L-函数の特殊値
数学の L 函数の特殊値とは、[[L-函数|テンプレート:Mvar 函数]]の整数点での値やテイラー展開したときの先頭項の係数のことであるテンプレート:Sfn。数論の研究対象の一つであり、さまざまな研究が進められている[1]。
概要
[[ライプニッツの公式|ライプニッツの テンプレート:Π の公式]]
は テンプレート:Mvar 函数の特殊値の一例である。左辺はあるディリクレ級数 テンプレート:Math の テンプレート:Math での値と思えるが、これは類数公式によりガウスの有理数体 テンプレート:Math の類数と関係がつく。そしてこの公式は テンプレート:Math の類数が1であることと関係している。このように、テンプレート:Mvar 函数の特殊値には整数論において重要な不変量が現れる。
同様のことが[[モチーフのL関数|モチーフの テンプレート:Mvar 函数]]に対しても成り立つであろうと予想されている。最も一般的で精密な予想は同変玉河数予想(equivariant Tamagawa number conjecture, ETNC)と呼ばれる予想であるテンプレート:Sfn。
歴史的には、まず楕円曲線の テンプレート:Mvar 函数の特殊値に関するバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想があったテンプレート:Sfn。そしてピエール・ドリーニュによってモチーフの テンプレート:Mvar 函数の特殊値に関する予想が提出された。ドリーニュの予想はクリティカル・モチーフというモチーフに対するもので、このモチーフの テンプレート:Mvar 函数の特殊値を有理数倍による違いを除いて予想するものだったテンプレート:Sfn。これはライプニッツの テンプレート:Mvar の公式でいうと円周率の部分を予想したことに相当する。この予想はドリーニュ予想と呼ばれている。
次にアレクサンダー・ベイリンソンがクリティカルという仮定を外しドリーニュ予想を一般化したテンプレート:Sfn。ベイリンソンは[[代数的K-理論|代数的 テンプレート:Mvar 理論]]を用いて数体のレギュレータを一般化し「高次のレギュレータ」(テンプレート:仮リンク)というものを定義した。そしてモチーフの テンプレート:Mvar 函数の特殊値は有理数倍による違いを除いてこの高次レギュレーターになるだろうと予想したテンプレート:Sfn。この予想はベイリンソン予想と呼ばれている。
テンプレート:仮リンクと加藤和也はモチーフの テンプレート:Mvar 函数の特殊値の有理部分を決定する予想を提出したテンプレート:Sfn。彼らはモチーフの玉河数というものを定義しモチーフの テンプレート:Mvar 函数の特殊値の有理部分はこの数によって決定できると予想した。玉河数という言葉は線型代数群の玉河数を研究していた玉河恒夫にちなむ。この予想は玉河数予想(Tamagawa number conjecture)またはブロック・加藤予想(Bloch–Kato conjecture)と呼ばれている。代数的 テンプレート:Mvar 理論にもミルナー予想の拡張であるブロック・加藤予想と呼ばれる予想(ウラジーミル・ヴォエヴォドスキーらによって証明されている)があるが、これはここで述べた テンプレート:Mvar 函数の特殊値に関するブロック・加藤予想とは別物である。
玉河数予想はその後加藤らによって同変係数に一般化された。さらに加藤はこれが岩澤理論における岩澤主予想の一般化でもあることを見出したテンプレート:Sfn。
テンプレート:仮リンクとテンプレート:仮リンク は玉河数予想を拡張し、モチーフの テンプレート:Mvar 函数の特殊値に関する予想とスターク予想をはじめとする[[アルティンのL-函数|アルティン テンプレート:Mvar 函数]]の特殊値に関する予想を合体させ同変玉河数予想を定式化したテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。
これらの予想はすべて、特別なケースについてのみ成立することしか知られていない。
脚注
参考文献
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