対称群

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対称群 Sテンプレート:Msubケイリーグラフ

テンプレート:Groups 対称群(たいしょうぐん、テンプレート:En)とは、「ものを並べ替える」という操作をとするである。この場合の「ものを並べ替える」操作のことを置換(ちかん、テンプレート:En)という。数学の議論の様々な場面で「番号づけられて並んでいるものを入れ替える」「入れ替えの可能性すべてを調べる」ことが問題となり、対称群はそのような議論を定式化するために用いられる。置換のうちで特別なものだけを集めて得られる群は置換群(ちかんぐん、テンプレート:En[1]と呼ばれる。置換群が空間 テンプレート:Mvar の変換群として与えられているとき、テンプレート:Mvar の元 テンプレート:Mvar の置換は テンプレート:Math で与えられる テンプレート:Mvar の部分群の分だけ潰れているが、これは テンプレート:Mvar のなかに テンプレート:Mvar と「同じ」元が複数含まれている場合に対応しており、テンプレート:Mvar の中でこれらを区別することができれば テンプレート:Mvar の元の置換から対称群 テンプレート:Mvar が回復される。

定義

集合 テンプレート:Math に対し、テンプレート:Mvar から テンプレート:Mvar への全単射全体の集合は写像の合成を積としてになることがわかる。これは テンプレート:Mvar-次の対称群と呼ばれ、

Sn,Σn,𝔖n,Sym(n)

などで表される。テンプレート:Mvar の元は テンプレート:Mvar 次の置換と呼ばれる。 テンプレート:Mvar-次対称群の位数テンプレート:Mvar階乗 テンプレート:Math である。

テンプレート:Mvar有限集合とするとき、テンプレート:Mvar の場合と同様にして テンプレート:Mvar から テンプレート:Mvar への全単射全体の集合を テンプレート:Math とおくと、写像の合成を積として テンプレート:Math は群になる。このとき、テンプレート:Mathテンプレート:Mvar対称群と呼ばれる。有限集合の間の単射 テンプレート:Math に対して対称群の間の単射 テンプレート:Math が自然に定まる。

特に、テンプレート:Mvar の位数(含まれるの個数、濃度)が テンプレート:Mvar のとき、テンプレート:Mvar と集合 テンプレート:Mvar とのあいだに全単射が存在するので両者を同一視することにより、テンプレート:Mathテンプレート:Mvar とは群として同型になる。この(全単射の取り方に依存する)群の同一視は次のように理解できる。テンプレート:Mvar からテンプレート:Mvarへの全単射は テンプレート:Mvar による テンプレート:Mvar の元の番号付けによって、または テンプレート:Mvar の元を数え上げる列 テンプレート:Math によって表される。このとき テンプレート:Mvar-次置換 テンプレート:Mvar は点 テンプレート:Mvar を点 テンプレート:Mvar に移すような写像、つまり点列 テンプレート:Math の順番を テンプレート:Math へと入れ替える写像として具体的に理解することができる。この写像に対応するグラフは、組 テンプレート:Mathテンプレート:Math に対して集めた有限集合であり、これはしばしば

[xkσ(xk)],[x1x2xnσ(x1)σ(x2)σ(xn)]

あるいは

[xkxσ(k)],[x1x2xnxσ(1)xσ(2)xσ(n)],[kσ(k)]

のように記されるテンプレート:Efn。後者の記法は番号の入れ替えとしての テンプレート:Mvar の表示を与えており、この二つの記法の対応が集合テンプレート:Mvar と集合 テンプレート:Mvar との同一視の仕方(全単射の選び方)に応じた テンプレート:Mathテンプレート:Math との間に定まる群の同型対応を具体的に与えている。

無限集合についての対称群にあたるものとして二つの異なった概念が挙げられる。ひとつめの概念は有限集合 テンプレート:Mvar に対する テンプレート:Math の構成をそのまま拡張し、有限とは限らない集合 テンプレート:Mvar に対しても テンプレート:Mvar から テンプレート:Mvar への全単射全体のなす群を考えることによって得られる。もう一つのより繊細な概念は、有限とは限らない集合 テンプレート:Mvar に対して、その有限部分集合全体のなす族 テンプレート:Math を考え、有限対称群たち テンプレート:Math (テンプレート:Math) の直極限

limX𝐅Sym(X)

として得られる群である。この二つの定式化は有限集合に対しては自然に同型な群を与えている。自然数の集合 テンプレート:Math に対して二つ目の方法を適用して得られる群は テンプレート:Math と書かれ、無限対称群と呼ばれる。これは テンプレート:Mvar たちすべての合併と見なすことができる。

諸概念

群演算

対称群 テンプレート:Mvar の群演算は写像の合成で与えられるが、置換 テンプレート:Mvar が与えられたとき、テンプレート:Mvar の積を共変的に テンプレート:Mvar で表すか反変的に テンプレート:Mvar で表すかは(対称群の作用の方向が左からであるか右からであるかという)文脈による。

テンプレート:Mvar の元 テンプレート:Mvar は全単射であるから逆写像 テンプレート:Math が存在して、これが写像の合成に関する逆元を与えるから、この テンプレート:Mathテンプレート:Mvar における テンプレート:Mvar の逆元であり、テンプレート:Mvar の逆置換などと呼ばれる。テンプレート:Mvar の単位元はどの元も動かさない恒等変換 テンプレート:Math であり、これを テンプレート:Math などで表して恒等置換などとも呼ぶ。

巡回置換

テンプレート:Main テンプレート:Mvar に属する置換 テンプレート:Mvar は、テンプレート:Math 上のある全単射 テンプレート:Mvar と、ある テンプレート:Math に対し

[kf(k)f2(k)fm1(k)fm(k)jf(k)f2(k)f3(k)fm(k)kj]

の形(ここで テンプレート:Mvarテンプレート:Math の形で得られないような テンプレート:Math の元全てについてである)に書けるならば巡回置換 テンプレート:Lang と呼び、

σ=(kf(k)fm(k))

で表す。このとき テンプレート:Mathテンプレート:Mvar によって一意に定まり、巡回置換 テンプレート:Mvar長さ テンプレート:Lang と呼ばれる。

ふたつの巡回置換が互いに素であるとは、それらが共通の文字を含まないことを言う。互いに素な巡回置換は互いに可換である。

任意の置換は互いに素な巡回置換の積に順序を除いて一意的に分解することができる(ただし、「[[空積|テンプレート:Math 個の積]]」は恒等置換、「テンプレート:Math 個の積」は自分自身という意味でいう)。

互換

置換のうち、特に二つの元のみを入れ替えて他の元は変えないものを互換 テンプレート:Lang という。すなわち、互換とは長さが テンプレート:Math の巡回置換のことである。任意の置換は互換の積として表される。そのような表し方は一通りとはかぎらないが、表示にあらわれる互換の数が偶数であるか奇数であるかは表し方に依らずに決まる。これを置換の偶奇性 (parity) という(置換の偶奇性を参照)。偶数個の互換の積として表される置換のことを偶置換 テンプレート:Lang といい、奇数個の互換の積として表される置換のことを奇置換 テンプレート:Lang という。n 次対称群の元のうち特に偶置換のみを集めると、その全体は テンプレート:Mvar 次対称群の正規部分群となる。この群を テンプレート:Mvar交代群 テンプレート:Mvar という。テンプレート:Mvarテンプレート:Math 以上のとき、 テンプレート:Mvar 次交代群はより小さな群の合成としては表せなくなっており、このことから五次以上の方程式に代数的な解の公式が存在しないことが説明される(ガロア理論)。

互換のうち テンプレート:Math の形で表される互換を基本互換 テンプレート:Lang あるいは隣接互換 テンプレート:Lang と呼ぶ。任意の置換は実は隣接互換の積に分解できる。つまり、対称群 テンプレート:Mvar は隣接互換で生成される。テンプレート:Mvar における隣接互換 テンプレート:Math は組み紐関係式

σiσj=σjσi(|ji|1)
σiσi+1σi=σi+1σiσi+1

を満たし、組み紐群 テンプレート:Mvar を生成元が対合となるという関係式

σi2=1

で割って テンプレート:Mvar 得られる。すなわち、テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar-型のコクセター群である。

置換の符号

テンプレート:Main テンプレート:Mvar-次の置換 テンプレート:Mvar について、テンプレート:Mvar符号と呼ばれる テンプレート:Math の数 テンプレート:Math を定めることができる。テンプレート:Math の定義にはいくつかの方法がある。

テンプレート:Mathテンプレート:Mvar から位数 テンプレート:Math の群 テンプレート:Math への準同型を定めており、二つ目の定式化からも明らかなように交代群はこの符号写像のとして特徴づけられる。

共役類

群に関する基本的な問題としてその共役類の分類が挙げられるが、対称群 テンプレート:Mvar における共役類は テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar への自然な作用に関する軌道の形によって分類される。実際、テンプレート:Mvarテンプレート:Mvarテンプレート:Mvar の元ならば テンプレート:Mvarテンプレート:Math は同じ軌道の形を持っており、逆に テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar が同じ軌道の形を持つならば適当な テンプレート:Math について テンプレート:Math となっている。これはすなわち、任意の置換を互いに素な巡回置換の積として表したとき、現れる巡回置換の長さが重複度を込めて一致しているような置換は同じ共軛類に入り、またその逆も成り立つということである。たとえば、テンプレート:Math

テンプレート:Math,
テンプレート:Math

のとき、テンプレート:Mvar の軌道は テンプレート:Math (テンプレート:Math) であり、一方 テンプレート:Math の軌道は テンプレート:Math (テンプレート:Math) で、どちらも一つの元からなる軌道を一つと二つの元からなる軌道を一つ持っている。

このように、軌道の形(テンプレート:Mvar の元の互いに素な巡回置換の積としての表示)は各自然数 テンプレート:Mvar に対して テンプレート:Mvar 個の元を持つような軌道(長さ テンプレート:Mvar の巡回置換)の数 テンプレート:Mvar がいくつかを指定することで決定される。このとき、集合 テンプレート:Mvar への作用を考えているので数列 テンプレート:Mathテンプレート:Msubテンプレート:Math を満たさなければならない(テンプレート:Mvar の分割)。このとき、

1m12m2nmn(1m1+2m2++nmn=n)

を置換 テンプレート:Mvar巡回置換型 テンプレート:Lang、あるいはたんにと呼ぶ。テンプレート:Mvar の共軛類は巡回置換型によって決まる。さらに共軛類の大きさは巡回置換型を用いると

n!1m12m2nmnm1!m2!mn!

と表せる。また、[[自然数の分割| テンプレート:Mvar の分割]]は、位数 テンプレート:Mvarヤング図形と一対一に対応しており、したがって テンプレート:Mvar の共役類は位数 テンプレート:Mvar のヤング図形たちによって記述されることになる。

交代群との関係

テンプレート:Math のとき交代群 テンプレート:Mvar単純で、それによって誘導される商は符号函数である。すなわち、短完全列

1AnSnC21 (ただしC2は位数2の巡回群)

は二つの元の互換を取ることによって分裂する。ゆえに、テンプレート:Mvar半直積

AnC2

に分解され、かつそれ以外の真の正規部分群を持たないことがわかる。実際、部分群があれば テンプレート:Mvar との交わりは単位群(したがってそれ自身単位群か二元群だが後者は正規ではない)または テンプレート:Mvar(したがってそれ自身 テンプレート:Mvar または テンプレート:Mvar)だからである。

テンプレート:Mvar は部分群である テンプレート:Mvar に共軛によって作用し、テンプレート:Math のとき テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar の全自己同型群となる。

Aut(An)Sn.

偶置換による共軛は テンプレート:Mvar内部自己同型であり、対して テンプレート:Mvar の位数 テンプレート:Mathテンプレート:仮リンクは奇置換による共軛に対応する。テンプレート:Math のときは、テンプレート:Mathテンプレート:仮リンクが存在するので、テンプレート:Mathテンプレート:Math の全自己同型群とはなっていない。

したがって、テンプレート:Math のとき テンプレート:Mvar は外部自己同型を持たず、さらに テンプレート:Math のとき中心を持たない。ゆえに テンプレート:Math のとき テンプレート:Mvarテンプレート:仮リンクである(後述)。

テンプレート:Math のとき テンプレート:Mvarテンプレート:仮リンクであり、それは単純群 テンプレート:Mvar とその自己同型群の間に位置するものとみなされる。

群の置換表現

テンプレート:Seealsoテンプレート:Mvar が与えられたとき、テンプレート:Mvar の元 テンプレート:Mvar の左・右・両側からの積

γg:GG; xgxδg:GG; xxg1σg:GG; xgxg1

テンプレート:Mvar 上の全単射を与える。群 テンプレート:Mvar から対称群 テンプレート:Math への写像

γ:GSym(G); gγgδ:GSym(G); gδgσ:GSym(G); gσg

は群の準同型であり、これにより群 テンプレート:Mvar の元は テンプレート:Mvar 自身の上の置換群の元として表される。これが群の置換表現である。

置換表現を一元体上の線型表現と看做して表現論の一般論に組み込む試みが見られる。

対称群の作用

一般多項式のガロア群

多項式ガロア群とは、多項式の根の全体からなる集合上の置換群のことをいう。テンプレート:Mvar-次対称群 テンプレート:Mvar は有理数体 テンプレート:Math 上の テンプレート:Mvar-次の一般多項式(係数の間に何らの代数的な関係式も成立しないような多項式)

a0+a1X+a2X2++anXn(a0,a1,...,an)[X]

のガロア群であることが示される。テンプレート:Mvar の可解性(これはもちろん交体群 テンプレート:Mvar可解性と等価であるが)が、テンプレート:Mvar-次一般多項式に対する代数的な根の公式の存在性に言及できるのはこのためである。

対称式

テンプレート:Main テンプレート:See also 上の多変数多項式環 テンプレート:Math は対称群 テンプレート:Mathテンプレート:Mvar への作用を移すことで テンプレート:Math が作用する。この作用の下で不変な元の全体を

k[X]𝔖|X|:={f(X)k[X]fσ=f for all σ𝔖|X|}

などであらわし、その元を対称式と呼ぶ(テンプレート:Math のときは、無限変数の多項式環と無限対称群とを考えるならば同様の概念を構成できて、不変元は対称函数と呼ばれる)。

置換行列

テンプレート:Main テンプレート:Mvar-次の対称群をベクトル空間基底の変換として作用させることで置換を行列表示することができる。具体的に テンプレート:Mvar-次元のベクトル空間 テンプレート:Mvar とその基底 テンプレート:Math をひとつ固定して、置換 テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar への作用を

テンプレート:Math (テンプレート:Math)

によって定める。このとき テンプレート:Mvar の表現行列を テンプレート:Mvar とすると

テンプレート:Math

から、クロネッカーのデルタ テンプレート:Mvar を用いて テンプレート:Math となる。この行列 テンプレート:Mvar を、置換 テンプレート:Mvar に対応する置換行列という。偶置換に対応する置換行列の定める線型変換は空間の向きを保ち、一方で奇置換に対応する線型変換は空間の向きを反転させている。

対称群の部分群構造

対称群の部分群は一般に置換群と呼ばれる。

正規部分群

対称群の正規部分群は有限の場合にはよく知られている。テンプレート:Math の場合を除き、テンプレート:Mvar-次交代群は テンプレート:Mvar-次対称群の単位群でない真の正規部分群である。テンプレート:Math の場合は交代群は単位群であるが、テンプレート:Math の場合にはもうひとつの単位群でない真の正規部分群としてクラインの四元群がある。

無限集合上の対称群の正規部分群には、交代群に対応するもの以外にも、その集合の適当な濃度の部分集合の元を除いて全ての元を固定するような無限濃度で添字付けられた部分群なども存在する。例えば、可算無限集合上の対称群は、有限個を除く全ての元を固定するような置換の全体からなる正規部分群 テンプレート:Mvar を含む。この テンプレート:Mvar の元というものは、どれも無限対称群に含まれ、偶または奇置換である。テンプレート:Mvar の偶置換の全体は テンプレート:Mvar特性部分群を成し、テンプレート:Mvar の交代群と呼ばれる。また、可算無限集合上の対称群の単位群でない真の正規部分群はほかには存在しない。詳細は テンプレート:Harv あるいは テンプレート:Harv を参照されたい。

極大部分群

有限対称群のテンプレート:仮リンクは、非推移的 (intransitive)・非原始的 (imprimitive)・原始的 (primitive) の三種類のクラスに分けられる。非推移的極大部分群はちょうど テンプレート:Math (テンプレート:Math) の形をした部分群である。非原始的極大部分群はちょうど テンプレート:Math の形をしている(ただし、テンプレート:Mathテンプレート:Mvar の真の約数で、"テンプレート:Math" は非原始的に作用する輪積を表す)。原始的極大部分群は同じように表すのは難しいが、テンプレート:仮リンク有限単純群の分類定理の助けを借りるならば、テンプレート:Harv にこの型の極大部分群の十分わかりやすい記述がある[2]

シロー部分群

対称群のシロー部分群は [[p群|テンプレート:Mvar-群]]の重要な例をあたえる。特別な場合には、以下のようにより容易に記述することができる。

テンプレート:Mvar-次対称群のシロー テンプレート:Mvar-部分群は、単に テンプレート:Mvar-次巡回置換で生成される巡回部分群であり、そのような部分群は テンプレート:Math 個存在することが、単に生成元を数えることによってわかる。したがってその正規化部分群は位数 テンプレート:Math であり、(特に テンプレート:Math のとき)テンプレート:仮リンク テンプレート:Math や、アフィン一般線型群 テンプレート:Math としても知られる。

また、テンプレート:Math-次対称群のシロー テンプレート:Mvar-部分群は、位数 テンプレート:Mvar のふたつの巡回群の輪積である。例えば テンプレート:Math のとき、テンプレート:Math のシロー テンプレート:Math-部分群は テンプレート:Math および テンプレート:Math で生成され、シロー テンプレート:Math-部分群の任意の元は

aixjykzl(0i,j,k,l2)

の形で与えられる。

同様に、テンプレート:Mvar-次対称群のシロー テンプレート:Mvar-部分群はしばしば テンプレート:Math と書かれる。この記号法に従えば、テンプレート:Mathテンプレート:Mathテンプレート:Math との輪積となる。

一般に テンプレート:Mvar-次対称群のシロー テンプレート:Mvar-部分群は、テンプレート:Mathテンプレート:Mvar 個のコピーの直積である。ただし、テンプレート:Math かつ テンプレート:Math とする。

例えば、テンプレート:Math および テンプレート:Math (位数 テンプレート:Math二面体群)である。また、テンプレート:Math-次対称群のシロー テンプレート:Math-部分群は テンプレート:Math で生成され、テンプレート:Math に同型である。

これらの計算は テンプレート:Harv による。またさらに詳細な記述については テンプレート:Harv を参照。テンプレート:Harvコーシーの1844年の結果に基づくもので、その内容のほとんどは教科書として テンプレート:Harv がカバーしていることに注意。

対称群の自己同型群

テンプレート:Mvar 自己同型群 外部自己同型群 中心
テンプレート:Math テンプレート:Mvar 1 1
テンプレート:Math 1 1 テンプレート:Math
テンプレート:Math S6C2 テンプレート:Math 1

テンプレート:Math のとき テンプレート:Mvarテンプレート:仮リンク中心テンプレート:仮リンクが両方とも自明)である。

テンプレート:Math のとき、自己同型群は自明だが テンプレート:Math 自身は自明でない(巡回群 テンプレート:Math に同型で、これはアーベル群だから、中心は テンプレート:Math 全体)。

テンプレート:Math のときは位数 テンプレート:Math の外部自己同型をもち、自己同型群は テンプレート:Mathテンプレート:Math による半直積となる。

Out(S6)=C2,Aut(S6)=S6C2.

実は、テンプレート:Math 以外の濃度の任意の集合 テンプレート:Mvar に対して、テンプレート:Mvar 上の対称群の任意の自己同型は内部自己同型である。テンプレート:Harv によれば、この結果をはじめて得たのは テンプレート:Harv である。

対称群のホモロジー

対称群 テンプレート:Mvar群ホモロジーは極めて正則かつ安定である。一次のホモロジー(つまりアーベル化)は

H1(Sn,)={0n<2/2n2

である。テンプレート:Math のときは自明、テンプレート:Math のときは符号写像 テンプレート:Math に対応している。これは以下のように簡単に計算できる。テンプレート:Mvar対合(位数 テンプレート:Math の元、テンプレート:Math-サイクル)で生成されるから、写像 テンプレート:Math が非自明なのは テンプレート:Math のときであり、またすべての対合は、共軛であるから(アーベル群上の共軛変換は自明なので)そのアーベル化の同じ元へうつる。したがって、唯一可能な写像

SnC2{±1}

は対合を テンプレート:Math へ移す(自明写像)か テンプレート:Math へ移す(符号写像)。符号写像が矛盾なく定まっていることは確認すべきことだが、それを認めれば、これで テンプレート:Mvar の一次ホモロジーが得られる。

二次のホモロジー(具体的にはテンプレート:仮リンク)は

H2(Sn,)={0n<4/2n4

である。これは テンプレート:Harv で計算されており、テンプレート:仮リンク テンプレート:Math に対応する。

交代群の低次ホモロジーに関するテンプレート:仮リンクな同型(非自明なアーベル化の存在に対応して

H1(A3)H1(A4)C3

が成り立ったり、例外的三重被覆の存在によって

H2(A6)H2(A7)C6

が成立するなど)に対して、交代群を対称群に取り替えることはできないことに注意すべきである。これは、交代群に関する現象から対称群に関する現象が導ける(例えば自然な全射 テンプレート:Math は自然な全射 テンプレート:Math に延びるし、テンプレート:Math および テンプレート:Math の三重被覆は テンプレート:Math および テンプレート:Math の三重被覆に延びる)けれども、しかしそれは「ホモロジー的」(ホモロジーを取る操作と可換)ではないという意味である。つまり、全射 テンプレート:Mathテンプレート:Mathテンプレート:Math をそのアーベル化に取り替えることはできないし、後者の例では三重被覆をホモロジーに対応させることができないということになる。

このホモロジーはテンプレート:仮リンク論でいう意味で「安定」である。すなわち、包含写像 テンプレート:Math と適当な整数 テンプレート:Mvar が存在して、ホモロジーの間の包含写像

Hk(Sn)Hk(Sn+1)

が十分大きな テンプレート:Mvar に対して同型となる。これはリー群のホモロジーの安定性の類似である。

無限対称群のホモロジーはそのコホモロジー代数をホップ代数化することによって テンプレート:Harv で計算されている。

対称群の表現論

テンプレート:Main

対称群の表現論有限群の表現論の特別な場合であり、具体的かつ詳細な理論が展開される。その応用は広く、対称函数の理論から、同種粒子に対する量子力学まで利用される。

対称群 テンプレート:Mvar の位数は テンプレート:Math である。共軛類テンプレート:Mvar の分割でラベル付けられるから、有限群の表現論に従えば、複素数体上の互いに同値でない既約表現の総数は テンプレート:Mvar の分割の総数に等しい。有限群の一般的な状況とは異なり、実は共軛類をパラメータ付けするのと同じ集合(つまり テンプレート:Mvar の分割やサイズが テンプレート:Mvarヤング図形)で既約表現をパラメータ付けする自然な方法が対称群の場合には存在する。

そのような既約表現はどれも整数全体の集合上で実現することができる(任意の置換が成分が整数の行列として作用する)。これはヤング図形によって形の与えられるヤング盤の全体で生成される空間へのテンプレート:仮リンクを計算することによって明示的に構成できる。

複素数体をもっとほかのに変更すれば、状況はもっと複雑になる。体 テンプレート:Mvar標数テンプレート:Mathテンプレート:Mvar よりも大ならば、マシュケの定理により群環 KSテンプレート:Msub半単純であり、この場合整数環上定義された既約表現は(必要ならばその標数を法とする還元を行って)既約表現の完全集合を与える。

しかしそれ以外の任意の標数における対称群の既約表現については知られていない。この文脈では表現の言葉よりも加群の言葉を用いるほうが普通であるが、整数環上定義された既約表現に標数を法とした還元を行って得られる表現は一般には既約でない。こうして得られる加群はテンプレート:仮リンクと呼ばれ、任意の既約表現はそれらの加群の中から得られる。いまのところそのような既約加群はあまり知られておらず、それらの分類についてもたいした理解は得られていない。例えば、その次元なども一般にはわかっていない。

任意の体上で対称群の既約加群を決定することは、表現論における重要な未解決問題のひとつであると広くみなされている。

関連項目

注釈

テンプレート:Reflist

出典

テンプレート:Reflist

参考文献

テンプレート:Refbegin

テンプレート:Refend

外部リンク