既約多項式
代数学において既約多項式(きやくたこうしき、テンプレート:Lang-en-short)とは、多項式環の既約元[注 1]のことである。
概要
より冗長には次のようになる。
テンプレート:Mvar を整域とし、その単数全体を テンプレート:Math、一変数多項式環を テンプレート:Math とおく。
多項式 テンプレート:Math が2条件
を満たすとき既約であるという。そうでないとき可約であるという。
元々、整数係数多項式(有理数係数多項式) f(x) が、2 つの1次以上の整数係数多項式(有理数係数多項式) g(x),h(x) の積として因数分解できる時、すなわち
f(x) = g(x) h(x)
の形にできることを可約、そうでないときを既約として多項式の性質を調べる事はあったが、係数の範囲を一般化して、特定の無理数や複素数の四則演算で得られる係数での因数分解を考え、既約性を導入したのはニールス・アーベルである。
係数環 テンプレート:Mvar が整数環や実数体、複素数体のような一意分解整域の場合には既約多項式は多項式環における素元でもあるので、これは整数環における素数の類似物である。
例
- 整数環上の一変数多項式 テンプレート:Math は既約多項式である
- 整数環上の一変数多項式 テンプレート:Math は テンプレート:Math より可約多項式である
- 有限体 テンプレート:Math 上の一変数多項式 テンプレート:Math は テンプレート:Math より可約多項式である
- 円分多項式 テンプレート:Math は既約多項式である
- 最小多項式は既約多項式である
判定法
整域 テンプレート:Mvar の素イデアル テンプレート:Mvar とモニック多項式
をとる。このとき2条件
を満たすならば多項式 テンプレート:Mvar は既約である(アイゼンシュタインの既約判定法)テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。
たとえば素数 テンプレート:Mvar と自然数 テンプレート:Math に対して整数環上の一変数多項式 テンプレート:Math は既約である。ただし、これは既約である必要条件ではない。実際、例にある テンプレート:Math はこの判定法で既約性を判定できない。
体上の既約多項式
位数 テンプレート:Mvar の有限体上モニックな テンプレート:Mvar 次既約多項式の総数は次の式で与えられる[1]。
ただし テンプレート:Mvar はメビウス関数を表す。(ネックレス多項式も参照。)
脚注
注釈
出典
参考文献
テンプレート:Polynomials テンプレート:Authority control
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