可逆層
数学において,可逆層(かぎゃくそう,テンプレート:Lang-en-short)とは,環付き空間 テンプレート:Mvar 上の連接層 テンプレート:Mvar であって,テンプレート:Mvar 加群のテンソル積に関して逆元 テンプレート:Mvar が存在するものである.可逆層は直線束という位相的な概念の代数幾何学における対応物である.テンプレート:仮リンクとの相互作用のため,代数多様体の研究で中心的な役割を果たす.
定義
可逆層 (invertible sheaf) とは,環付き空間 テンプレート:Mvar 上の連接層 テンプレート:Mvar であって,テンプレート:Mvar 加群のテンソル積に関して逆元 テンプレート:Mvar が存在するものである,つまり,テンプレート:Mvar に同型な
があって,テンソル積について単位元として働く.最も重要な場合は代数幾何学と複素多様体論から来る場合である.それらの理論における可逆層は実際には適切に定式化された直線束である.
実際,可逆層のスキーム論における抽象的な定義は局所自由で階数 1という条件に置き換えることができる.つまり,テンソルの逆元の条件はすると,テンプレート:Mvar 上局所的に,テンプレート:Mvar が可換環上の階数 1 の自由加群のなす層であることを導く.例は代数的整数論における分数イデアルから来,定義はその理論を捉える.より一般に,テンプレート:Mvar がアフィンスキーム テンプレート:Math であるとき,可逆層は テンプレート:Mvar 上の階数 1 の射影加群から来る.
ピカール群
テンプレート:Main 極めて一般的に,テンプレート:Mvar 上の可逆層の同型類たち自身がテンソル積の下でアーベル群をなす.この群はイデアル類群を一般化する.一般にそれは,テンプレート:Math をテンプレート:仮リンクとして
と書かれる.それは代数曲線のヤコビ多様体の理論も含んでいるから,この関手の研究は代数幾何学において主要な問題である.
テンプレート:Mvar 上のデータによる可逆層の直接構成はカルティエ因子の概念を導く.
関連項目
参考文献
- Section 0.5.4 of テンプレート:EGA