一般化された超幾何関数

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テンプレート:複数の問題 数学において、一般化された超幾何関数(いっぱんかされたちょうきかかんすう、テンプレート:Lang-en-short)は、一般に

rFs[a1,a2,,arb1,b2,,bs;z]:=n=0(a1)n(a2)n(ar)n(b1)n(b2)n(bs)nznn!

の形式で表される級数である[1]。ただし、

(x)0:=1,(x)n:=k=0n1(x+k)

ポッホハマー記号である。


r+1Fr型超幾何級数
r+1Fr[α0,α1,,αrβ1,,βr;x]=k=0(α0)k(α1)k(αr)k(1)k(β1)k(βr)kxk

ガウスの超幾何関数

古典的にはガウス超幾何関数 テンプレート:Indent を単に超幾何級数というテンプレート:Sfn[2][3]。なお、厳密にいうと、右辺の級数が超幾何級数であり、左辺の記号は原点の近傍で絶対収束する冪級数の和とそれから解析接続によって定義される解析関数としての超幾何関数を表すものである。

超幾何級数

級数 n=0tn の連続する項の比が テンプレート:Mvar有理関数であるとき、これを超幾何級数(テンプレート:Lang)という[4]。慣習的にはあらかじめ初項を括り出しておき、定義に テンプレート:Math も含め正規化する。定義から

tn+1tn=P(n)Q(n)

となる テンプレート:Mvar多項式 テンプレート:Math が存在する。

たとえば指数関数テイラー級数

n=0znn!

は超幾何級数で、この場合

tn=znn!,tn+1tn=zn+1

ゆえ テンプレート:Math, テンプレート:Math となる。

分母分子を一次式の積へ分解することで有理関数を

P(n)Q(n)=(a1+n)(a2+n)(ar+n)(b1+n)(b2+n)(bs+n)zn+1

の形に書くことができる。ここで テンプレート:Mvar は分母分子の最高次係数の比である。歴史的な理由により分母の因子 テンプレート:Math を仮定しているが、必要なら分子に同じ因子を掛ければよいので一般性は失わない。以上から級数は

n=0tn=n=0(a1)n(ar)n(b1)n(bs)nznn!

の形に書くことができる。この右辺を通常

rFs[a1,a2,,arb1,b2,,bs;z]

と表記する。

収束条件

超幾何級数rFs[a1,,ar;b1,,bs;z]は、r<s+1であれば絶対収束し、r>s+1であれば発散する。r=s+1の場合は、|z|<1であれば絶対収束し、|z|>1であれば発散する。|z|=1の場合は、aj<bjであれば絶対収束し、aj>bjであれば発散する。但し、aj又はbjが正でない整数kである場合は、(aj)nk=0となってz<で収束、或いは(bj)nk=0となってz0で発散する場合がある。

収束条件の証明

n項をcnとする:

rFr1[a1,a2,,arb1,b2,,br1;z]=n=0cnzncn=(a1)n(a2)n(ar1)n(ar)n(b1)n(b2)n(br1)nn!

公比

limncn+1cn=limn(a1+n)(a2+n)(ar1+n)(ar+n)(b1+n)(b2+n)(br1+n)(1+n)z=z

であるから、|z|<1であれば絶対収束し、|z|>1であれば発散する。|z|=1の場合は、

a+nn=1+an+O(n2)(na)nb+n=1bn+O(n2)(na)

であるから、

cn+1cn=j=1r(1+ajn)j=1r1(1bjn)(11n)+O(n2)=1+j=1rajnj=1r1bjn1n+O(n2)(naj,bk)|cn+1cn|2=(1+j=1rajnj=1r1bjn1n)2+(j1rajnj=1r1bjn)2+O(n2)=1+2n(j=1rajj=1r1bj1)+O(n2)(naj,bk)|cncn+1|=11n(j=1rajj=1r1bj1)+O(n2)(naj,bk)

であり、

limnn(|cn||cn+1|1)1=(j=1rajj=1r1bj)

である。従って、ラーベの判定法 (Raabe's test[5][6])により、ajbj<0であれば絶対収束し、ajbj>0であれば発散する。

超幾何関数

テンプレート:Main 代数関数指数関数三角関数

(1z)a=n=0(a)(a1)(an+1)n!(z)n=1F0[a;z]ez=n=01n!zn=0F0[;z]sinz=zn=0(1)n(2n+1)!z2n=z0F1[32;z24]cosz=n=0(1)n(2n)!z2n=0F1[12;z24]

正弦積分余弦積分指数積分

Si(z)=zn=0(1)n(2n+1)(2n+1)!z2n=z1F2[1232,32;z24]Ci(z)=γ+logz+n=1(1)n(2n)(2n)!z2n=γ+logzz242F3[1,12,2,32;z24]Ei(z)=γ+logz+n=11nn!zn=γ+logz+z2F2[1,12,2;z]

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

テンプレート:参照方法

関連項目

テンプレート:級数

  1. テンプレート:MathWorld
  2. 原岡喜重. (2002). 超幾何関数. 朝倉書店.
  3. 時弘哲治. (2006). 工学における特殊関数. 共立出版.
  4. この比が定数の場合を幾何級数と呼ぶのだった。
  5. Weisstein, Eric W. "Raabe's Test." From MathWorld--A Wolfram Web Resource. http://mathworld.wolfram.com/RaabesTest.html
  6. Huelsman, C. B. (1965). RAABE'S TEST. Pi Mu Epsilon Journal, 4(2), 67-70.