義する。すなわち、テンプレート:Math であるテンプレート:Sfnテンプレート:Math逆写像 テンプレート:Math を持つ場合は、

fn:xf1(f1(f1n(x)))

が定義されるテンプレート:Sfn

軌道

テンプレート:Main テンプレート:Math整数全体の集合とする。テンプレート:Mvar同相写像として、ある点 テンプレート:Math に対して

O(x)={fn(x); n}

で与えられる集合 テンプレート:Math を、テンプレート:Mvar を通る軌道というテンプレート:Sfn。このとき、点 テンプレート:Mvar は軌道の初期値と呼ばれるテンプレート:Sfn

不動点、周期点

テンプレート:Mainテンプレート:Mvar が写像 テンプレート:Mvar に対して

f(x)=x

を満たすとき、テンプレート:Mvar不動点というテンプレート:Sfnテンプレート:Mvar の全ての不動点の集合を テンプレート:Math などと記すテンプレート:Sfn

また、テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar に対して、

fm(x)=x

を満たす最小の テンプレート:Math を周期といい、点 テンプレート:Mvar を周期 テンプレート:Mvar周期点というテンプレート:Sfnテンプレート:Mvarテンプレート:Mvar 周期の周期点の集合を テンプレート:Math などと記すテンプレート:Sfnテンプレート:Mvar 周期点 テンプレート:Mvar を通る軌道

{ fm1(x), x, f(x), f2(x),, fm1(x), xm, f(x), f2(x),}

を周期軌道というテンプレート:Sfn

微分係数

微分可能な写像 テンプレート:Math2テンプレート:Mvar 回反復 テンプレート:Math微分係数は、テンプレート:Math などのように記されるテンプレート:Sfnテンプレート:Math とする。2回あるいは3回反復の微分は、連鎖律より

(f2)(x)=f(f(x))f(x)
(f3)(x)=f(f2(x))(f2)(x)=f(f2(x))f(f(x))f(x)

となるテンプレート:Sfn。これを テンプレート:Mvar 回まで拡張すると テンプレート:Math

(fn)(x)=f(fn1(x))f(fn2(x))f(x)

で表されるテンプレート:Sfn。最初の点を テンプレート:Math として各反復の写る先を テンプレート:Math2 と表すとすれば、テンプレート:Math は次のようにも表されるテンプレート:Sfn

(fn)(x0)=f(xn1)f(xn2)f(x0)

テンプレート:Math が周期 テンプレート:Mvar の周期点だとすれば、テンプレート:Math の各点の テンプレート:Mvar 回反復の微分係数は次のように互いに等しいテンプレート:Sfn

(fm)(x0)=(fm)(x1)==(fm)(xm1)

周期点の微分係数によって、周期点の安定性が判別できるテンプレート:Sfn

出典

テンプレート:Reflist

参照文献