符号の規約

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物理学において、ある量の集合についてそれぞれ正か負かの符号を任意に選択できる場合があり、このときの符号の付け方を符号の規約(ふごうのきやく, テンプレート:Lang-en-short)という。ここでいう「任意」とは、この符号について異なる規約を(一貫して)用いたとしても、同一の物理系として正確に記述されるという意味である。このため符号選択は(論文や書籍の)著者によって様々であり、しばしば科学研究における混乱や不満、誤解や過誤の源となっている。一般に、符号の規約は1つの次元についての座標系の選択の、特別な場合である。

また「符号の規約」の用語は、虚数単位 テンプレート:Mvarテンプレート:Math の因子を含む、より広い意味で用いられることもある。

相対論

計量符号

相対性理論において、計量符号テンプレート:Mathテンプレート:Math のいずれかである。テンプレート:Efnそれぞれ テンプレート:Math, テンプレート:Math計量テンソルに対応する。より高次元の相対性理論においても同様である: テンプレート:Mathテンプレート:Math.

この符号の規約には幾つかの呼び名がある:

幾つかの著名な院生向けテキストにおける使用例:

計量の符号といくつかの関係式
関係式 テンプレート:Math テンプレート:Math
4元運動量の成分表示 pμ=(E,𝒑)
pμ=(E,𝒑) pμ=(E,𝒑)
質量殻条件 m2=E2𝒑2
m2=pμpμ m2=pμpμ
ローレンツ力 p˙μ=qX˙νFνμ(X)
マクスウェル方程式 νFνμ=Jμ νFνμ=Jμ
正準交換関係 [xμ,pν]=iδνμ [xμ,pν]=iδνμ
運動量演算子の座標表示 (E,𝒑)=(it,i)
pμ=iμ pμ=iμ

曲率

リッチテンソル テンプレート:Mathリーマンテンソル テンプレート:Math縮約として定義されるが、その縮約には次の2通りの取り方がある:

リーマンテンソルの対称性により、この2つの定義は符号だけ異なる。またリーマンテンソルの定義についても符号だけを変える2通りの定義があり、これら2通りずつの定義を協働して用いることで、異なる規約についても同一の物理を与える。

その他の符号の規約

書籍や論文において使用される符号の規約は、冒頭で明示することが慣例となっている。

注釈

テンプレート:Notelist

参考文献

関連項目