ネイピア数の表現

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テンプレート:ネイピア数e ネイピア数 テンプレート:Mvar には様々な表式がある。本稿では代表的なネイピア数の定義とそれに基づく表式について述べる。以下では特に断りがない限り、テンプレート:Mvar をネイピア数とする。

テンプレート:Mvar数学定数の一つであり、しばしば自然対数と呼ばれる実数である。テンプレート:Mvar無理数であるため(ネイピア数の無理性の証明参照)通常の分数では表せないが、無限連分数で表すことはできる。また、解析学的手法を用いて級数無限乗積、ある種の数列極限としてテンプレート:Mvar を表すことができる。

定義

以下にネイピア数 テンプレート:Mvar のいくつかの定義を示す。本項において テンプレート:Mvar の定義と テンプレート:Mvar の表式に明確な差はないが、歴史的に テンプレート:Mvar の利用目的・存在理由としての意義付けが明確なものを定義として扱っている。

I. ヤコブ・ベルヌーイによるとされる テンプレート:Mvar の定義:

e=limn(1+1n)n
ベルヌーイは複利計算の過程でこの式の重要性を見い出したとされている。

II. 微分積分学的な定義:

e=a s.t. ddxax=ax
テンプレート:Mvar を指数部に持つ指数関数において テンプレート:Mvar による微分がその関数自身となる、という テンプレート:Mvar の性質は微分積分学での最も基本的なものの一つである。

連分数による表現

テンプレート:Mvar は様々な無限連分数で表現できる。超越数であるので循環節は持たないが、ある種の規則性が観察される。

I. テンプレート:Mvar は単純な正則連分数で表現可能である[1]:

e=[2;1,2,1,1,4,1,1,6,1,1,8,1,1,,2n,1,1,]=2+11+12+11+11+14+

II. 一般連分数による表現

e=2+11+12+23+34+45+

III. (II) から連分数等価変換により得られる連分数

e=2+22+33+44+55+66+

IV. (II) から変換して得られるが、… 6, 10, 14, … という項を含み、収束が早い。

e=1+21+16+110+114+118+

V. この例は テンプレート:Mvar指数関数のうち特殊なケースである。

e2x/y=1+2x(yx)+x23y+x25y+x27y+x29y+

級数による表現

ネイピア数 テンプレート:Mvar は次のような級数で表される。

  • e=k=01k![2]
  • e=[k=0(1)kk!]1
  • e=[k=012k(2k)!]1[3]
  • e=12k=0k+1k!
  • e=2k=0k+1(2k+1)!
  • e=k=034k2(2k+1)!
  • e=k=0(3k)2+1(3k)!
  • e=[k=04k+322k+1(2k+1)!]2
  • e=12π2[k=11k2 cos(9kπ+k2π29)]1/3
  • e=k=1k22(k!)
  • e=k=1k35(k!)
  • e=k=1knBn(k!) (Bnn 番目のベル数

無限乗積による表現

ネイピア数 テンプレート:Mvar はいくつかの無限乗積の形式で表現できる。

I. Pippengerの積:

e=2(21)1/2(2343)1/4(45656787)1/8

II. Guillera の積[4][5]:

e=n=1k=0n(k+1)(1)k+1(nk)n=(21)1/1(2213)1/2(234133)1/3(24441365)1/4,

ここに n 番目の因子は次の積 の n 乗根である。

k=0n(k+1)(1)k+1(nk)

III. 無限乗積:

e=22(ln(2)1)22ln(2)12(ln(2)1)3.

数列の極限による表現

ネイピア数 テンプレート:Mvar はいくつかの無限数列極限として表現できる。

I. スターリングの公式その1

e=limnn(2πnn!)1/n

II. スターリングの公式その2

e=limnnn!n

III. 上述の e の基本的な極限による定義から得られる対称形の極限[6] [7]

e=limn[(n+1)n+1nnnn(n1)n1]

IV. 別の極限による例[8]

e=limn(pn#)1/pn
ここで pnn 番目の素数pn#pn素数階乗

V. 極限による指数関数の一般形式

ex=limn(1+xn)n

脚注

  1. テンプレート:OEIS
  2. テンプレート:Cite web
  3. Formulas 2-7: H. J. Brothers, Improving the convergence of Newton's series approximation for e. The College Mathematics Journal, Vol. 35, No. 1, 2004; pages 34-39.
  4. J. Sondow, A faster product for pi and a new integral for ln pi/2, Amer. Math. Monthly 112 (2005) 729-734.
  5. J. Guillera and J. Sondow, Double integrals and infinite products for some classical constants via analytic continuations of Lerch's transcendent,Ramanujan Journal 16 (2008), 247-270.
  6. H. J. Brothers and J. A. Knox, New closed-form approximations to the Logarithmic Constant e. The Mathematical Intelligencer, Vol. 20, No. 4, 1998; pages 25-29.
  7. Khattri, Sanjay, From Lobatto Quadrature to the Euler constant e, https://2005euballoons.com/#skk/Publications/Lobatto/PRIMUS_KHATTRI.pdf
  8. S. M. Ruiz 1997