複素数

数学におけるテンプレート:読み仮名とは、2つの実数テンプレート:Math2 と虚数単位 テンプレート:Math2 を用いて

と表すことのできる数のことであるテンプレート:Efn。テンプレート:Math2 は実数体上線型独立であり、複素数は、係数体を実数とする、テンプレート:Math2 の線型結合である。実数体テンプレート:Mathbf 上の二次拡大環の元であるため、二元数の一つである。

複素数全体からなる集合を、太字のテンプレート:Mathbf あるいは黒板太字でテンプレート:Math と表す。テンプレート:Mathbf は可換体である。体論の観点からは、複素数体テンプレート:Mathbf は、実数体テンプレート:Mathbf にテンプレート:Math を添加して得られる体の拡大である。代数学の基本定理により、複素数体は代数的閉体である。

複素数体はケーリー＝ディクソン代数（四元数、八元数、十六元数など）の基点となる体系であり、またさまざまな多元数の中で最もよく知られた例である。

複素数の概念は、一次元の実数直線を二次元の複素平面に拡張する。複素数全体に通常の大小関係を入れることはできない^[1]^[2]。つまり、複素数体テンプレート:Mathbf は順序体でないテンプレート:Efn。

数学での分野、概念や構成において、考えている体構造が複素数体であるとき、それを、それらの概念等の名称に、多くは接頭辞「複素-」を付けることで反映させる。例えば、複素解析、複素行列、複素（係数）多項式、複素リー代数など。

概観

定義

テンプレート:Math を満たす数テンプレート:Mvar を虚数単位という。実数テンプレート:Math とテンプレート:Mvar は実数体上で線型独立である。実数テンプレート:Math2 を係数としてテンプレート:Math2 の線型結合で表される数テンプレート:Math を複素数と呼ぶテンプレート:Efn。

任意の実数テンプレート:Mvar はテンプレート:Math2 と表せるので複素数である（実数全体の複素数全体への埋め込みは、四則演算および絶対値を保つという意味で、位相体の埋め込みである）。テンプレート:Math2 の形の複素数を純虚数と呼ぶ。

複素数テンプレート:Math2 に対して、

テンプレート:Mvar をテンプレート:Mvar の実部 (real part) といい、テンプレート:Math2 などで表す。

テンプレート:Mvar をテンプレート:Mvar の虚部 (imaginary part) といい、テンプレート:Math2 などで表す。虚部とは実数「テンプレート:Mvar」を指し複素数「テンプレート:Mvar」ではないことに注意^[3]^[4]。

虚部がテンプレート:Math でない、すなわち実数でない複素数のことを虚数という。
実部、虚部がともに整数のときガウス整数といい、その全体をテンプレート:Math と書く。
実部、虚部がともに有理数のときガウス有理数といい、その全体をテンプレート:Math と表す。

複素平面

テンプレート:Main

複素数テンプレート:Math2（テンプレート:Math2 は実数）は実数の対テンプレート:Math に 1: 1 に対応するから、複素数全体からなる集合テンプレート:Mathbf は、テンプレート:Math2 をテンプレート:Math と見なすことにより座標平面と考えることができる。この座標平面を複素平面という。カール・フリードリヒ・ガウスに因んでガウス平面、テンプレート:仮リンクに因んでアルガン図と呼ばれることもある。これと異なる語法として、テンプレート:Mathbf は複素数体上一次元のアフィン線型多様体であるので、複素直線とも呼ばれる。

複素数平面においては、テンプレート:Mvar座標が実部、テンプレート:Mvar座標が虚部に対応し、テンプレート:Mvar軸（横軸）を実軸 (real axis) 、テンプレート:Mvar軸（縦軸）を虚軸 (imaginary axis) と呼ぶ^[5]。

複素数テンプレート:Math に対して

テンプレート:Math2

とすると、テンプレート:Math は距離空間となる。この距離は、座標平面におけるユークリッド距離に対応する。複素数平面は複素数の計算を視覚化でき、数直線の概念そのものを拡張した。

複素数球面

テンプレート:Main

複素関数論においては、複素数平面テンプレート:Mathbf を考えるよりも、無限遠点を付け加えて1点コンパクト化したテンプレート:Math を考える方が自然であり、議論が透明になることもある。複素数球面またはリーマン球面と呼ばれ、以下に示すように2次元球面同型テンプレート:Math と位相同型である。無限遠点にも幾何的な意味を与えることができる。

複素数平面テンプレート:Mathbf を、テンプレート:Mvar座標空間内のテンプレート:Mvar平面とみなし、テンプレート:Math に含まれテンプレート:Mvar平面と原点で接する球面テンプレート:Math2 を考える。この球における原点のテンプレート:仮リンクテンプレート:Math を北極と呼ぶことにする。任意の複素数テンプレート:Mvar に対しテンプレート:Mvar と北極を結んだ線分はこの球面と、北極以外の一点で必ず交わり、それをテンプレート:Math と書けばテンプレート:Mvar は単射、連続写像である。テンプレート:Mvar の像は、球面から北極を除いた部分である。また、テンプレート:Math のときテンプレート:Math（北極）である。そこで、テンプレート:Mvar の定義域をテンプレート:Math に拡張すると、テンプレート:Math は同相写像になる。

この同相写像テンプレート:Mvar は、複素平面上の円を円に写し、複素平面上の直線を、無限遠点を通る円に写す。このことは、複素平面上の直線と円はほぼ同等であることを表している。

基本的な性質

相等関係

二つの複素数が等しいとは、それらの実部および虚部がそれぞれ等しいことである：

z_{1} = z_{2} ⟺ (Re z_{1} = Re z_{2}) \land (Im z_{1} = Im z_{2})

このことは、テンプレート:Math2 が線型独立であることから示される。

四則演算

テンプレート:Math2（複号同順）
テンプレート:Math2
$\frac{a + b i}{c + d i} = \frac{a c + b d}{c^{2} + d^{2}} + \frac{b c - a d}{c^{2} + d^{2}} i$

テンプレート:Math は整数とする。

複素共役（共役複素数）

テンプレート:Main

複素数テンプレート:Math に対して、虚部テンプレート:Mvar を反数にした複素数テンプレート:Math をテンプレート:Mvar の共役（きょうやく、conjugate, 本来は共軛）複素数といい、記号でテンプレート:Math（またはテンプレート:Math）と表す^[5]。

テンプレート:Math2

テンプレート:Mvar とテンプレート:Overline を複素共役あるいは単に共役という。

複素数の共役をとる複素関数テンプレート:Math2 は環準同型である。すなわち次が成り立つ。

複素共役は実数を変えない：

テンプレート:Mvar が実数テンプレート:Math2

逆に、テンプレート:Mathbf 上の環準同型写像で、実数を変えないものは、恒等写像か複素共役変換に限られる。

複素共役変換テンプレート:Math2 は、テンプレート:Math の全ての点で複素微分不可能である。

以下の性質が成り立つ。

テンプレート:Mvar が実数 ⇔ テンプレート:Math2
テンプレート:Mvar が純虚数 ⇔ テンプレート:Math
テンプレート:Math2（複号同順）
テンプレート:Math2
$\overline{(\frac{z}{w})} = \frac{\overline{z}}{\overline{w}}$
$\overline{z^{n}} = {(\overline{z})}^{n}$ （テンプレート:Mvar は整数）
$\overline{\overline{z}} = z$ （対合）
テンプレート:Math2
テンプレート:Math2
- テンプレート:Math 以外の複素数の逆数は、絶対値と共役で表せるテンプレート:Efn：
$\frac{1}{z} = \frac{\overline{z}}{| z |^{2}} (z \neq 0)$
テンプレート:Math2
テンプレート:Math2

代数方程式の解について、次が成り立つ：

「実係数多項式テンプレート:Math が虚数根テンプレート:Mvar をもつならば、テンプレート:Math もテンプレート:Math の虚数根である」

つまり、

実係数多項式テンプレート:Math について、テンプレート:Math2

（1746年、ダランベール）

このことは、複素共役変換が環準同型であることから容易に示せる。

極形式

テンプレート:See also

複素数を実部と虚部で表すのとは別の方法として、複素数平面上での点テンプレート:Math を、原点テンプレート:Math からの距離と、テンプレート:仮リンクと線分テンプレート:Math の見込む角を反時計回りに測ったものの対（テンプレート:Math の極座標）で表す方法が挙げられる。これにより、複素数の極形式の概念が導入される。

絶対値

テンプレート:Main 複素数テンプレート:Math2（テンプレート:Math2 は実数）の絶対値は

| z | = \sqrt{x^{2} + y^{2}}

で定義される。これはテンプレート:Math 以上の実数である。テンプレート:Mvar が実数（つまりテンプレート:Math2）のときテンプレート:Math は実数の絶対値テンプレート:Math2 に一致する。

複素数の絶対値は、ピタゴラスの定理により、複素平面における原点テンプレート:Math とのユークリッド距離に等しい。そして次が成り立つ。

逆に、複素数の絶対値は、実数の絶対値を複素数に拡張したノルム代数として特徴付けられる。

複素数テンプレート:Mvar の絶対値テンプレート:Math は、テンプレート:Mvar を極形式表示：

テンプレート:Math2

したときの動径テンプレート:Mvar に等しい。

共役複素数と自身の積は、絶対値の平方に等しい。すなわち複素数テンプレート:Mvar に対して

| z |^{2} = z \overline{z} = x^{2} + y^{2}

が成り立つ。

偏角

テンプレート:Main 複素数テンプレート:Mvar の偏角（応用の場面ではしばしば「位相」とも呼ばれる）テンプレート:Math とは、複素平面上で、正の実軸から測った動径テンプレート:Math の角度のことである。偏角テンプレート:Mvar の値はラジアンで表すものとする。

角にテンプレート:Math の任意の整数倍を加えてもそれが表す動径、複素数は同じであるから、偏角を与える関数は多価関数である。

そこで、偏角テンプレート:Math を一価関数として定義するには、主値を区間テンプレート:Math とする場合、逆正接関数から次のようにして定義される^[6]（計算機言語では、テンプレート:Math の逆正接関数を、二つの引数テンプレート:Math2 に対する atan2 テンプレート:Math として実装していることが多い）：

\arg z = {\begin{matrix} \arctan \frac{y}{x} & if x > 0 \\ \arctan \frac{y}{x} + π & if x < 0 and y \geq 0 \\ \arctan \frac{y}{x} - π & if x < 0 and y < 0 \\ \frac{π}{2} & if x = 0 and y > 0 \\ - \frac{π}{2} & if x = 0 and y < 0 \\ indeterminate & if x = y = 0 \end{matrix}

複素数がテンプレート:Math のときだけ偏角は不定 (indeterminate) となる。

上記の定義で、負となる偏角の値に対してはテンプレート:Math を加えることにすると、主値はテンプレート:Math となる。

複素数テンプレート:Mvar が主値の端の値の近傍を連続的に変化するならば、偏角の値もまたその近傍で連続的に変化するように枝をとるものとして、それを単にテンプレート:Math2 のように書くテンプレート:Efn。

極形式の表示と記法

複素数テンプレート:Math2（テンプレート:Math2 は実数）において、直交座標系テンプレート:Math2 に対応する極座標系をテンプレート:Math テンプレート:Math2 とするとき、

z = r (\cos φ + i \sin φ)

（三角関数表示）

と表すことができる。この表示式を極形式 (polar form) という。テンプレート:Mvar はテンプレート:Mvar の絶対値、テンプレート:Mvar はテンプレート:Mvar の偏角である。テンプレート:Math を除いて、この表示は一意である。

極形式から元の直交座標を恢復するには、三角関数表示を展開すればよい。

オイラーの公式を用いれば、これを

テンプレート:Math2

と書くことができるし、純虚指数函数を用いて

テンプレート:Math2

と書くこともある。

フェーザ表示

z = r ∠ φ

は電子工学において振幅テンプレート:Mvar と位相テンプレート:Mvar を持つ正弦信号を表すのによく用いられる^[7]。

極形式表示での乗除法

[[画像:Complex multi.svg|thumb|テンプレート:Math（青）とテンプレート:Math（赤）の積の、複素平面における位置。
赤三角は、青三角の偏角だけ回転され、青三角の斜辺 ([[5の平方根|テンプレート:Math]]) は、赤三角の斜辺だけ拡大され
テンプレート:Math2
を表す三角（灰）になる。
テンプレート:Math の偏角はテンプレート:Math（ラジアン）であるから、偏角について
テンプレート:Math2
が成り立つ（テンプレート:Math は逆正接関数）。逆正接関数は高効率で近似することができることに応じて、[[円周率|テンプレート:Pi]] を高精度に近似するこのような式（マチンの公式と呼ばれる）に用いられる。]] 複素数の乗除・冪は、極形式表示をしてから行う方が、直交座標表示よりも、見通しがよくなる。2つの複素数の極形式を

テンプレート:Math2,

テンプレート:Math2

とすると、積テンプレート:Math は、三角関数の加法定理：

\cos α \cos β - \sin α \sin β = \cos (α + β),

\cos α \sin β + \sin α \cos β = \sin (α + β)

により

z_{1} z_{2} = r_{1} r_{2} (\cos (φ_{1} + φ_{2}) + i \sin (φ_{1} + φ_{2}))

となる。すなわち、積の絶対値は絶対値の積であり、積の偏角は偏角の和である。

テンプレート:Math2 より、虚数単位テンプレート:Math2 を掛けること（作用）は、複素数平面上で原点中心に反時計回りに直角回転させることである。ゆえに、虚数単位テンプレート:Mvar は、複素数平面上では、直交座標でテンプレート:Math の位置にある。

同様にして、商は

\frac{z_{1}}{z_{2}} = \frac{r_{1}}{r_{2}} (\cos (φ_{1} - φ_{2}) + i \sin (φ_{1} - φ_{2}))

になる。

偏角の計算規則

偏角に関する等式テンプレート:Math2 は、両辺の差がテンプレート:Math の任意の整数倍であることを除いて成り立つ等式であることに注意しなければならない。

例えば

テンプレート:Math2

において、もし各項が任意の偏角をとるものとしてしまうと、

テンプレート:Math2（テンプレート:Mvar は任意の整数）

と書けば、右辺はテンプレート:Math だが左辺はテンプレート:Math（テンプレート:Mvar は任意の整数）となり厳密には等しくならない。

それを明示するために合同式の記法を流用してしばしば

テンプレート:Math2

などとも書く。このようにテンプレート:Math に関して合同であるという理解は重要である。しかし、先述のように（適当なリーマン面上で）偏角をとるものと仮定すれば、テンプレート:Math の整数倍を加える不定性無く実際に等号が成り立つ。すなわち、三つの複素数テンプレート:Math2 のそれぞれに対して独立に偏角をとるのではなく、ひとたびテンプレート:Math2 を満たすように偏角を一組選べば（例えば右辺の各項の値を決め、それによって左辺の値を定義すれば）、テンプレート:Mvar あるいはテンプレート:Mvar を連続的に変化させるとき、テンプレート:Math も連続的に変化して、そのような三点の近傍において常に厳密な意味で等号が成立するテンプレート:Sfn。

この注意の下で以下が成り立つ：

偏角の計算法則は対数のそれとほぼ同じであるが、それは複素対数函数の虚部が偏角に等しいことに起因している。

ド・モアブルの定理

テンプレート:Main 実数テンプレート:Mvar, 整数テンプレート:Mvar に対して、

テンプレート:Math2

が成り立つ（ド・モアブルの定理）。オイラーの公式より

テンプレート:Math2

と表現することもできる。テンプレート:Mvar が整数でないとき一般には成り立たない。

性質と特徴付け

テンプレート:出典の明記

体構造

テンプレート:Main 複素数全体からなる集合テンプレート:Mathbf は可換体になる。つまり、以下の事実が成り立つ。

閉性：任意の二つの複素数の和および積は再び複素数になる。
反数の存在：任意の複素数テンプレート:Mvar に加法逆元テンプレート:Math が存在してそれもまた複素数である。
逆数の存在：任意の非零複素数に対して乗法逆元テンプレート:Math が存在する。
さらにいくつかの法則を満足する。複素数テンプレート:Math2 に対して
- 和の交換法則：テンプレート:Math2
- 和の結合法則：テンプレート:Math2
- 積の交換法則：テンプレート:Math2
- 積の結合法則：テンプレート:Math2
- 分配法則：テンプレート:Math2

これらの性質は、実数全体からなる集合テンプレート:Mathbf が可換体であるという事実の下、先に与えた基本的な和と積の定義式から証明することができる。

実数と異なり、虚数に通常の大小関係 (テンプレート:Math2) はない。つまり、複素数体テンプレート:Mathbf は順序体にはならない^[1]^[5]。これは、自乗すると負である数（例えば虚数単位テンプレート:Mvar）が存在することによる。

代数的閉体

テンプレート:Main 代数学の基本定理より、複素数を係数とする代数方程式の解は存在しまた複素数になる。つまり、

a_{n} z^{n} + \dots + a_{1} z + a_{0} (a_{r} \in ℂ, a_{n} \neq 0)

は、少なくとも一つの複素根テンプレート:Mvar を持つ。

上記の多項式の複素根の一つをテンプレート:Math とし、因数定理を帰納的に用いると、上記の多項式は

\sum_{r = 0}^{n} a_{r} z^{r} = a_{n} \prod_{k = 1}^{n} (z - α_{k}) (α_{k} \in ℂ)

と複素数の範囲で因数分解される。これは、複素数が代数方程式による数の拡張の最大であることを意味している。つまり、テンプレート:Mathbf は代数的閉体である。

代数学の基本定理の証明にはさまざまな方法がある。例えばリウヴィルの定理などを用いる解析的な方法や、巻き数などを使う位相的な証明、あるいは奇数次の実係数多項式が少なくとも一つの実根を持つ事実にガロア理論を組み合わせた証明などがある。

この事実により、「任意の代数的閉体に対して成り立つ定理」をテンプレート:Mathbf にも適用できる。例えば、任意の空でない複素正方行列は少なくとも一つの複素固有値を持つ。

代数的特徴付け

体テンプレート:Mathbf は以下の三つの性質：

標数はテンプレート:Math である。これはテンプレート:Math を何回足してもテンプレート:Math2 となるという意味である。
テンプレート:Mathbf の素体テンプレート:Mathbf 上の超越次数は連続体濃度に等しい。
代数的閉体である。（#代数的閉体を参照）

を満足する。この三つの性質を持つ任意の体は、体としてテンプレート:Mathbf に同型であることが示せる。例えば [[p進数|テンプレート:Math]] の代数的閉包はこれら三つを満たすので、テンプレート:Mathbf に同型となる。この代数的なテンプレート:Mathbf の特徴付けの帰結として、テンプレート:Mathbf は自身に同型な真の部分体を無数に含むことが分かる。

またテンプレート:Mathbf は複素テンプレート:仮リンク体に同型である（が、その同型を決めるには選択公理が必要となる）。

位相体としての特徴付け

テンプレート:Mathbf には代数的側面のみならず、近傍や連続性などの解析学や位相空間論の分野で考慮の対象となる性質も備わっている。そのような位相的性質に関してテンプレート:Mathbf は、適当な意味で収束の概念を考えることのできる位相体を成すことに注意しよう。

テンプレート:Mathbf は以下の三条件を満たす部分集合テンプレート:Mvar を持つ。

テンプレート:Mvar は加法、乗法および逆元を取ることについて閉じている。
テンプレート:Mvar の異なる元テンプレート:Math2 に対して、テンプレート:Math またはテンプレート:Math のうちの何れか一方のみがテンプレート:Mvar に属する。
テンプレート:Mvar がテンプレート:Mvar の空でない部分集合ならば、適当なテンプレート:Math2 に対してテンプレート:Math2 が成り立つ。

このテンプレート:Mvar はつまり正の実数全体の成す集合である。さらに言えば、テンプレート:Mathbf は非自明な対合的テンプレート:仮リンクとして複素共軛変換テンプレート:Math2 を持ち、任意の非零複素数テンプレート:Mvar に対してテンプレート:Math2 が成り立つ。

これらの性質を満たす任意の体テンプレート:Mvar には、任意のテンプレート:Math2 に対する集合テンプレート:Math2 を開基とすることによって、位相を入れることができ、この位相に関してテンプレート:Mvar はテンプレート:Mathbf に位相体として同型になる。

これとは別の位相的な特徴付けに、連結な局所コンパクト位相体はテンプレート:Mathbf およびテンプレート:Mathbf に限ることが利用できる。実際このとき、非零複素数の全体テンプレート:Math は連結だが、非零実数の全体テンプレート:Math は連結でないという事実を併せれば、テンプレート:Mathbf と峻別することができる。

乗法群の構造

非零複素数の全体テンプレート:Math2 は、複素数体テンプレート:Mathbf の乗法群テンプレート:Math であり、テンプレート:Mathbf における距離空間としての部分位相空間と見て、位相群を成す。また、絶対値テンプレート:Math の複素数全体の成す群（円周群）テンプレート:Mathbf はその部分位相群であり、写像

ℝ / ℤ \to 𝕌; x + ℤ \mapsto e^{2 π i x}

および写像

ℂ^{*} \to ℝ_{+}^{*} \times 𝕌; r e^{i θ} \mapsto (r, e^{i θ})

は位相群としての同型である。ここに、テンプレート:Math は商位相群、テンプレート:Math は正の実数の全体が乗法についてなす群であり、テンプレート:Math は位相群の直積を表す。

形式的構成

実数の対として

テンプレート:Main 1835年にハミルトンによって、負の数の平方根を用いない複素数の定義が与えられた。

実数の順序対テンプレート:Math およびテンプレート:Math に対して和と積を

テンプレート:Math2

により定めるとき、テンプレート:Math を複素数という。実数テンプレート:Mvar はテンプレート:Math で表され、虚数単位テンプレート:Mvar はテンプレート:Math に当たる。このとき、テンプレート:Math はテンプレート:Math に関して体となり、零元はテンプレート:Math、単位元はテンプレート:Math である^[8]。

ハミルトンの代数的な見方に対するこだわりは、複素数をさらに拡張した四元数の発見へと結び付いた。

剰余環としての構成

テンプレート:Main テンプレート:See also 複素数体テンプレート:Mathbf の代数的な構造は、体および多項式の概念により、自然に構成することができる。

体とは、四則演算ができてよく知られた計算法則を満たすものである（例えば有理数体など）。実数全体の成す集合テンプレート:Mathbf は体である。また、係数体がテンプレート:Mathbf の多項式全体の成す集合テンプレート:Math は、通常の加法、乗法に関して環を成す（多項式環と呼ばれる）ことに注意する。

剰余環テンプレート:Math は、テンプレート:Mathbf を含む体であることは示すことができる。この拡大体において、テンプレート:Math2（の属する剰余類）はテンプレート:Math の平方根である。この剰余環の任意の元は、多項式の除法の原理より、テンプレート:Math（テンプレート:Math2 は実数）の形の多項式を代表元に一意に持つ。ゆえに、テンプレート:Math はテンプレート:Mathbf 上の2次元ベクトル空間であり、テンプレート:Math（が属する剰余類）はその基底である。

テンプレート:Math の元（剰余類）テンプレート:Math（テンプレート:Math2 は実数）を、実数の順序対テンプレート:Math に対応させると、前節で述べた体が得られる。この2つの体は体同型である。

行列表現

テンプレート:See also 複素数テンプレート:Math2 を、テンプレート:Mathbf 上の（左からの）作用と見ると、それに対応するテンプレート:Math 上での一次変換の表現行列を考えることができる。

対応

a + b i \leftrightarrow (\begin{matrix} a & - b \\ b & a \end{matrix}) (a, b \in ℝ)

により、複素数は実二次正方行列で表現することができる。特に、実数単位テンプレート:Math, 虚数単位テンプレート:Mvar は

1 \leftrightarrow (\begin{matrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{matrix}), i \leftrightarrow (\begin{matrix} 0 & - 1 \\ 1 & 0 \end{matrix})

である。この対応により、複素数の加法および乗法は、この対応によって通常のテンプレート:仮リンクおよび行列の乗法に対応する。複素共役は転置行列に対応している。

極形式表示をテンプレート:Math2 とすると、

(\begin{matrix} a & - b \\ b & a \end{matrix}) = (\begin{matrix} r \cos θ & - r \sin θ \\ r \sin θ & r \cos θ \end{matrix}) = r (\begin{matrix} \cos θ & - \sin θ \\ \sin θ & \cos θ \end{matrix})

は角度テンプレート:Mvar の回転行列のスカラーテンプレート:Mvar 倍であり、これは複素数の積がテンプレート:Math 上で原点を中心とするテンプレート:仮リンクと回転の合成を引き起こすことに対応する。

複素数テンプレート:Math の表現行列をテンプレート:Mvar とすると、テンプレート:Mvar の行列式

テンプレート:Math2

は対応する複素数の絶対値の平方である。

複素数のこの行列表現はよく用いられる標準的なものだが、虚数単位テンプレート:Mvar に対応する行列 $(\begin{matrix} 0 & - 1 \\ 1 & 0 \end{matrix})$ を例えば $(\begin{matrix} 1 & 1 \\ - 2 & - 1 \end{matrix})$ に置き換えても、平方が単位行列のテンプレート:Math 倍であり、複素数の別の行列表現が無数に考えられる（後述、また実二次正方行列の項も参照）。

複素函数

テンプレート:Math の色相環グラフ。内側の黒の部分は、とる値の絶対値が大きいことを表す。テンプレート:Math におけるテンプレート:Math2 は真性特異点である。

テンプレート:Main 複素変数の函数の研究は複素解析と呼ばれ、純粋数学の多くの分野のみならず応用数学においても広汎な応用がもたれる。実解析や数論等における命題の最も自然な証明が、複素解析の手法によって為されることもしばしば起こる（例えば素数定理。あるいは代数学の基本定理のルーシェの定理による証明）。実函数が一般に実二次元のグラフとして視覚的に理解することができたのとは異なり、複素函数のグラフは実四次元となるから、その視覚化に際しては二次元やテンプレート:仮リンクに色相（もしくは明度や彩度、輝度）による次元を加えたり、あるいは複素函数の引き起こす複素数平面の動的な変換をアニメーションで表したりすることが有効になる。

実解析における収束級数や連続性などの概念は、いわゆる[[イプシロン-デルタ論法|テンプレート:Mvar-テンプレート:Mvar論法]]において実数の絶対値を用いたところを複素数の絶対値で置き換えることにより、複素解析においても自然に考えられる。例えば、複素数列が収束するための必要十分条件は、その実部および虚部の成す実数列がともに収束することである。もう少し抽象的な観点では、テンプレート:Mathbf は距離函数

d (z_{1}, z_{2}) = | z_{1} - z_{2} | (z_{1}, z_{2} \in ℂ)

を備える完備距離空間で、特に三角不等式

| z_{1} + z_{2} | \leq | z_{1} | + | z_{2} |

が成立する。実解析と同様に、収束の概念はいくらかの初等関数の構成において用いられる。

指数・対数

複素指数函数

複素指数函数テンプレート:Math あるいはテンプレート:Mvar は級数

\exp z : = \sum_{n = 0}^{\infty} \frac{z^{n}}{n!} = 1 + z + \frac{z^{2}}{2} + \frac{z^{3}}{6} + \dots

で定義される。この級数の収束半径はテンプレート:Math であるから、複素指数函数はテンプレート:Mathbf 上正則関数（整関数）である。

任意の実数テンプレート:Mvar に対して次の等式が成り立つ：

\exp i φ = \cos φ + i \sin φ

（オイラーの公式）

一般の複素変数テンプレート:Mvar に拡張した余弦函数テンプレート:Math, 正弦函数テンプレート:Math は次の式で定義できる：

\begin{matrix} \cos z & = \frac{e^{i z} + e^{- i z}}{2} \\ \sin z & = \frac{e^{i z} - e^{- i z}}{2 i} \end{matrix}

余弦函数、正弦函数は整関数である。整関数であるような拡張の仕方は、一致の定理より一意である。

テンプレート:Math, テンプレート:Math などの双曲線関数も、同様に複素指数函数により定義できる。

複素対数函数

テンプレート:Main 実函数の場合と異なり、複素数テンプレート:Mvar に関する方程式

\exp z = w

は任意の非零複素数テンプレート:Mvar に対して無限個の複素数解を持つ。そのような解テンプレート:Mvar、すなわちテンプレート:Mvar の複素対数函数テンプレート:Math は

\log w = \ln | w | + i \arg w

と表すことができる。ただし、テンプレート:Math は実函数としての自然対数で、テンプレート:Math は上述の偏角である。この値は、偏角のときと同様にテンプレート:Math の整数倍の差を除いて一意であるから、複素対数函数もまた多価関数の主値としては、虚部テンプレート:Math を区間テンプレート:Math にすることが多い。

複素数の複素数乗

複素数の複素数乗テンプレート:Mvar は

z^{ω} = \exp (ω \log z)

として定義される。対数函数は多価であったから、その結果として複素数の複素数乗も一般には多価になる。特にテンプレート:Math2（テンプレート:Mvar は自然数）の形のときは、複素数テンプレート:Mvar のテンプレート:Mvar乗根テンプレート:Math を表し、値は一意に定まらない。

対数函数の適当な枝をとって一価函数として扱うとき、実数の実数乗に対して成立していた指数法則や対数法則は、複素数の複素数乗では一般に成り立たない。例えば、

a^{b c} = (a^{b})^{c}

はテンプレート:Math2 が複素数である場合には一般には成立しない。この式の両辺を今述べたような多価の値を持つものと見なす場合、左辺の値の全体は右辺の値の全体の成す集合の部分集合になっていることに注意する。

正則函数

テンプレート:Main テンプレート:Mvar を複素数平面テンプレート:Mathbf の領域とする。

複素函数テンプレート:Math2 が正則であるとは、定義域テンプレート:Mvar の各点で複素微分可能であることである。実部と虚部に分けて考えると、テンプレート:Mvar が正則である必要十分条件は、テンプレート:Math, テンプレート:Math が微分可能で、コーシー・リーマンの方程式を満たすことである。例えば、複素函数

f (z) = \overline{z}

や

f (z) = | z |

は正則でない。これらはコーシー・リーマンの方程式を満たさず複素微分可能でない。

複素解析には実解析に無いいくつかの特徴がある。

正則函数は解析関数である（正則関数の解析性）。したがって、正則函数は何回でも微分可能である。

2つの正則函数テンプレート:Math2 がテンプレート:Mvar のある小さな、正則曲線上で一致するならば、それらは全体でも一致する（一致の定理、解析接続）。

有理型関数は、局所的には正則函数テンプレート:Mvar を用いてテンプレート:Math2 で近似でき、正則函数といくつかの特徴が共通する。有理型でない函数は真性特異点をもつ（例えばテンプレート:Math はテンプレート:Math2 で真性特異点を持つ）。

歴史

負の数の平方根について、いささかなりとも言及している最も古い文献は、数学者で発明家のアレクサンドリアのヘロンによる『測量術』(テンプレート:Lang) である。そこで彼は、現実には不可能なピラミッドの錐台について考察しているものの、計算を誤り、不可能であることを見逃している。

16世紀にイタリアの数学者カルダーノやボンベリによって三次方程式の解の公式が考察され、特に相異なる 3 個の実数解を持つ場合に解の公式を用いると、負の数の平方根を取ることが必要になることが分かった。当時は、まだ、負の数でさえあまり認められておらず、回避しようと努力したが、それは不可能なことであった。

17世紀になりルネ・デカルトによって、虚 (テンプレート:Lang) という言葉が用いられ、虚数と呼ばれるようになった。デカルトは作図の不可能性と結び付けて論じ、虚数に対して否定的な見方を強くさせた。

その後、ウォリスにより幾何学的な解釈が試みられ、ヨハン・ベルヌーイやオイラー、ダランベールらにより、虚数を用いた解析学、物理学に関する研究が多くなされた。

複素平面が世に出たのは、1797年にノルウェーの数学者テンプレート:Ill2 (Caspar Wessel) によって提出された論文が最初とされている。しかしこの論文はデンマーク語で書かれ、デンマーク以外では読まれずに1895年に発見されるまで日の目を見ることはなかった。1806年にテンプレート:Ill2 (Jean-Robert Argand) によって出版された複素平面に関するパンフレットは、ルジャンドルを通して広まったものの、その後、特に進展は無く忘れられていった。

1814年にコーシーが複素解析を始め、複素数を変数に取る解析関数や複素線積分が論じられるようになった^[9]。

1831年に、機は熟したと見たガウスが、複素平面を論じ、複素平面はガウス平面として知られるようになった^[10]。ここに、虚数に対する否定的な視点は完全に取り除かれ、複素数が受け入れられていくようになる。実は、ガウスはベッセル（1797年）より前の1796年以前にすでに複素平面の考えに到達していた。1799年に提出されたガウスの学位論文は、今日、代数学の基本定理と呼ばれる定理の証明であり^[11]、複素数の重要な特徴付けを行うものだが、複素数の概念を表に出さずに巧妙に隠して論じている^[10]。

他分野における複素数の利用

複素数テンプレート:Mvar と実数テンプレート:Mvar により定まる、一変数テンプレート:Mvar の関数テンプレート:Mvar は時間テンプレート:Mvar に対して周期的に変化する量を表していると見なすことができる。周期的に変化し、ある種の微分方程式を満たすような量を示すこのような表示はフェーザ表示と呼ばれ、電気・電子工学における回路解析や、機械工学・ロボット工学における制御理論、土木・建築系における振動解析で用いられている^[12]。

物理学

物理における振動や波動など、互いに関係の深い2つの実数の物理量を複素数の形に組み合わせて表現すると便利な場面が多いため、よく用いられる。

量子力学では複素数が本質的である（数学的定式化に用いられる）。物体の位置と運動量とはフーリエ変換を介して同等の扱いがなされ、波動関数たちのなす複素ヒルベルト空間とその上の作用素たちが理論の枠組みを与える。

複素数の拡張

テンプレート:Main 複素数とは実数体上の、実数単位テンプレート:Math, 虚数単位テンプレート:Mvar の線型結合であるが、これに新たな単位を有限個加えて可換体（通常の四則演算ができる数の体系）を作ることはできない^[13]^[14]。実数体テンプレート:Mathbf から拡張してテンプレート:Mathbf を得る過程はケーリー＝ディクソンの構成法と呼ばれる。この過程を推し進めると、より高次元の四元数体テンプレート:Mathbf, 八元数体テンプレート:Mathbf が得られる。これらの、実数体上の線形空間としての次元はそれぞれテンプレート:Math2 である。この文脈において複素数は「二元数」(binarions) とも呼ばれる^[15]。

注意すべき点として、実数体にケーリー＝ディクソンの構成を施したことにより、順序に関する性質が失われていることである。より高次元へ進めば実数や複素数に関してよく知られた性質が失われていくことになる。四元数は唯一の非可換体であり^[13]^[14]（つまり、ある二つの四元数テンプレート:Math2 に対してテンプレート:Math となる）、八元数では（非可換なばかりでなく）乗法に関する結合法則も失われる（つまり、ある八元数テンプレート:Math2 に対してテンプレート:Math となる）。一般に、実数体テンプレート:Mathbf 上のノルム多元体は、同型による違いを除いて、実数体テンプレート:Mathbf, 複素数体テンプレート:Mathbf, 四元数体テンプレート:Mathbf, 八元数体テンプレート:Mathbf の4種類しかない（テンプレート:仮リンク）^[16]。ケーリー＝ディクソン構成の次の段階で得られる十六元数環ではこの構造は無くなってしまう。

ケーリー＝ディクソン構成は、テンプレート:Mathbf（をテンプレート:Mathbf-線型環、つまり乗法を持つテンプレート:Mathbf-線型空間と見て）の正則表現と近しい関係にある。すなわち、複素数テンプレート:Mvar に対して、テンプレート:Mathbf-線型写像テンプレート:Mvar を

f_{w} : ℂ \to ℂ; z \mapsto w z

とすると、テンプレート:Mvar の（順序付き）基底テンプレート:Math に関する表現行列は、実二次正方行列

(\begin{matrix} Re (w) & - Im (w) \\ Im (w) & Re (w) \end{matrix})

である（つまり、#行列表現で述べた行列に他ならない）。これはテンプレート:Mathbf の標準的な線型表現だが、唯一の表現ではない。実際、

J = (\begin{matrix} p & q \\ r & - p \end{matrix}), (p^{2} + q r + 1 = 0)

なる形の任意の行列はその平方が単位行列のテンプレート:Math 倍、すなわちテンプレート:Math を満たすから、行列の集合

{z = a I + b J : a, b \in ℝ}

もまたテンプレート:Mathbf に同型となり、テンプレート:Math 上に別の複素構造を与える。これはテンプレート:仮リンクの概念によって一般化することができる。

多元数はテンプレート:Math2 もさらに一般化するもので、例えば分解型複素数環は剰余環テンプレート:Math である（複素数は剰余環テンプレート:Math であった）。この環において方程式テンプレート:Math は4つの解を持つ。

実数体テンプレート:Mathbf は有理数体テンプレート:Mathbf の通常の絶対値による距離に関する完備化である。テンプレート:Mathbf 上の別の距離函数をとれば、任意の素数テンプレート:Mvar に対して [[p進数|テンプレート:Mvar進数]]体テンプレート:Math が導かれる（つまりこれは実数体テンプレート:Mathbf の類似対応物である）。オストロフスキーの定理によれば、このテンプレート:Mathbf とテンプレート:Math 以外にテンプレート:Mathbf の非自明な完備化は存在しない。テンプレート:Math の代数的閉包テンプレート:Math にもノルムは伸びるが、テンプレート:Mathbf の場合と異なり、そのノルムに関してテンプレート:Math は完備にならない。テンプレート:Math の完備化テンプレート:Math は再び代数的閉体であり、テンプレート:Mathbf の類似対応物としてテンプレート:Mvar-進複素数体と呼ぶ。

体テンプレート:Mathbf, テンプレート:Math およびそれらの有限次拡大体は、すべて局所体である。

脚注

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注釈

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出典

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参考文献

外部リンク

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↑ ^1.0 ^1.1 テンプレート:Cite book
↑ テンプレート:Mathworld
↑ テンプレート:Cite book
↑ テンプレート:Citation
↑ ^5.0 ^5.1 ^5.2 テンプレート:Harvtxt
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↑ 高木『解析概論』付録I, §10.
↑ テンプレート:Harvtxt
↑ ^10.0 ^10.1 テンプレート:Harvtxt
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↑ なお電気電子工学分野では虚数単位は「テンプレート:Mvar」を用いることが多い（電流（の密度）「テンプレート:Mvar」と混同を避けるため）。
↑ ^13.0 ^13.1 テンプレート:Harvtxt
↑ ^14.0 ^14.1 テンプレート:Harvtxt
↑ Kevin McCrimmon (2004) A Taste of Jordan Algebras, p.64, Universitext, Springer ISBN 0-387-95447-3 テンプレート:Mr
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[NEW_ACTION_2B-1] 1.0 ^1.1 テンプレート:Cite book

[2] テンプレート:Mathworld

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[8] 高木『解析概論』付録I, §10.

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[takagi1996.pp=94f-10] 10.0 ^10.1 テンプレート:Harvtxt

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[12] なお電気電子工学分野では虚数単位は「テンプレート:Mvar」を用いることが多い（電流（の密度）「テンプレート:Mvar」と混同を避けるため）。

[shiga-13] 13.0 ^13.1 テンプレート:Harvtxt

[takagi1996.pp=102-116-14] 14.0 ^14.1 テンプレート:Harvtxt

[15] Kevin McCrimmon (2004) A Taste of Jordan Algebras, p.64, Universitext, Springer ISBN 0-387-95447-3 テンプレート:Mr

[16] テンプレート:Harvtxt

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複素数

概観

定義

複素平面

複素数球面

基本的な性質

相等関係

四則演算

複素共役（共役複素数）

極形式

絶対値

偏角

極形式の表示と記法

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偏角の計算規則

ド・モアブルの定理

性質と特徴付け

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代数的特徴付け

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