複素数の絶対値

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
複素数 テンプレート:Mvar の絶対値 テンプレート:Math は、複素数平面上において、原点 テンプレート:Mathテンプレート:Math の距離 テンプレート:Math に等しい。

数学における複素数絶対値(ぜったいち、テンプレート:Lang-en-short, テンプレート:Lang-fr-short)とは、複素数平面における、原点 テンプレート:Math とのユークリッド距離として定義できる。これは、実数絶対値を複素数に拡張した、唯一の乗法的ノルムとして特徴付けることができる。複素数 テンプレート:Mvar の絶対値は テンプレート:Math などで表される。

具体的には、複素数 テンプレート:Math2テンプレート:Math2 は実数)(テンプレート:Mvar虚数単位)の絶対値は次の式で定義される:

|z|:=a2+b2

複素数の絶対値の概念は実数の絶対値の拡張であり、乗法的ノルムの公理を満たす。これにより複素数列収束発散の概念が[[イプシロン-デルタ論法|テンプレート:Mvar-テンプレート:Mvar論法]]により導入でき、複素解析を講ずることができる。

用語として module を導入したのは テンプレート:Citation で、幾何学的構成による虚数の表現を説明するものとして用いられたテンプレート:Sfn

定義

複素数 テンプレート:Mathテンプレート:Math2 は実数)の絶対値 テンプレート:Math は、幾何学的な定義と代数的な定義がある。幾何学的には、絶対値 テンプレート:Math は、複素数平面における、原点 テンプレート:Math とのユークリッド距離として定義できる。具体的には、次の式で定義できる:

|z|:=a2+b2

代数的には、複素数の絶対値は、実数の絶対値を拡張した乗法的ノルムとして定義できる。つまり、複素関数 ||: で以下の性質を満たすものを、複素変数の絶対値関数という:

複素数の乗法的ノルムは幾何学的定義の絶対値に等しいことの証明は、以下の流れになる:

  1. テンプレート:Mvar の極形式表示を テンプレート:Math2 とする。
  2. テンプレート:Math を証明すればよい。
  3. ド・モアブルの定理より、テンプレート:Mvar有理数の場合については、
        テンプレート:Math
    が示される。
  4. ノルム関数 テンプレート:Math は、三角不等式より連続である。
  5. テンプレート:Mvar を有理数列で近似していくと、余弦関数、正弦関数、ノルム関数の連続性より、テンプレート:Math2(証明終)

性質

テンプレート:Math2 を複素数とする。

上記の3性質は、絶対値を特徴付けるため、重要である。

実数 テンプレート:Mvar について成り立つ等式 テンプレート:Math は、複素数では成り立たないテンプレート:Efn2

複素絶対値関数 テンプレート:Math2正則でない。

演算の特徴

複素数全体からなる集合 テンプレート:Math において、

d(z1,z2)=|z1z2|(z1,z2)

で定義される関数 テンプレート:Mvar距離函数である。つまり テンプレート:Math距離空間(特に位相空間)になる。さらに テンプレート:Math完備である。

テンプレート:Math は、上で述べた非負性・非退化性・乗法性(の一部)と三角不等式の成立により、複素数の絶対値をノルムとする実二次元ノルム線型空間である。さらに複素数の持つ代数的演算は、この標準的な距離空間の位相(テンプレート:Ill2)に関して連続である。特に、絶対値の乗法性により、テンプレート:Mathbf は乗法的バナッハ環(したがって完備ノルム体)を成す。

より代数的な言葉で述べるならば、複素数の絶対値は複素数全体の成す集合に付値体の構造を与えるという意味において「絶対値」(付値)である。複素数の全体は完備アルキメデス付値体になる。

絶対値 1 の複素数

テンプレート:See also 写像 テンプレート:Math は複素数の乗法群 テンプレート:Math を実数の乗法群 テンプレート:Math へ写す群準同型である。この準同型のテンプレート:Nowrap の複素数全体の成す集合 テンプレート:Mathbf である。したがって テンプレート:Mathbfテンプレート:Math部分群(特に正規部分群)であり、テンプレート:Mathbf円周群と呼ばれる。

写像 テンプレート:Math は実数の加法群 テンプレート:Math を円周群 テンプレート:Math へ写す群準同型である。この準同型は基本周期 テンプレート:Math を持つ周期函数になる。ブルバキ数学原論ではこれを [[円周率|テンプレート:Mvar]] の定義におくテンプレート:Sfn

一般化

合成代数のノルム・絶対値

テンプレート:Main 任意の合成代数 テンプレート:Mvar は共軛と呼ばれる対合 テンプレート:Math を備えている。各元 テンプレート:Mvar とその共軛元 テンプレート:Mvar との積 テンプレート:Mathテンプレート:Mvar のノルムと呼ばれる。

実数テンプレート:Mathbf, 複素数テンプレート:Mathbf, 四元数テンプレート:Mathbf は何れも正定値二次形式によって与えられるノルムを持つ合成代数であり、これら多元体における絶対値は上記合成代数としてのノルムの平方根: {|x|:=xx=x2(x)|z|:=zz=(a+bi)(abi)=a2+b2(z:=a+bi;a,b)|h|:=hh*=(r+𝐪)(r𝐪)=r2+𝐪2(h:=r+𝐪;r,𝐪3) で与えられる。

一般には合成代数のノルムは二次形式として不定値となり得るし、等方ベクトルも持ち得る。それでも上記の多元体の場合と同様に非零ノルムを持つ元 テンプレート:Mvar は必ず乗法逆元として テンプレート:Math を持つ。

テンプレート:脚注ヘルプ

注釈

テンプレート:Notelist2

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

テンプレート:Portal

外部リンク