外微分

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テンプレート:参照方法 テンプレート:Calculus 可微分多様体上、外微分(がいびぶん、テンプレート:Lang-en-short)は関数の微分の概念を高次の微分形式に拡張する。外微分はエリ・カルタンによって最初に現在の形式で記述された。それによってベクトル解析ストークスの定理ガウスの定理グリーンの定理の自然な、距離に依存しない一般化ができる。

テンプレート:要追加記述範囲

定義

テンプレート:Mvar微分形式の外微分は テンプレート:Math 次微分形式である。

テンプレート:Mvar が滑らかな関数(テンプレート:Math 形式)であれば、テンプレート:Mvar の外微分 テンプレート:Mathテンプレート:Mvar全微分 テンプレート:Math である。つまり、外微分テンプレート:Math

任意の滑らかなベクトル場 テンプレート:Mvar に対して、テンプレート:Math(ただし テンプレート:Mathテンプレート:Mvar 方向への テンプレート:Mvar方向微分)。

を満たす一意的な 1 形式である。

一般の テンプレート:Mvar 形式の外微分には様々な同値な定義が存在する。

公理による定義

外微分 テンプレート:Math は以下の性質を満たす テンプレート:Mvar-形式から テンプレート:Math-形式への一意的な テンプレート:Math-線型写像として定義される:

  1. 滑らかな関数 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Mathテンプレート:Mvar微分である。
  2. 任意の滑らかな関数 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Math である。
  3. テンプレート:Math である、ただし テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar-形式とする。つまり、テンプレート:Math は微分形式のなす外積代数上次数 テンプレート:Math反微分である。

二番目の定義性質はより一般性を持って成り立つ: 実は、任意の テンプレート:Mvar-形式 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Math(より簡潔には、テンプレート:Math)である。三番目の定義性質は特別な場合として テンプレート:Mvar が関数で テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar-形式であれば テンプレート:Math であるということを含んでいる。なぜならば、関数は テンプレート:Math 形式であり、スカラー乗法と外積は引数の一方がスカラーであるとき同値であるからである。

局所座標系による定義

代わりに、完全に局所座標系 テンプレート:Math の言葉で定義することもできる。まず、座標(微分)形式 テンプレート:Math座標チャートの範囲内で 1-形式の基底をなす。テンプレート:Math なる各 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Math とし、多重添字 テンプレート:Math (および表記の濫用テンプレート:Mathテンプレート:Math と書く)が与えられたとき、テンプレート:Math 上の単純 テンプレート:Math-形式 テンプレート:Math の外微分は

dφ:=i=1nfxidxidxI

で与えられる。一般の テンプレート:Math-形式は テンプレート:Mvarテンプレート:Mathテンプレート:Mvar-元部分集合全てを渡る単純 テンプレート:Mvar-形式の和

ω=IfIdxI

に書かれるから、その外微分の定義は単純形式の場合を線型に拡張することによって与えられる。テンプレート:Mvar が多重添え字 テンプレート:Mvar の成分の 1 つであるときにはいつでも テンプレート:Math であることに注意しよう(ウェッジ積を参照)。

この局所座標系による定義は前節の公理による定義から従う。実際、単純形式 テンプレート:Math に対し、前節で述べた性質を適用すれば テンプレート:Mathテンプレート:Math だから テンプレート:Math を得る。

結果を一般の場合に直截に書けば、テンプレート:Mvar-形式 テンプレート:Mvar の外微分は

dω:=Ii=1nfIxidxidxI

と定義される。

不変公式による定義

代わりに、明示的な式を テンプレート:Mvar-形式 テンプレート:Mvar の外微分に対して、テンプレート:Math 個の任意の滑らかなベクトル場 テンプレート:Math とペアにされたとき、与えることができる[1]

dω(V0,...,Vk)=i(1)iVi(ω(V0,,Vi,,Vk))+i<j(1)i+jω([Vi,Vj],V0,,Vi,,Vj,,Vk),

ただし テンプレート:Mathテンプレート:仮リンクを表し、ハットはその元を取り除くことを表す:

ω(V0,,Vi,,Vk):=ω(V0,,Vi1,Vi+1,,Vk).

特に、テンプレート:Math 形式に対して次が成り立つ: テンプレート:Math, ただし テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar はベクトル場である。

多様体上のストークスの定理

テンプレート:Mvar境界をもつコンパクトで滑らかで向き付け可能な テンプレート:Mvar 次元多様体で、テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar 上の テンプレート:Math 形式とするとき、一般化されたストークスの定理

Mdω=Mω

なることを述べる。直感的には、テンプレート:Mvar が無限小領域に分割されたと考え、すべての領域の境界に渡って流れ (flux) を加えたとき、内部の境界はすべて打ち消し合い、テンプレート:Mvar の境界を通る全体の流れが残る。

例 1.
テンプレート:Math-形式の基底 テンプレート:Mathテンプレート:Math を考えよう。その外微分は:
dσ=d(u)dx1dx2=(i=1nuxidxi)dx1dx2=i=3nuxidxidx1dx2.
最後の式はウェッジ積の性質から容易に従う。すなわち、テンプレート:Math.
例 2.
テンプレート:Mathテンプレート:Math 上の テンプレート:Math-形式とする。各項に上記の公式を適用することによって(テンプレート:Math および テンプレート:Math と考える)次が成り立つ。
dσ=i=12uxidxidx+i=12vxidxidy=uxdxdx+uydydx+vxdxdy+vydydy=0uydxdy+vxdxdy+0=(vxuy)dxdy.

さらなる性質

閉形式と完全形式

テンプレート:Main テンプレート:Mvar-形式 テンプレート:Mvarテンプレート:Math であるときに (closed) であるという(すなわち閉形式は テンプレート:Mathの元のことである)。テンプレート:Mvar はある テンプレート:Math-形式 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Math であるときに完全 (exact) であるという(すなわち完全形式は テンプレート:Mathに属する)。テンプレート:Math ゆえ、任意の完全形式は閉である。ポワンカレの補題は、可縮領域において逆が正しいと述べている。

ド・ラームコホロジー

外微分 テンプレート:Mathテンプレート:Math という性質をもつので、それを多様体上のド・ラームコホモロジーを定義する微分(双対境界写像)として使うことができる。テンプレート:Mvar-次ド・ラームコホモロジー(群)は完全 テンプレート:Mvar 形式を法とした閉 テンプレート:Mvar-形式のなすベクトル空間である。直前の節で述べたように、ポワンカレの補題はこれらのベクトル空間が テンプレート:Math に対して可縮領域に対して自明であることを述べている。滑らかな多様体に対して、形式の共通部分はド・ラームコホモロジーから テンプレート:Math 上の特異コホモロジーへの自然な準同型を与える。ド・ラームの定理はこの写像が実は同型であることを示しており、ポワンカレの補題の遠大な一般化である。一般化されたストークスの定理によって示唆されているように、外微分は特異単体上の境界写像の「双対」である。

自然性

外微分はテクニカルな意味で自然である: テンプレート:Math が滑らかな写像で テンプレート:Math が各多様体に多様体上の テンプレート:Mvar-形式の空間を割り当てる滑らかな反変関手であれば、次の図式は交換する

よって テンプレート:Math である、ただし テンプレート:Mathテンプレート:Mvarテンプレート:仮リンクを表す。このことは、テンプレート:Mathテンプレート:Mvar押し出し(微分)として、テンプレート:Math が定義により テンプレート:Math に等しいことから従う。ゆえに テンプレート:Mathテンプレート:Math から テンプレート:Math への自然変換である。

ベクトル解析における外微分

たいていのベクトル解析の演算子は外微分の概念の特別な場合であるか、あるいは、近い関係である。

勾配

滑らかな関数 テンプレート:Mathテンプレート:Math-形式である。この テンプレート:Math-形式の外微分は テンプレート:Math-形式

df=i=1nfxidxi=f,

である。つまり、形式 テンプレート:Math は任意のベクトル場 テンプレート:Mvar に作用して、各点において テンプレート:Mathテンプレート:Mvar の勾配 テンプレート:Math との内積を返す。

テンプレート:Math-形式 テンプレート:Math余接束の断面であり、各点の余接空間において テンプレート:Mvar の局所的な線型近似を与える。

発散

テンプレート:Math 上のベクトル場 テンプレート:Math は対応する テンプレート:Math-形式

ωV=v1(dx2dx3dxn)v2(dx1dx3dxn)++(1)n1vn(dx1dxn1)=p=1n(1)(p1)vp(dx1dxp1dxpdxp+1dxn)

をもつ、ただし dxp はその元を除くことを意味する。

(例えば、テンプレート:Math つまり三次元空間のとき、テンプレート:Math-形式 テンプレート:Mvar は局所的に テンプレート:Mvar とのスカラー三重積である。)テンプレート:Math のある超曲面上の積分は テンプレート:Mvar のその超曲面上の流束である。

この テンプレート:Math-形式の外微分は テンプレート:Mvar-形式

dωV=div(V)(dx1dx2dxn)

である。

回転

テンプレート:Math 上のベクトル場 テンプレート:Mvar もまた対応する テンプレート:Math-形式

ηV=v1dx1+v2dx2++vndxn

をもつ。局所的には、テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar とのドット積である。ある道に沿った テンプレート:Mvar の積分はその道に沿って テンプレート:Math に逆らってされた仕事である。

テンプレート:Math のとき、三次元空間において、テンプレート:Math-形式 テンプレート:Mvar の外微分は テンプレート:Math-形式

dηV=ωcurl(V)

である。

grad, curl, div, およびラプラシアンの不変公式

任意のリーマン多様体上、標準的なベクトル解析の演算子は座標によらない (coordinate-free) 表記で次のように書くことができる:

grad(f)=f=(df)div(F)=F=d(F)curl(F)=×F=[(dF)],Δf=2f=ddf

ここで ホッジのスター演算子であり、 および テンプレート:仮リンクfスカラー場Fベクトル場である。

関連項目

参考文献

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:Tensors