ウェダーバーンの小定理

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数学において、ウェダーバーンの小定理 (テンプレート:Lang-en-short) はすべての有限[1]であることを述べるものである。言い換えると、テンプレート:仮リンクにおいて、域、斜体、体の違いはない。

テンプレート:仮リンクはこの定理を交代環へと一般化する: すべての有限単純交代環は体である[2]

歴史

最初の証明は テンプレート:仮リンク によって1905年に与えられ[3]、彼はその後2つの別証を与えた。別の証明は Leonard Eugene Dickson によって Wedderburn の最初の証明のすぐ後に与えられ、Dickson は Wedderburn が先であることを認めていた。しかしながら、テンプレート:Harv に述べられているように、Wedderburn の最初の証明は正しくなく――飛躍があり――彼の次の証明は Dickson の正しい証明を読んだ後に現れたのだった。そのため、Parshall は最初の正しい証明は Dickson に帰するべきだと主張している。

後に簡潔な証明が Ernst Witt によって与えられた[3]。Witt の証明の概略は下で与えられる。また別の方法は、定理は以下の議論によって テンプレート:仮リンク の帰結である[4]D を有限可除代数で中心を k とする。テンプレート:Math とし qk の濃度とする。D のすべての極大部分体は qn 個の元を持つ。なのでそれらは同型でありしたがって Skolem–Noether によって共役である。しかし有限群(今の場合 D の乗法群)は真の部分群の共役の和集合ではありえない。したがって テンプレート:Math である。

有限体の Brauer 群との関係

定理は本質的に、有限体の Brauer 群が自明であると言うことと同値である。実は、この特徴づけから直ちに以下のように定理の証明が出る。k を有限体とする。テンプレート:仮リンクは有限性によって消えるから、Br(k)=H2(kal/k)H1(kal/k) と一致し、これはヒルベルトの定理90によって消える。

証明の概略

A を有限域とする。A の各元 x ≠ 0 に対し、2 つの写像

aax,axa:AA

は cancellation property によって単射であり、したがって有限性から全射である。基本的な群論から[5]A の非零元全体は乗法について群をなすことが従う。したがって、A斜体である。A中心 Z(A) は体であるから、AZ(A) 上有限 n 次元のベクトル空間である。すると我々の目標は テンプレート:Math を示すことである。qZ(A) の位数とすると、A の位数は qn である。中心に入っていない各 テンプレート:Math に対して、x centralizer Zx の位数は qd である。ここに dn より小さい n の約数である。Z(A)*, Zx*, A* を乗法について群と見て、類等式を次のように書ける

qn1=q1+qn1qd1

ただし和は Z(A) に入っていないすべての代表元 x を渡り、d は上で議論された数である。qn−1 と qd−1 はともに円分多項式 Φf(q) のことばによって分解できる。

多項式の恒等式

xn1=m|nΦm(x) および xd1=m|dΦm(x)

から、テンプレート:Math とおくと、

Φn(q) は qn−1 と qn1qd1 をともに割り切る

ことがわかるので、上の類等式によって Φn(q)q−1 を割らなければならず、したがって

|Φn(q)|q1.

これによって n が 1 でなければならないことを見るために、テンプレート:Math に対して

|Φn(q)|>q1

であることを、複素数上の分解を用いて示す。多項式の恒等式

Φn(x)=(xζ),

ただし ζ は 1 の原始 n 乗根を渡る、において、xq とし、絶対値を取ると

|Φn(q)|=|qζ|.

n > 1 に対して

|qζ|>|q1|

であることが、複素平面での q, 1, ζ の位置を見れば分かる。したがって

|Φn(q)|>q1.

脚注

  1. 本記事において「体」は「可換体」を意味する。
  2. テンプレート:Cite book
  3. 3.0 3.1 Lam (2001), [[[:テンプレート:Google books]] p. 204]
  4. Theorem 4.1 in Ch. IV of Milne, class field theory, http://www.jmilne.org/math/CourseNotes/cft.html
  5. e.g., Exercise 1.9 in Milne, group theory, http://www.jmilne.org/math/CourseNotes/GT.pdf

参考文献

外部リンク